週間情報通信ニュースインデックスno.517 2005/08/13
 

1.ソニーのテレビ大不振、3つの誤算(8.9 日経ビジネス)
「出井伸之前会長の構造改革は失敗だった。 新経営陣は、出井時代の戦略を全否定するくらいのテコ入れ策を打ち出さないと、誰も納得しない」(外資系証券アナリスト)――。こんな厳しい見方が最近、株式市場関係者の間に広がっている。

「テレビで1750億円の赤字」
ソニーは9月に、経営方針説明会を開く。 6月に就任した、ハワード・ストリンガー会長兼CEO(最高経営責任者)と中鉢良治社長兼COO(最高執行責任者)が、どのような構造改革案を打ち出すのかに注目が集まっている。 その柱となるのは、2006年3月期に巨額の損失を出すことが確実となったテレビ事業の再建策だ。

2003年4月の「ソニーショック」から取り組んできた構造改革の成果が表れない。業績は悪化する一方で、極めて深刻な事態だ。特に、最大の病巣であるテレビ事業は3つの誤算に阻まれ、短期間での復活が難しくなった。

誤算1ブラウン管の再編が追いつかない

今年の春先、ライバルメーカーの担当者の間では、「シンガポールの港に、ソニーのブラウン管の在庫が積み上がっている」(ある家電メーカーの幹部)との噂が流れていた。実は、今回の業績修正には、ブラウン管テレビの失速が大きく影響した 。欧州を中心に、液晶テレビの価格が急速に下がり、ブラウン管テレビが売れなくなった。 

誤算2
安くしても売れない「ベガ」
プラズマテレビを事実上撤退してまで経営資源を集中した液晶テレビも、伸び悩んでいる。
今年2月、ソニーは液晶テレビ「ハッピーベガ」を発売した。 差別化の肝である画像処理回路「ベガエンジン」をあえて搭載せずに、低価格路線を追求してシェア拡大を狙った。しかし、それも裏目に出た。 東京・新宿のある量販店では、32インチのハッピーベガの販売価格は19万8000円だった。 シャープの最新の32インチの製品より約10万円も安い。 それでも店員は、「安いハッピーベガですら販売目標に達していない。液晶パネルは自社製でなく韓国のサムスン電子から買ってきているし、画像を良くするベガエンジンもない。これじゃ売れない」とため息をつく。

誤算3
プラズマの攻勢でリアプロ失速
ソニーの薄型テレビの中で稼ぎ頭だったリアプロジェクション(背面投射型)テレビも、北米市場でプラズマの攻勢を受けて苦戦を強いられている。 松下などがプラズマの大画面化と低価格化を急速に進めてきたことで、リアプロの優位性が崩れてきた。

井原副社長は、「来年の下期にはテレビ事業を再生させる」と語る。だが、大和総研の三浦和晴アナリストは、「松下は事業部制の解体など抜本的な変革を実現したが、ソニーは人員さえ減らせば業績は回復すると考えていたとしか思えない。 松下と比べて、モノの売り方から作り方まで3年は遅れており、復活は容易ではない」と話す。

2.「失敗学」がしなやかで強い組織をつくる(後編)(8.8  nikkeibp.jp)
大企業の不祥事・事故が相次いでいる。「日本の安全神話は崩壊したのか」という声が渦巻く中、「日本人は自虐的になる必要はない」と「失敗学」の創始者である畑村洋太郎教授は指摘する。過去の失敗を直視し、そこから真摯(しんし)に学べば、時代にしなやかに対応できる強い組織が生まれる??そう語る畑村教授に失敗の生かし方を聞いた。

――昨年3月に、六本木ヒルズ(森ビル)で6歳の男の子が大型自動回転ドアに挟まれて死亡する事故がありました。この事故に関して独自の調査プロジェクトを立ち上げられた背景をお聞かせください。

畑村:事故が発生すると必ず各分野から専門家が集められ、事故調査委員会が結成されます。私も数多くの「事故調」にメンバーとして参加してきましたが、その経験から言えば、事故調には限界があります。 必ず監督官庁や利害関係のある業界団体のメンバーが入り、裁判で証拠採用される関係もあって、報告書は曖昧(あいまい)な表現になることが多い。 それに、たとえどんなに真摯(しんし)に原因を探ろうと思っても、当事者は違う視点から原因を考えるのが難しいものです。

一方、警察や司法の調査は責任の追及が目的であって、原因の究明には熱心ではありません。 多くの事故では、責任を負う当事者の処分が決まると問題が解決したかのように錯覚して、その失敗を忘れがちです。ですが、原因の究明と責任の追及とを分けて、事故と利害関係のない第三者が原因の究明をしなければ、再発を防止することはできません。

そこで、私は官庁や企業に影響されない事故調査の必要性を感じ、六本木ヒルズの回転ドア事故に関して志を同じくする人たちを募り、「ドアプロジェクト」という調査実験を実施しました。 様々な企業や個人の参加を得て、幅広い調査をおこなった結果、回転ドアの持つ大きな破壊力や、一般的なドアでも自動ドアよりもむしろ手動ドアに危険が潜んでいることなどを突き止めました。

――近年、大企業や国家的プロジェクトで大きな事故が多発していますが、その原因はどこにあるのでしょうか。

畑村:これまで日本は欧米という先例に学び、効率的な生産方式を築き上げてきましたが、追われる立場になったとき、マーケットの要求が分からず、製品が売れなくなりました。 お手本があって、決まりきったことをやればいいという物まね文化の中で、本来の安全管理もできず、事件・事故を繰り返すことになったのです。

“最大効率”をお題目に、各部署の連携を断ち切って作業者を思考停止状態に陥れ、失敗が起きると経営幹部は決まって「思いもよらなかった」「予測できなかった」と弁明します。経営者は「予測できない」事態を招いてきた原因をもう一度深く考えてみるべきです。

ひるがえって、アメリカはもともと“品質管理”の手法とともに、“フェイリャー・アナリシス(失敗分析)”の手法を車の両輪として取り入れてきました。さらに、日本がバブルに酔って浮かれているとき、逆に日本企業の品質管理を学び、今では失敗を経営に生かしています。

日本も失敗を単なる恥や減点の対象とせず、これを肯定して利用するべきです。“真の創造”は目の前の失敗を認め、これに向き合うことからしか始まりません。失敗は新たな創造行為の第一歩なのです。

人が社会的な活動をやめない限り、人は失敗と付き合い続けていかなければなりません。失敗は一時的に私たちの心を苦しめますが、実は発展のための大きな示唆を与えてくれるのです。

3.数字に見るスパイウエアの憂鬱(8.12  nikkeibp.jp)
インターネットによる現実世界への影響を調べる団体Pew Internet & American Life Projectが2005年7月に最新の調査報告をまとめた。内容は私たちの大半がここしばらく疑っていたことを証明するものだった。スパイウエア、つまり普通はあなたのシステムにこっそりとインストールされて、不穏な活動をする不正ソフトが、人々のインターネットの使い方を変化させているというのだ。
 

利用方法が慎重になってきたユーザー
その数は驚くべきものだ。報告によると、インターネット・ユーザーの96%はスパイウエアを避けるためにブラウジングの仕方を変えており、81%は安全だと確認できるまでメールの添付ファイルを開かず、ほぼ半数は自分たちのPCにこっそりスパイウエアをインストールしているのではないかと恐れている。 ユーザーは同時に、特定のWebサイトを訪問するのを止め、さらに25%はピア・ツー・ピア(P2P)のファイル共有ネットワークから音楽などをダウンロードするのを止めたという(最後に上げた数字はなぜもっと高くないのかと思うに違いない)。

テロや地球温暖化現象のように、スパイウエアは恐怖のオーラを生み出した。ただし、他の例とは違い、スパイウエアは未知のものではなく、非常によく出遭う既知の恐怖である。2004年10月の時点に戻ると、ほとんどのインターネット・ユーザーは自分のPCに何らかの形のスパイウエアをインストールされていた。この数字は今日もっと高くなっているようだ。

4. ITコンサルタントの選び方とつき合い方(1):“ジョーカー”を引かないために(8.12  nikkeibp.jp) 
コンサルタントに依頼したがさっぱり効果が出ない、あのコンサルタントは思惑が外れた・・・などと、コンサルタントに対する不満は少なくない。

コンサルタント選びは「失敗の山」

コンサルタント選びの失敗例には事欠かない。 私の知っている例だけでも、「何年もの間、月1回来社しては雑談をして行くコンサルタントに愛想をつかしたが、社長とのコネがあるので契約解除できない」、「丁寧なヒヤリングをして問題点の整理をし、膨大な資料を作ってくれたが、それで終わり。解決してくれないなら何のためのコンサルタントか」などなど、枚挙にいとまがない。

まず経営・ITコンサルタントの必要性や市場状況を概観してみよう。企業は、消費増大が期待されにくい中で、需要喚起型の商品を開発・提供して行かなければならない。あるいはグローバルな価格競争にさらされ、一方で社会的責任を求められ、企業を取り巻く環境は厳しさを増すばかりだ。

それに対応するためには、敏感で広角な情報収集と迅速で適切な意思決定ができる組織とシステムが求められる。そこには経営の戦略性と、時には高度な専門性が要求される。
ここにコンサルタントの必要性が生まれる。 特にもともと抱えるスタッフの少ない中堅・中小企業にとっては、コンサルタントを必要とする場面が多くなる。

実際ここ数年、コンサルタントの市場は拡大基調にあると言われる。一方では、バブル崩壊後の企業倒産や人員整理の結果、あぶれた人材がコンサルタントに流れたとも言われる。こういう背景があればこそ、コンサルタントを慎重に選び、有効活用したい。

まずコンサルタントにコンタクトする前の心構えについて、いくつか考えておきたい。

1:コンサルタント依頼の目的を明確化すること
 注意すべきなのは、最初からIT化すると決めてかからないことだ。これは極めて重要である。業務改革だけで経営を改善するという目的を達すれば、IT化が不要になる。実際にそうしたケースもあり得るからだ。

2:どの段階を依頼するかで選ぶコンサルタントが変わる
 経営戦略策定、業務改革、情報化企画、情報化実施、あるいはシステム稼動後のいずれの段階について依頼するかによって、依頼するコンサルタントが変わる。前3つの場合は経営・業務コンサルタント、あるいは戦略・業務にも造詣の深いITコンサルタント、後2つの場合はITコンサルタントになる。

 戦略・業務改革の段階でITコンサルタントに依頼して失敗したケースを、筆者はいくつか見てきた。依頼されたコンサルタントは、往々にして弱点を決して見せずに請け負うので、注意を要する。

3:できれば独立系コンサルタントが望ましい
 ハードメーカー・ソフトメーカー・ベンダーなどにコンサルタントを依頼すると、自社製品を優先的に考える場合が多いので注意を要する。しかし独立系は数が少ないこともあり、また信頼性の点からメーカーやベンダーに依頼せざるを得ない場合がある。その場合は、非常に難しいことだが、ヒモ付きにならないようにユーザー側がしっかりした考えと姿勢を示さなければならない。

5.総務省が新サービスの電話番号を検討、Skype着信なども議論(8.11  日経コミュニケーション)
総務省は8月10日、固定電話と携帯電話を融合させたFMC(fixed mobile cpnvergence)など新たな電話サービスにおける番号の使い方や割り当て方針を検討することを明らかにした。2006年3月をメドに結論を出す。

注目は、「電話サービスからインターネット電話への転送について検討する」としたこと。既に、フュージョン・コミュニケーションズでは同社の050番号のIP電話とルクセンブルグのスカイプ・テクノロジーズのIP電話「Skype」間での転送サービスを発表している。

フュージョンのサービスでは050番号のIP電話への着信をSkypeへと転送する。ユーザーは実質的に050番号で、Skypeへの着信が実現できる。050など総務省が一定レベルの品質を満たすとして割り当てた番号と、そうでないサービスとの連携について是非を議論する。このため、フュージョンのサービスは早くても結論の出る来年3月のスタートとなる見通しだ。
 
 
 

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