週間情報通信ニュースインデックスno.560 2006/06/17

1.富士通、BPO強化推進で汎用業務の受託サービスを刷新(6.16 nikkeibp.jp)
富士通は6月16日、ビジネス・プロセス・アウトソーシング(BPO)サービスの強化について発表した。第1弾として、汎用業務の受託サービス「受付・入力・出力・保管・配送業務」「コンタクトセンターサービス」のメニューを刷新し、同日より販売を開始する。

BPOサービス強化にあたり、富士通グループ全体のリソースやベスト・プラクティスを集約し、「ビジネスプロセスライブラリ」として標準化する。仮想・自律・統合を推進する富士通のIT基盤「TRIOLE」をベースにしたオンデマンド・サービス基盤を構築するほか、各地センターの設備群を拡充し、ワンストップで顧客にサービスを提供できるようにする。

受付・入力・出力・保管・配送業務は富士通エフ・アイ・ピーが中心となって提供する。2006年度中に、都内の富士通ソリューションスクエアの既設棟内に1700平方メートルのBPOサービス・センターを新設し、個人情報漏洩防止などのセキュリティ対策や業務の効率化を図る。また、BPOサービス部門として新たに約500人の専門スタッフを確保した。

コンタクトセンターサービスは、コーポレイトソフトウェアが主に担当する。全国5カ所の拠点に2100人のスタッフを揃えているという。

両サービスでは、「エントリーサービス」「プリンティングサービス」「デリバリーサービス」「トランクルームサービス」「コンタクトセンターサービス」を複合的に組み合わせる。

2.通信・放送改革論議の中身どうして日本はこれほど小粒なのか(6.16 nikkeibp.jp)
日本では「通信・放送の在り方に関する懇談会」の最終報告がまとまったようだが、未だに国が関与しているNHKやNTTの問題に議論が集中してしまい、結論が小粒に見えるのは私だけだろうか。

米国でも通信・放送の融合時代をにらんで、1996年に施行された通信法の改革論議が盛んだ。しかし、日本のような個別の機関のあり方を議論するのではなく、どのような仕組みをつくって、ケーブル放送企業、通信企業、インターネット企業の競争環境を整えるかという視点で議論している。

放送と通信を巡る「フランチャイズ規制」の議論

論点の1つは「フランチャイズ規制」と呼ばれるものだ。これは、ケーブル放送企業と通信企業が競争している米国ならではのテーマである。以前にも紹介したが、ケーブル放送企業も通信企業も、固定電話、携帯電話、インターネット接続、テレビ放送の4つのサービスをパッケージにして消費者に提供したいと考えている。

米ベライゾンや米AT&Tは光ファイバーを活用して、インターネット上でテレビ放送を配信したいが、そこにはフランチャイズ規制という壁がある。これは、ケーブルを用いて放送サービスを行う企業は、地元の州や郡の公共事業委員会の許可を得なければならないというものだ。全米でサービスを展開したければ、3万以上もの当局から許可を受けなければならない。

ケーブル放送企業との競争に待ったなしの通信企業はそんな許可をいちいち受けている余裕はない。そこで通信会社はロビー運動を行い、州の許可さえ取得すれば、州内の各郡の許可は不要という州法をテキサス州などで作らせた。それでも米国の50州で同じことをやるのでは時間がかかってしまう。そこで今度は、連邦レベルで一括して許可をとればOKという連邦版フランチャイズ規制法案を持ち出した。

当然、これまで苦労して一つひとつのフランチャイズ規制をクリアしてきたケーブル放送企業は、このような、いわゆるバイパス法案には反対した。だが、結局、6月8日の米下院では通信企業の言い分に軍配が上がった。この背景には、米議会、米政府内に「もっと通信企業とケーブル放送企業の競争を加速して、融合時代を作りたい」という思惑がある。

 私は6月5日からシカゴで開催された全米最大の通信関連のイベント「グローバル・コム2006」(米国通信産業協会「TIA」が主催)に参加した。その際にも、米連邦通信規制委員会(FCC)のケビン・マーティン委員長は、「ここ10年、長距離通話料金、携帯電話料金、インターネット接続料金は価格が下がっているのに、ケーブル放送料金だけが8割も値上がりしている」と述べていたのが印象的だった。

3.「クラス連絡網が作れない」、各地で起こる個人情報の狂騒(6.14 nikkeibp.jp)
何が個人情報かよく分からないのに、自分が不利な立場になると「それは個人情報だから教えられない」という風潮が世の中にはびこりつつある。その結果、地域活動に支障をきたしたり、保護される個人が逆に不利益をこうむったりする事態が生じていることは、このコラムでもずっと書いてきたことである。

個人情報の保護という耳当たりのよいキーワードが一人歩きしている結果ともいえるが、この傾向が様々な分野で拡大してくると、とんでもない社会が現出してくる。それは匿名が正当化される「覆面社会」である。組織や個人に至るまで、匿名にしておくことが何となく正しいのだ、という流れが静かに加速している。これは非常に危険なことだ。

それでは、過剰反応の事例を見ていくことにしよう。

【医療・福祉分野で起きていること】
 病院が入院患者の家族の問い合わせに情報開示を拒否する。児童の虐待情報が救済機関の関係者に伝わらない。災害弱者の情報を自治会などで情報共有しようとしても独居老人・心身障害者などの情報が得られない、病院が介護に必要な情報を福祉施設などに教えない ―― など。

【学校で起きていること】
 合格者氏名でなく番号のみ掲示する、クラスの緊急連絡網、級友名簿、卒業アルバム、卒業名簿の作成を取りやめる。大学などの就職課で卒業生名簿の閲覧を中止か制限する。担任の先生の住所が不明なため、子どもが年賀状を出せない。校内の展示物や表彰作品から子どもの名前を消す。試合で優勝してもメンバーの氏名を公表せず、学校名だけアナウンスする ―― など。

【地域活動で起きていること】
 国勢調査など公益のため必要な調査へ協力しない。住居から表札を外す、コミュニティー活動に必要な個人情報の提供を拒否する ―― など。

【官庁、公共団体で起きていること】
 国家試験合格者の氏名を発表しない、懲戒免職者の公表を取りやめる。省庁幹部の経歴を開示しない。刑事裁判記録の閲覧を禁止する、従来情報公開してきた個人情報の取り扱いルールを見直す ―― など。

【企業で起きていること】
 利便性を捨て、過度にセキュリティを高める、例えばハードディスクのないパソコンに総入れ替えする。仕事を自宅に持って帰ることを禁止する。SOHOなど個人事業者の仕事が急減する。採用予定者が以前在職していた企業に、履歴・職歴書に虚偽がないか確認を求めても情報開示を拒否される。本人が自分の個人情報に関して開示を請求しても、受け付け窓口が必要以上に複雑な手続きを要求する ―― など。

【警察、消防事件に関すること】
 警察が犯罪被害者の氏名、住所などを原則匿名扱いとし公表しない。消防が出火場所の住所番地を明らかにしない ―― など。

4.社内会議のペーパーレス化、4割が頻繁にPCを利用(6.15 nikkeibp.jp)
ガートナージャパンは6月15日、企業におけるペーパーレス会議の取り組みについて調査した結果を発表した。それによると、会議資料の配布方法として紙媒体を利用している人が多いものの、電子媒体の利用者も増えつつあり、社内会議のスタイルが着実に変化していることが分かったという。

社内会議における資料の配付手段については、39.8%が「パソコンを頻繁に利用」しており、53.2%が「紙を頻繁に利用」している。

また、「ペーパーレス会議に全社的に取り組んでいる」という人に、実感しているペーパーレス会議のメリットを尋ねたところ、「配布資料の印刷コスト、手間が省ける」という回答が圧倒的に多く、92.0%に達した。次いで「情報共有、資料の変更が容易」(72.0%)が多かった。他には「紙による情報漏洩を防止できる」(33.0%)や「会議に集中するようになる」(16.0%)といった利点が挙げられた。

5.KDDI、400万人分の顧客情報が流出(6.13 nikkeibp.jp)
KDDIは6月13日、同社のインターネット接続サービス「DION」の顧客情報399万6789人分が流出していたことを発表した。流出したのは、2003年12月18日までに契約したDIONの全顧客分の氏名、住所、連絡先電話番号。そのうち、2万6493人分は性別が、9万8150人分は生年月日が、44万7175人分はメール・アドレスがそれぞれ含まれていた。

 6月13日午後7時時点では、顧客情報がいつ、どのようにして流出したのかは特定できていない。同社は、顧客データベースに接続している開発・保守用のコンピュータから流出した形跡が残っていることから、「人為的なものだと推定している」(広報部)という。
 
 
 

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