週間情報通信ニュースインデックスno.515 2005/07/23

1.「失敗学」がしなやかで強い組織をつくる、畑村洋太郎氏(7.22 nikkeibp.jp)
大企業の不祥事・事故が相次いでいる。「日本の安全神話は崩壊したのか」という声が渦巻く中、「日本人は自虐的になる必要はない」と「失敗学」の創始者である畑村洋太郎教授は指摘する。過去の失敗を直視し、そこから真摯(しんし)に学べば、時代にしなやかに対応できる強い組織が生まれる−−そう語る畑村教授に失敗の生かし方を聞いた。

■尼崎脱線事故に隠された「幸運な偶然」

――多くの死傷者を出したJR西日本の尼崎脱線事故の現場にも足を運ばれたそうですが、そこで何かお気づきになりましたか。

畑村:脱線事故から20日ほど経って現場に行ってみましたが、すでに事故車両と一部のレールは検証のために撤去されていました。脱線しなかった5両目から後ろは対向線路上に移動してありましたが、実は私が驚いたのは事故現場でありませんでした。

電車が激突したマンションから尼崎方向に歩いていくと、すぐ近くの対向線路上に、特急列車が止まっていたのです。事故現場との距離は約100メートルでした。その後ろの高架橋の上にも、次の列車が停止していました。今後は逆方向に戻って、事故列車の後続車両を調べてみると、300メートルほど後ろに快速列車が止まっていた。まさに数珠(じゅず)つなぎで、ぞっとしましたよ。もし、対向列車や後続列車が突っ込んでいたら、想像できないような惨劇が起きていたかもしれません。

それでは、なぜ二重衝突という最悪の事態に至らずに済んだのか。これまでの報道によると、対向列車の運転士が事故現場手前の踏切で、異常を知らせる特殊信号発光機に気づいて停止し、運転台の「防護無線機」のボタンを押して付近の全列車に緊急停止を命じたからとも、また別の話では、近所の主婦が踏切脇の非常ボタンを押したからとも、言われています。

しかも恐ろしいことに、踏切の特殊信号発光機がどうして作動したのかは不明だというのです。もし発光機が作動していなかったら、もし対向車両の運転士が信号に気づかなかったら、二重・三重衝突は避けられなかったでしょう。このとき、事故車両の車掌は本部への報告中で、防護無線機は押されていたが、作動しなかったと報告しているそうです。だから、二重衝突が避けられたのは本当に「幸運な偶然」だったのです。

――報道機関はそうした重要な点を指摘せずに、事故直後のJR社員の対応批判に終始しましたね。

畑村:JR 社員が事故直後にボウリングやゴルフへ行ったとか行かないとか、つまらない問題一色に染まってしまいました。もちろん、「事故直後だからボウリングは中止しましょう」と上司にいえない職場環境は感心しません。でも、昼夜3交代で夜勤もある職場に、昼間から遊ぶなと批判するのは筋が違う。この手の報道は事故の本質を矮小(わいしょう)化してしまいましたね。

重要なことは「幸運な偶然」を幸運なままにしておいてはいけないということです。どのようにして特殊信号発光機が作動したのか。なぜ事故車両の防護無線機は作動しなかったのか。本部と車掌の通信で、事故状況の報告だけでなく、「後続・対向車両への警報を作動させたか」の確認があったかどうか、そうした点をしっかりと調査し公開してもらいたいものです。これはATS(自動列車停止装置)や脱線防止ガードがなかったことより重大な問題です。

それにしても腑(ふ)に落ちないのは車掌が、なぜ事故発生後2分間も連絡を怠っていたかです。メディアは、こうした問題意識を持ちながら現場検証をすれば、多くの新しい視点が見つかるはずです。

事故の責任の追及も重要ですが、このように事故を直視してあらゆる原因を究明し、次に生かしていくのが私の提唱する「失敗学」の本質です。

2.ITサービス企業の平均年収トップはNRI(7.21 日経ソリューションビジネス)
ITサービス業界で従業員の平均年収が最も高い企業は、2004年度も野村総合研究所(NRI)で、その平均年収は1000万円の大台を超えた。2 位も昨年同様、電通国際情報サービス(ISID)で、900万円台に達した。一方、昨年3位だった日本ユニシスは平均年収を前年度以下に抑えたため、都築電気とキヤノン販売に抜かれ、順位を5位に下げた。

日経ソリューションビジネスの「2004年度ソリューションプロバイダ業績ランキング」では、前回調査と同様、売上高100億円以上の上場企業について従業員の平均年収を調べた。対象企業101社の平均は619.5万円。昨年の調査に比べ 10万円近く上昇した。SI単価の下落などITサービス業界を取り巻く環境が厳しくなっている中にあっても、上場企業は依然として賃金上昇傾向にある。

3.IT時代には判断力/直感/行動力が決め手に、茂木健一郎氏(後編)(7.20 nikkeibp.jp)
──前編では、急速なIT社会の発展と脳の関係について聞きました。その最後の方で紹介してもらいましたが、現代の脳科学の世界では、人間の経験のうち計量できないものを「クオリア(感覚質)」と呼ぶそうですね。クオリアを“味わい”ながら一つひとつの作業と向き合うと、時間はかかるのですが、不思議なことに非常に豊かな気持ちになります。

茂木:いわゆる「スローライフ」「スローフード」というムーブメントはクオリアと密接な関係があります。それは、時間をかけなければできないプロセスというのが必ずある。そして、そのスローなプロセスというものが人に幸せをもたらすということなのです。

さらに重要なことは、ゆっくり時間をかけなければ出てこない発明や発見、ひらめきというものがあって、それが人類に大きな恵みをもたらしてきたこと。そして、それがなければ人類は豊かになれなかったということです。
 

──最近は情報量や選択肢が多すぎて、そのため逆に、ディシジョンメイキングに迷うといったことも多いように思われます。今後、企業をより発展させていくためには、経営者はどのように情報を活用し、ディシジョンメイキングを行っていけばよいと考えますか。

茂木:選択肢が多すぎて選べない人って居るんですよね。なぜ選べないか。答えは簡単です。意識的に選ぼうとしているからなんですよ。

でも、そのやり方は間違っていて、実は脳は無意識に選んでいて、意識というものは後からそれを追認するだけなのです。それは脳科学の研究で既に分かっていることなのです。僕の場合、何を選択するかについて悩むといったことは全くありません。それは、こういった脳の働きを知っているからなんです。何も考えずに無意識に選べばよい。それを変に意識を介在させちゃうから、うまくいかなくなるんです。

経営者も最終決定は無意識に委ねるべきでしょう。知識やデータなどをすべてインプットした後で、最後の最後は直感でいくというのが一番正しいやり方です。経営者の仕事は“判断して決断する”ことであり、その部分にピンポイントで能力が求められていて、かつ給料にも反映されているわけですから。

4.IT企業の株式時価総額ランキング、トップはNTTデータ(7.22 日経ソリューションビジネス)
「2004年度業績ランキング」の調査対象企業のうち上場101社について、企業価値を表す時価総額を調べたところ、トップとなったのはNTTデータで時価総額は1兆238億円。同4995億円で2位となった野村総合研究所(NRI)を2倍以上引き離し、「売上高トップ」の座と合わせて名実ともに業界のリーダーたることを示した。時価総額3361億円で3位だったCSKの後は、大塚商会、キヤノン販売、伊藤忠テクノサイエンスが続く。

売上高1000億円超の大手ばかりが並ぶ上位の中で、健闘したのはオービックだ。2004年度売上高は449億4300万円と68位ながら、時価総額は 1863億円で7位に食い込んだ。しかし、同社の利益水準を見れば割高感は全くない。2004年度の経常利益は140億500万円で、対売上高比は実に 30%を超える。しかも、ここ数年はおおむね年率10%前後の利益成長を果たしている。これに対して、時価総額を純利益額(83億7600万円)で割った PER(株価純利益倍率)は22.2倍と、業界の平均的な水準だ。

5.NTTドコモ、FOMA経由でテレビ電話ができるPC用ソフトを無料配布(7.21 nikkeibp.jp)
NTTドコモは、第3世代移動通信(3G)サービス「FOMA」用電話機を接続したノートパソコンなどで利用できるテレビ電話用ソフトを、2005 年7月中にも無料配布する。ユーザーはFOMA電話機とパソコンをUSBケーブルで接続し、パソコンにWebカメラとヘッドセット(マイク、スピーカー)を接続すると、FOMA電話機などを相手にしたテレビ電話が可能になる。

NTTドコモはこれまで、ノートパソコンにFOMA通信カードを装着したユーザーを対象に、同様のソフトを提供していた。今回のソフト配布によって、FOMA電話機のユーザーもパソコンによるテレビ電話の利用が可能になる。
 
 

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