週間情報通信ニュースインデックスno.542 2006/02/11
 

1.日本だけで“メル友”が蔓延している理由とは(2.9 nikkeibp.jp)
●『ケータイを持ったサル』や『考えないヒト』(いずれも中公新書)などの著作で有名な京都大学霊長類研究所の正高信男教授は、「ケータイに代表されるIT社会の到来によって、日本では国民の均一性、斉一性がますます強化されてしまった」点や、「人間同士の足の引っ張り合いや、誹謗中傷が激しくなった」こと、さらには「人が物事を深く考えなくなったり、引きこもりが増えた」等々、数々の弊害が出ていると警鐘を鳴らす。

●なぜ、そのような現象が起きているのか。それを回避する方法はあるのか。今後、日本人はITとどのように向き合っていったらよいか──これらの点について、正高信男教授に話を聞いた。

──正高教授は著書『ケータイを持ったサル』や『考えないヒト』などの中で、日本ではIT社会の到来によって、様々な弊害が起きていると警鐘を鳴らされています。なぜ、弊害が起きているのか、考えをお聞かせ下さい。

正高氏(以下、敬称略): 私はIT社会を象徴する最たるものはケータイだと考えています。ケータイは一般的には、“コミュニケーション・ツール”だと認識されていますが、私は既に、日本においてはコミュニケーションのためのツールではないととらえています。今や日本人にとってケータイは“自我の一部”になってしまっているのです。

日本では、四六時中、ケータイを使ってメールのやり取りをしている光景を至る所で目にしますが、欧米ではそういったことはありません。なぜ日本ではそういった現象が起こっているのか? 理由は簡単です。我々、特にビジネスパーソンがモデルにし、目指してきた欧米のIT社会における個人のあり方と、日本人の個人のあり方が根本的に全く異なるからです。つまり、西洋の近代主義が確立した“個人”というものが日本にはないのです。

日本における個人とは、“周囲との人間関係も包含したもの”です。一方、欧米の場合、『私は私、あなたはあなた』といったように、個人同士の間にある垣根がしっかりとしていて、その個人と個人の間にあるものが“付き合い”であり、その付き合いを円滑にするためのツールとして、ケータイやEメールを使っているのです。

しかし、日本のように、個人の垣根が低い国民性の中に、ケータイのようなものが入ってくると、元来“ツール”であるべきものが、“自我の一部”になってしまい、今のような現象が起こるというわけです。換言すると、元々低かった個人の垣根を超えるためのコミュニケーション・ツールとして、あまりにも日本人の国民性にピッタリ合っていたことが、ケータイが急速に普及していった最大の要因だと私は見ています。

――日本人と欧米人の国民性の違いによって、日本のIT社会は特異なものになってしまったというわけですね。日本人は昔から個人の垣根の低い国民なのでしょうか。また、そのことによって、どういった弊害が引き起こされているとお考えですか。

正高: 日本人には、元々“個人”というものがありませんでした。みのもんたもTVでよく「私たちのような名もなき庶民」と言っているように、日本の中にあるのは“庶民”であり、“世間”です。

少なくとも江戸時代以降、他人と違うことを行えば、“村八分”と言ってはじき出されるなど、日本には文化的、社会的背景として、他と異なることを嫌がる風土が根付いていたのです。要するに、日本人は元々、横並び主義、一線主義で、『一緒に群がっていれば安心』といった匿名性を重んじる国民だったのです。

そのため、他人が世間の注目を浴びるということに対する羨望(せんぼう)や憧れが強く、社会的な注目や賞賛といったことに対して高い価値を置きます。世間から突出すれば、『出る杭は打たれる』通りのことが起きたり、足を引っ張られたりしますし、逆に人から遅れをとれば、切り捨てられる社会なのです。

私は、日本はIT社会の到来によって、ある意味、江戸時代に戻ってしまったのではないかと考えています。いや、むしろ江戸時代よりも今の時代の方が、横並び主義は強化されているのではないでしょうか。なぜなら、ケータイやインターネットといったITツールは、空間や時間の拘束を受けないため、“世間”というものが江戸時代のような局地レベルではなく、全国レベルで出来上がってしまっているからです。

IT 社会の中で、そういった日本人の国民性が悪い面で働くと、お互いの足の引っ張り合いや誹謗中傷となって表れます。それは日本のIT社会が基本的に“匿名性”だからです。欧米のような個人の垣根が高い国から来たITを日本に持ち込み、しかも情報源を匿名にしてしまうと、必ず、匿名性を利用したスキャンダラスな誹謗中傷が起こってしまうのです。

2.「技術の根幹を米国に握られていていいのか」、検索エンジンへの思い(2.10 nikkeibp.jp)
「経産省、国産Googleの開発へ」――。2005年12月、日経新聞の紙面に掲載された記事に付けられた見出しである。経済産業省が国産の検索エンジン開発を検討すべく研究会を立ち上げたことを報じたものだ。米国を中心に開発が活発化する検索エンジンに対して日本の産業界はどうすべきなのか、国内企業で検索エンジンを開発しなくてもいいのか、などについて方向性を決める予定という。経済産業省 商務情報政策局 情報経済課情報経済企画調査官の八尋 俊英氏に研究会の取り組みについて聞いてきた。

――経済産業省が検索エンジンの開発に興味を持つようになったのはなぜですか。

八尋氏 ご存知のように、今や検索エンジンは生活になくてはならない存在になっています。何かちょっと調べたいときに、多くの人は図書館に行くのではなく、検索エンジンを使うわけです。

その検索エンジンをGoogle社とYahoo!社、Microsoft社という米国企業がガッチリ押さえてしまっている。この状況で本当に良いのだろうか、というのが今回研究会を立ち上げたキッカケです。Googleを使って、あるキーワードを検索して何万件というWWWサイトが引っ掛かったとしても、実際に表示できるのはそのうちの上位1000件だけです。「PageRank」などの仕組みを使ってWWWサイトを公平に重み付けしているから問題ないという意見もありますが、悪く考えれば「この検索結果を日本のユーザーに見せるのは都合が悪いから隠しちゃえ」といった具合に検索結果を細工されても、我々には分かりません。

3.デスクトップ検索アプリの新版「Google Desktop 3」がリリース(2.10 ITPRO)
米Googleは米国時間2月8日に、デスクトップ検索アプリケーションの最新版「Google Desktop 3」(ベータ版)を発表した。「Sidebar」のカスタマイズ機能を強化したほか、複数のコンピュータを検索できるようにした。同社Webサイトからダウンロード可能。

ニュースや天気予報、株価情報などに即座にアクセスできるSidebarでは、興味のある情報を電子メールやチャット経由で送って友人などと共有することが可能。Sidebarを通じてオンライン・ゲームを楽しむこともできる。 またSidebarを好きな場所に配置したり常に最前面に表示させることや、Sidebar上のパネル(アイテム)を“undock(解除)”してデスクトップ上に置くことが可能になった。

4.ドコモと日テレが「ワンセグ」での連携サービスで提携(2.9 ITPRO)
NTTドコモと日本テレビ放送網は2月9日、携帯電話とテレビ放送の連携事業で業務提携すると発表した。有限責任事業組合を共同で設立することを同日合意した。

同事業組合は、携帯電話向けのコンテンツへの投資や、テレビ番組の制作に取り組む。具体的には、地上デジタル放送のモバイル向け「ワンセグ放送」での放送と NTTドコモのインターネット接続サービス「iモード」の連動や、日本テレビが保有するコンテンツを携帯電話へ配信するなどの事業を予定している。また、日本テレビが開催するイベントでFeliCa対応の携帯電話「おサイフケータイ」による決済にも取り組む。

5.SkypeやGoogle、世界規模のWi-Fiネット構築目指すスペイン新興企業に出資(2.8 nikkeibp.jp)
世界規模のWi-Fiホットスポット・ネットワーク構築を目指すスペインの新興企業FONは、米eBay傘下のSkypeや米Googleから合計 1800万ユーロ(約2160万ドル)の資金を調達した。同社責任者のMartin Varsavsky氏が現地時間2月5日に公式ブログで明らかにしたもの。

上記2社のほか、ベンチャ・キャピタルのSequoia Capital社とIndex Ventures社も同社に出資する。

FON 社の構想は、ユーザーが設置する無線接続アンテナやルーターによって大規模な無償のWi-Fiローミング環境を構築しようというもの。FONネットワークのコミュニティに参加するメンバー「Foneros」に、FON社の提供するソフトウエアをルーターにインストールするか、インストール済みのルーターを購入して設置してもらう。Fonerosが地域ISPとの契約で利用しているWi-Fi信号をメンバー間で共有することで、どこでも無線ブロードバンド・インターネットを楽しむことが可能になる。
 

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