週間情報通信ニュースインデックスno.519 2005/08/27

1.全米に被害及ぼしたウイルス作成の容疑者2人逮捕◇ロイター(8.28 nikkeibp.jp)
モロッコとトルコの当局は、先週全米のネットワークを混乱に陥れたコンピューターウイルス「Zotob」を作成・配布した容疑で男2人を逮捕した。米連邦捜査局(FBI)が26日明らかにした。

FBIによると、逮捕されたのはモロッコのファリッド・エッセバー(18)容疑者とトルコのアティラ・エキシ(21)容疑者の2人で、約2週間前、インターネットに打撃を与えた「Zotob」ワームと、その前の「Rbot」と「Mytob」も作成したとみられている。

「Zotob」は、CNNテレビやニューヨーク・タイムズなどメディア関連企業をはじめ100超の米企業でコンピューターが停止するなどの被害をもたらした。ただ、以前の「SQL Slammer」や「MyDoom」といった有害プログラムほど被害は拡大しなかった。

2.大前研一:「郵政選挙」で頂点に達した日本人の集団ヒステリー(8.25 nikkeibp.jp)
■事実を根拠に議論を戦わせそこから実態をあぶり出す
私はスタンフォード大学やUCLAで教鞭を執ってきたが、「ここでバーニーのフレームワークを使って説明します」「ポーターのバリューチェーンを使って説明すれば……」と口にしたがる学生が多いのには閉口している。一定のフレームワークを使って知的な遊戯ができることが、エリートのたしなみだと思っているのかもしれない。リベラルアーツを学ぶカレッジならそれもいいかもしれないが、現実社会との接点を確保しなければならないビジネススクールは、それではいけないというのが私の考えだ。だから、私は心を鬼にしてこう叱ってきた。「君は何を信じているのか。君がどう思うのかを聞いているのに、昔の学者の理論を持ち出してどうするんだ。人のフレームワークを使うな。自分の考えを述べよ」と…。

私のビジネススクール「大前経営塾」「ビジネスブレークスルー大学院大学」では、もちろん並行してフレームワークを吸収することはしてもらうが、たとえ知識は少なくとも、自分が手持ちの素材を総動員して、ともかく自分のオリジナルな意見を言えるように指導している。ディスカッションはエアーキャンパス(AC)と呼ばれる電子掲示板を利用しているから、自分と他人の発言録はそのまま残る。自分の発言が新しい切り口に基づくものかは一目瞭然だ。だから、入学して8週間も経てば、「賛成・反対」の単なる感想を言ったり、人のフレームワークを持ち出したりする生徒はいなくなる。また、夜中でも早朝でも私はコメントをつけるから、掲示板には適度の緊張感が保たれる。

それに、手持ちの知識がないことがハンディにはならない時代になった。Googleというネット上の検索エンジンが登場した今、情報収集は非常に便利になった。ネットから情報を収集し、「この記事とこの証拠を持って、私はこう思います」と生徒は言ってくる。すると、他の生徒も、決して証拠を持たずして意見を言わない。きちんとしたデータ・事実に基づいた見解を表明し始める。したがって、「そんな意見は気に入らない」というような会社でよくある感情的な議論は、私のクラスでは全く起こらない。

そういう環境に3カ月もいた生徒は、もう以前とは別人になる。その人のことを「自分と同レベル」と思っていた社内の同僚から見れば、力の差は歴然だ。「みんなも同じように実力がついたら困るから、スクールのことをあまり宣伝しないでください」という生徒もいるほどだ。それぐらい、自分で実力がついてくるのが分かる。サイバー社会は勝ち組と負け組を厳しく峻別すると言われているが、それは、自分で鍛錬すれば格段の力が短期間でつくからだ。
 

■“想定外”の事態は次のリスク回避につながる
以前に原子炉の技術者だった私の発想は、ジャーナリズムとは逆で、「事故が起きたことで、安全性はこれまでより格段に上がるはずだ」と考える。事故が起きると、事故を起こした会社は世間的には非難されるが、事故が原子炉を安全にする一面もある。

1979 年の米スリーマイル島原発の事故も、まず炉心温度が上昇した際に警告ランプが点灯した。本来であれば自動停止するため、オペレーターは何もしなくてもいいはずだ。しかし、気が動転して手動に切り替えてしまった。別の警告ランプが点灯したにもかかわらず、その後も結局3回もオーバーライドして手動に切り替えた。リスクに対して平静時に考えられることは、大体は設計段階で盛り込める。しかし、同じ人が3回もアラームを解除するというのは完全に想定外だ。これは、設計段階では対応できない。

アメリカの「9.11」のテロにおいても、高層ビルに飛行機が突っ込むという事態は到底考えられなかったことだ。しかし、実際に起きてしまったことで、皮肉にも今は「考えられる事故」になった。そのため、これからは、高層ビルの設計技術は飛躍的に向上する。ジャンボの衝突を未然に防ぐことはできないが、被害を大きくしたいくつかの原因は取り除かれるだろう。少なくとも、熱膨張で全体が崩壊することだけは避けられる設計が義務づけられるだろう。事故が起こる度に、安全になるということだ。

3.「SEOは半数が実施、RSSの活用はこれから」、企業のWebサイト活用実態(8.26 nikkeibp.jp)
「企業のWebサイトでは半数以上が検索エンジン対策を実施しているが、RSSを活用しているケースはまだ少ない」。日経BPコンサルティングが企業のWebサイト管理者を対象に実施した調査でこのような結果が得られた。調査は2005年7月に実施。企業のWebサイト上に掲載されている住所にアンケート用紙を郵送し、125社から回答を得た(回収率17.9%)。

検索エンジン対策には多くの企業が取り組んでいた。検索エンジン最適化(SEO)対策を「現在実施している」という回答は52.0%。「現在、過去とも実施したことはないが、将来検討したい」という回答も27.2%あった。 ただしSEO実施企業の成果への評価は、「満足」(13.3%)、「やや満足」(38.7%)と満足感の高い評価は半数を超えた一方、「どちらともいえない」も42.7%に達し、かならずしも満足のいく結果が得られないケースも多いようだ。

検索エンジン対策の不満点としては、「検索結果の上位に上がらなかった」(28.8%)、「検索結果の上位に上がった時期が短かった」(17.8%)、「検索エンジンからの誘導が増えなかった」(13.7%)などが上位に挙がった。

Webサイトをマーケティングに活用したいとする企業のWebサイト担当者からよく話が出るのが、ビジネスブログによる情報提供とWebサイトへの誘導の成功事例、そしてRSSの活用事例だ。 今回、ビジネスブログを「現在導入している」と回答した企業は5.6%と少ない。その中で、「将来導入したい」が36.8%と、ビジネスブログの活用に関心を示す企業は多い。ただし「分からない・回答できない」が52.8%と、約半数はいまだ評価を決めかねているというのが実情のようだ。

4.「2005年Q2の次世代音声対応製品市場は前年同期比55%拡大」,米調査(8.27 ITPRO)
米Infonetics Researchは,次世代音声対応製品の世界市場に関する調査結果を米国時間8月25日に発表した。2005年第2四半期の売上高は6億1400万ドルで前期から18%増加。前年同期からは55%の拡大となった。同社は,2008年までに年間売上高が57億ドルに達すると予測している。

 調査によれば,次世代音声対応製品のすべての部門が前年から成長している。前期からは,ソフトスイッチ・クラス4とメディア・サーバーを除くすべての部門で売上高が伸びている。

 「通信事業者がネットワークの近代化とサービス革新に取り組むのにしたがって,これら機器の売上高は大きく伸びている。Infonetics Researchでは,北米の加入者数を上方修正するとともに,欧州の加入者数予測も追加した。両地域において2008年には,VoIPが40%近く普及することが予想される」(同社)

 北米の家庭/SOHOのVoIP加入者数は,2004年の110万人が2008年には2430万人に達し,2006?2008年にかけて600万人を超える新規加入者がVoIPを利用するようになるという。欧州では,2004年に220万人のVoIP加入者数が2008年には2780万人に増え,新規加入者も2007年から2008年にかけて800万人近く増加すると見込まれる。

 世界のソフトスイッチ市場の総売上高は,クラス5アプリケーションにけん引されて2億4790万ドルで前期から15%,前年同期から106%拡大した。カナダのNortel Networksは,メディア・ゲートウエイとソフトスイッチの売上高で市場シェア1位を獲得。独Siemensと米Sonus Networkがこれに続いた。

5.【最終局面を迎えた電力線通信・実用化「再」論争の真実】(5)(8.26 日経コミュニケーション)
屋内に張り巡らされている電力線(電灯線)を使って通信する電力線通信の実用化の可否は,9月中にも開催される総務省「高速電力線搬送通信に関する研究会」(座長は東北大学電気通信研究所の杉浦行教授)の場で明らかになる予定。 研究会は,2005年1月の開始から8カ月を経ており,実証実験なども行ってきた。しかし,推進派と反対派の主張は対立したままで落としどころが見えない。

それでも総務省は当初の予定通り,9月中にも方向性を固めて10月にはパブリック・コメントを募集する方針を変えていない。 電力線通信は,「e- Japan重点計画-2004」で規制緩和の検討をすることになっている。 総務省のスケジュールは,e-Japan重点計画-2004の検討期限である 2006年3月から逆算したものだ。

議論に残された時間が刻一刻と無くなっていく中,8月18日の研究会では遂に,座長の杉浦行・東北大学教授から折衷案とでも呼ぶべき新たな提案が出された。その提案とは「コンピュータの電源ケーブルから漏えいする雑音レベルをたたき台に値を検討する」というもの。だが,この値は,推進派,反対派のいずれの陣営も受け入れに難色を示す。コンピュータの電源ケーブルから漏えいする雑音レベルをそのまま規制値にすれば,推進派にとっては,悲願であった高速化はおろか「実用的な通信はできない」(推進派)ことになる。また反対派にとっても,主張していた保護基準値とはほど遠く「飲める話ではない」(反対派)。

電源ケーブルからの雑音については,漏えい電磁波の測定方法と規制値を規定する「CISPR」で国際的に規定済み。杉浦座長は「推進派と反対派の折り合いがつかないのなら,既存の国際規格を規制値に据える以外にない」(杉浦教授)と説明する。また,研究会を取りまとめる総務省電波環境課の富永昌彦課長も,「折り合いが付かないときは中間点を落としどころにするのは国際的にも筋の通った考え方だ」と座長の提案に理解を示す。

電波行政では,過去にも「推進」「反対」の構図で規制緩和が議論されたことがある。最近では,UHF(ultra high frequency)帯を利用する無線IC(RFID:radio frequency identification)タグの例がある。

UHF帯無線ICタグが新たな割り当てを要求した950M−956MHzは,もともとKDDIがTDMA(time division multiple access)方式の携帯電話サービスに利用していた周波数。KDDIが2003年3月末に同サービスを停止したことにより,帯域が空きとなった。そこに経済産業省の後押しもあって,すかさず無線ICタグを割り当てる案が浮上。2004年8月に総務省での検討が始まった。

だが950M−956MHzの両側の周波数帯は,NTTドコモのPDC(personal digital cellular)方式の携帯電話システムが利用していた。このためUHF帯無線ICタグとNTTドコモの携帯電話間での干渉問題が勃発。大量のタグを一括で読みとるためには高出力のリーダー/ライターが必要だが,そこから出る電磁波がNTTドコモの携帯電話に悪影響を与える可能性が懸念されたのである。
 

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