週間情報通信ニュースインデックスno.522 2005/09/17

1.いま日本で求められる「真のリーダーシップ」とは(9.16 nikkeibp.jp)
リーダーシップには3つのタイプがある
 誰かが出した答えが、ただ単に「正しい」というだけでは、周りの人への影響力はない。 そこから先、その正しい答えをいかにして集団の共用物にしていくかは、リーダーシップの問題だ。 しかし、これまで日本ではこれに関して全く教育してこなかった。 「正しい答えは何か」と「それをいかにして集団の共用物にして結果を出すか」という2つは、全く別のスキルだ。前者はハードに物事を考え、事実に基づいて分析していく「ハードスキル」、後者は「ソフトスキル」といえる。

 人に影響を与えるリーダーシップのスタイルは3つしかない。1つは「恐怖のどん底に落とす」こと。例えば、国家の独裁者、あるいは戦時中の軍国主義がこれに当たる。今のアメリカもそうだ。 マスコミはほとんどブッシュ批判をしない。あんなアメリカは見たことがない。アメリカでも“金縛り”になることがあるようだ(もっともハリケーン被災以降あまりにもノー天気な大統領を見て、さすがに頭に来ている人びとがようやく大統領批判を口にするようにはなった…)。

 そうした環境に長年浸って慣れてしまうと諦めてしまい、誰も告発しようとは思わなくなる。誰かが権限を握ると、みんなおとなしく従ってしまう。不思議なことに、組織にはそういう性質がある。「恐怖のどん底」というと非現代的と思われるかもしれないが、現代にも根深く生きている。かつてエクセレントカンパニーといわれたコクドや西武鉄道がそうだったように、カネボウや三菱自動車など日本の企業にも多く見受けられる現象だ。

 自民党における小泉首相も、いまやそうした存在になった。郵政民営化では、たとえ党内であっても一切の議論を封じ、郵政民営化には賛成だが、法案の不備は許容できない議員をも「造反組」とレッテル貼りし、衆院選で「刺客」を送り込んで排除し、党内から一掃した。当面選挙のない参議院議員も、もはや首相にもの申す人はいないだろう。党員といえどもまったく意見が具申できない存在になったことで、小泉首相は自民党始まって以来の「恐怖」に基づいたリーダーシップを手に入れたと言える。

 2つ目のスタイルは、自ら事例をつくって示すタイプ。 日本の成長を支えた有名経営者は、「俺の背中を見てついて来い」という率先垂範型が多い。下の人間も「トップがあれだけやっているのだから、自分たちも働かないと」と奮い立つ。
 その典型例は日本電産の永守重信社長だろう。今や企業再建のプロとして名を馳せている永守氏の最近の再建事例が三協精機だ。平成14年から3年連続で赤字だったが、日本電産が資本参加して永守氏が指導をすることで、直ちに黒字に転換した。

 その要諦は6つの「S」の徹底にあった。整理・整頓・清潔・清掃・作法・躾のことだ。日本電産から派遣された幹部は率先してトイレ掃除にもあたり、この基本動作を社内に植え付けた。また、永守氏は三協精機の若手社員との昼食懇談会、中堅以上の幹部との夕食会を繰り返し、現場の不満を吸い取ったうえで、会社の進むべき未来像を直接口頭で伝え、社員の精神革命を促した。その結果としての、わずか1年での黒字転換である。

 率先垂範型は経営者に大きなエネルギーを要求するが、半面みんなで議論する必要がないから、効率がよいともいえる。ただ、このスタイルは、どちらかといえば成長している企業で有効だ。自社が成長していると、他社より自社の明日のほうがいいという期待がある。「去年より今年の方がいい。いいポジションもある」と誰もが考える。実際、永守氏が最も重視するのは「利益の拡大」ではなく「雇用の増大」という、グローバルスタンダードとは一線を画した目標だ。

 しかし、成長が鈍化するとパイの奪い合いになるので、急におかしくなる。「なぜ自分より働きの悪いやつが、俺より給料が5%しか低くないのか」と思うようになる。成果主義でプラス5−10%の格差をつけたぐらいではダメだ。だから、成長が止まると、違うシステムを入れる必要がある。

 リーダーシップの3つ目のスタイルは、「ジャック・ウェルチ(GEの元会長兼CEO)」タイプ。彼のことを「恐怖政治」と指摘する人もいるが、私はむしろ「エンパワメント型のリーダー」だと思っている。

 ウェルチは決して率先垂範型のリーダーではない。本人自ら、「放送から医療、重電など幅広く事業展開しているので、とても率先垂範なんてできない」と私に言ったぐらいだ。ただ、彼は年に1、2回、強烈な演説をする。そして、「これからの注目の国はここだ」「次は中国だ」と大きな方向性だけはいう。すると社員全員がそちらに向く。このように太い幹は揺さぶるが、枝葉のような細かいことや率先垂範はしなかった。

 その代わり、非常に細かく大企業の問題を分析した上で、社内で意見が対立したときには「こういう形で解決しろ」という『仕掛け』をつくった。つまり、対立した社員同士が戦うのではなく、必ず社内の第三者を介在させて、その人に解決策を提示させる――これをあらゆるレベルでやりなさいといって、実践してきた。

 「ジャック・ウェルチ」タイプのリーダーは、内部の葛藤には乗らない。例えば普通の会社では、「A事業部長とB事業部長が戦ってどちらかが勝つか」という争いをしている。こういうスタイルを続ける限り、勝ったほうも社内に禍根を残す。会社の中で戦いに勝つことは無意味なことだ。むしろ、お客さまの信頼を勝ち取ることのほうが重要なはずだろう。

 社内の問題というのは、上層部に上がってくるのを待って意思決定していると、大企業では時間がかかってしまう。それに、上は判断するだけの根拠を持っていない。しかし、いわば社内コンサルタントのような人を間に入れることで、社内に滞っている問題がなくなる。問題を内在させないで表面化させ、すぐに解決する。サラサラ流れるような仕掛けをつくって、「解決しないことが悪である」というカルチャーをつくる。そして問題解決に貢献した人は周囲の尊敬を得て、リーダーになっていく。すると、会社の中に無数のリーダーが生まれてくる。

 企業にとって最大の問題は、社内にコレステロールがたまって情報が滞ってしまうことだ。また、「声の大きい人が勝つ」という文化が会社を間違った方向に向けさせ、その結果、みんなが諦めて倦怠感が生まれる。それを起こさせない仕掛けをつくって、無数のヒーローの中から、「将来あの人こそが、中立的な指導者として問題をさばいてくれる」と周囲に認められた人が、上に上がっていく。すると、次のリーダーも同様な仕組みで養成される。

 日本の会社では、全ての答えを組織のヘッドに求めようとする。しかし、実のところ、ヘッドはそのための訓練も受けていなければ、答えを持っているわけでもない。「みんなで考えて新しい方向を模索していく」「社内で対立する要素があったら、話し合いで解決して滞らせない」「声の大きい人が勝たないようにする」――そのための仕組みづくりこそが、日本の会社で求められている。

2.ITサービス業界も、「構造不況業種」の仲間入りか? 増収企業は6割でも、赤字企業が4割強に(9.16 日経ソリューションビジネス)
上場するソリューションプロバイダのうち、3月期決算を行っている主要75社の2006年3月期第1四半期の決算は、こんな言葉も浮かぶような厳しさが続いた。売り上げでは健闘しながら、赤字企業が43%にも達したからだ。

ただし、ITサービス業界の売り上げは第2/第4四半期に集中する傾向がある。第1四半期の売上高が通期や中間期の予想に占める「売上高達成率」の割合は、中間期に対しては30?−40%台、通期に対しては15−20%程度なのが普通だ)。景気が踊り場を脱したとの見方が強まる中、第2四半期以降のばん回次第では、ITサービス業界にも明るさが戻ってくる可能性はある。

 前年同期と売上高を比較できる72社のうち、増収企業は6割強の44社とまずまずの結果だった。 しかし利益については、経常ベースで比較できる70社のうち、増益は4割弱の27社にとどまった。一方、減益企業は14社、赤字企業は実に30社に達した。販社系、SI系を問わず、好調企業、不調企業が交錯する二極化の傾向は続いている。

 4割ある減収企業で最も多い理由が、顧客の需要低迷だ。また、「利幅の低い機器販売を抑制している」(日立ソフトウェアエンジニアリング)といった構造改革の過程で、売上高を減らした企業も多かった。日立ソフトの減収幅は31.4%に達する。なお減収幅が43.3%だったCSKはベルシステム24やネクストコムが連結対象から外れたため。同19.4%だったネットワンシステムズは、前期に通信事業者の大型受注があった反動という。ただし、ネットワンは今年度下期に通信事業者の受注増を見込んでおり、通期では増収を達成できるとしている。

3.米イーベイがスカイプ・テクノロジーズを買収へ(9.13 nikkeibp.jp)
大手オークション・サイトの米イーベイは9月12日、無償のIP電話ソフト「Skype」を提供するルクセンブルクのスカイプ・テクノロジーズを買収すると正式に発表した。買収金額は約26億ドルで、発行済み全株式を取得する。今後の業績次第で最大15億ドルを追加で支払うとしている。

イーベイの狙いは、コミュニケーションの円滑化による商取引の促進と、新たなビジネスの創出。まずSkypeを組み合わせることで、自社サイトにおける買い手と売り手のコミュニケーションを円滑化できる。買い手はSkypeを使って売り手と会話し、購入に必要な情報を即座に入手できる。一方、売り手も買い手とより親密な関係を築ける。中古車や産業機械など、購入前に込み入った会話が必要な商品に関しては、取引の速度が高まることも期待できる。

4.東西NTTが公衆無線LAN拡大、06年末まで1万2000APを設置(9.15 ITPRO)
東西NTTは9月15日、両社の公衆無線LANサービス「フレッツ・スポット」を大幅に拡大する方針を発表した。
フレッツ・スポットの無線LANアクセス・ポイント(AP)は現在、NTT東日本が400台、NTT西日本が3000台をそれぞれ設置済み。これを2005 年末までにNTT東日本が4500台、NTT西日本が5000台へ拡大する。さらに、2006年末までには両社ともに6000台までAPを拡大。東西 NTTの合計で1万2000台のAPを設置する予定。
同時に、東西NTT間でのフレッツ・スポットのローミング・サービスを10月26日から開始すると発表した。

5.ソフトイーサが新会社を設立、新VPNソフトを販売へ(9.16 nikkeibp.jp)
ソフトイーサは9月16日、同社が開発した「次世代VPNシステム(仮称:VPN 2.0)」の商用利用を11月30日から開始すると発表した。合わせて同製品を販売する新会社「ソフトイーサVPN」を設立。販売や契約の窓口業務を開始した。新会社はソフトイーサが50%を出資。代表取締役にはビレッジセンターの中村満代表取締役が就任する。

VPN 2.0とは、「レイヤー3スイッチを仮想化する技術を搭載し、スマートカードによるセキュアなユーザー認証に対応」とうたっていることから、先週公開されたばかりのSoftEther VPN 2.0 Beta 4がベースになるもようだ。現在、三菱マテリアルが販売している「SoftEther CA 1.x」とは、リリース文中で「全く次元の異なるシステム」「通信の互換性なども一切ありません」として、完全に独立したものであることを強調している。
 
 

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