週間情報通信ニュースインデックスno.514 2005/07/16

1.大前研一:愚民政策が生んだ「ウソばかりの“国産”食品」(7.14 nikkeibp.jp)
米国でBSE(牛海綿状脳症)感染牛が1頭見つかったことで、日本は米国からの牛肉輸入をすべて禁止にした。 しかし、それで安全保障は高まったのだろうか。
米国内の牛の頭数は日本の約100倍。その中の1頭が感染したのに対して(今年6月に2頭目のBSE感染牛を確認)、実は日本では20頭も出ている。その事実は不問にして、米国で1頭出たというだけでこうした措置をとってしまう。どういう考えの人が、こうしたことを平気でするのだろうか。

結果的に、日本は米国から散々叩かれている。現在、日本が米国ともめる理由はこれ以外にない。米国ともめる原因として、BSE問題がふさわしいのかどうか。しかも、「全頭検査しろ」という理不尽なことを言って1年以上が経過した。それでもまだ解禁しない。おかげで日本の国産牛は史上最高値になっている。

そして、まだBSE感染牛が発見されていないオーストラリアには商社が殺到した。その結果、元々、米国牛より安いのが“ウリ”だったのに、今はかつての米国牛よりも高値になってしまっている。一体、誰が儲けているのか。

こうした事態が起こると、日本はすぐに“国”というものを前面に出して「危険だから、政府の責任で輸入ルートを閉鎖してしまえ」となる。いかに安全保障について考えていないかだ。そこには科学的な論拠は何もなく、感情論だけしかない。

例えば、アルゼンチンの肉は皆が美味しいと口をそろえる。私も現地に行くと、岩塩を振りかけて赤身の肉をよく食べるのだが、実は日本には輸入できない。口蹄疫(こうていえき)があるためだ。すべての肉がそうではないのに……。

賢明な消費者を育てるためにも、いくつかの選択肢を与えるべきだと思う。「米国牛は2000万頭の中でBSE感染牛が2頭出た。価格は安い」「国産牛は BSE感染牛が20頭出た。価格は高い」「アルゼンチン牛は……」という情報を開示して、選択してもらう。個人に選択能力がないと決めつけ、先回りして国家が商品をせき止めてしまっては、国民は育たないし、国家としてのリスクは下がらない。国が一度輸入を差し止めてしまうと、万が一、解禁した際にBSEが発生すれば、国の責任になってしまうからだ。

2.Apple社は過去最高の業績、iPodは四半期で600%増の600万台(7.15 nikkeibp.jp)
米Apple Computer、Inc.の2005年度第3四半期(2005年6月25日締め)決算は、売上高、利益ともに四半期ベースで過去最高を記録した(発表資料の日本語訳)。売上高は対前年同期比75%増の35億2000万米ドル、純利益は同425%増の3億2000万米ドルだった。総利益率も前年同期の 27.8%から29.7%へ上昇している。

この四半期における携帯型音楽プレーヤ「iPod」の出荷台数は対前年同期比616%増の615万5000台。 勢いは衰えを知らない。 「Macintosh」ブランドのパソコンも同35%増の118万2000台を出荷している。

3.IT社会に求められる経営者の能力とは、茂木健一郎氏インタビュー(前編)(7.13 nikkeibp.jp)
●企業が経営戦略を考える上で、ITは今や必要不可欠なものとなっている。 その一方で、IT社会における様々な課題も叫ばれ始めている。 特にデジタル情報の流通量は加速度的に増大しており、処理し切れない量に達しているともいえる。 例えば、昼夜を問わずやり取りされる電子メールの処理に追われ、疲弊してしまっているビジネスパーソンも多いのではないだろうか。

●それに対して、脳科学者であり、ソニーコンピュータサイエンス研究所のシニアリサーチャーである茂木健一郎氏は、「ITの成長のシナリオは我々の脳の情報容量が無限であることを前提としたものであるが、実際には脳が受け取り消化できる情報には限界がある」と提言する。

●現在のIT社会の課題を克服し、真に豊かなIT社会を築き上げていくにはどうしたらよいか。そのためには経営者やCIO(情報統括責任者)はどういったことに考慮してITマネジメントを行い、経営戦略に結び付けていけばよいか。茂木健一郎氏に話を伺った。

――ここ十数年の間にIT社会が急速に発展しています。その一方で、情報洪水に疲弊している人も多いかと思われます。実際、脳への負担はかなり増大しているのでしょうか。

茂木健一郎氏:
  IT社会が急速に発展する中、ネットワーク上を飛び交うテキスト、音声、映像などデジタル情報の流通量は今や人間がマネジメントできる量を超えてしまっています。そのため、現在、人間の能力と情報処理のスピードが多少不整合を起してしまっているところがあることは確かです。

最近、私がよく言うのは、1972年にローマのシンクタンクであるローマ・クラブが発表した『成長の限界―ローマ・クラブ人類の危機レポート』と同じようなことが、現在、脳で起こっているということです。当時考えられていた“経済成長というものは無限に続く”というシナリオは、“人類の経済活動の基礎となる天然資源を提供し、経済活動の過程で出る廃棄物を受け入れる「自然」というもののキャパシティが無限であること”を前提にしていたものであったのに対し、ローマ・クラブのレポートは“地球の自然には限界があり、それを超えては成長できない”というものでした。

それと同じことが、今のIT社会でも起きているということです。つまり、このIT社会は、最終的には、“脳”に流通するデジタル情報を消費してもらわなければいけない産業構造になっており、しかも、“脳の情報容量は無限である”という前提に立っているのです。そのため、人間の脳の可処分時間を奪い合うといった状況に陥っています。

しかしながら、実際には脳が受け取り、消化できる情報には限界があります。そこをどう乗り越えるかが、IT産業の成長のシナリオを考えるときに非常に重要なポイントとなってくるのです。

ローマ・クラブの「成長の限界」の最悪のシナリオについては、実は、我々は既に克服できているんです。そしてその要因となったのが、“情報”という経済成長のセグメントでした。なぜなら、情報は仮に100倍の情報を処理したとしても、エネルギーも同じように100倍使うわけではありません。エネルギーをそれほど使わなくても、情報の処理能力をどんどん高めていくことができるのです。それが成長の源泉になったことによって、克服できたというわけです。

IT そのものの発展がこれからも続いていくことは疑う余地はないでしょう。しかし、増大し続けるデジタル情報とそれを最終的に処理する脳とのインタフェースを考えなければ、ちょうど、産業革命による大気汚染など自然への公害が問題になったように、早かれ遅かれ、“脳への公害”が大きな社会問題になるのではないかと思われます。昨今、叫ばれ始めているIT社会における数々の弊害はその現れでしょう。

しかしながら、ローマ・クラブのシナリオを人類が乗り越えてきたように、“脳への公害”についても人間はいつかは乗り越えることができると僕は考えています。現時点では、まだ、それを乗り越えるためのキーテクノロジーやコンセプトが出てきていない状況なのです。

また人間の脳はすごく適応性があるので、キーテクノロジーの出現を待つまでもなく、この劇的に変化し続ける情報環境にも、そのうち慣れて乗り越えられるようになるかもしれません。ただ、その点についても、どのように自分の脳を使えばよいのかといった解決策が見えていないため、様々な分野の研究者たちが思考錯誤をしている段階です。最近の“脳ブーム”もそういった背景があるのではないでしょうか。

4.新戦略は「メッセージング」、低迷脱出狙うボーダフォンが会見(7.12 nikkeibp.jp)
ボーダフォンは7月12日、今後の事業戦略について説明する会長・社長会見を開催。ビル・モロー社長は、「携帯電話を『メッセージング・デバイス』と位置付け、今までになかったような新端末、新サービスを投入する」と今後の方針を説明した。なお売上高や加入者などの数字目標は、「一切公表しない」(津田志郎会長)という方針。

津田会長は現在ボーダフォンが置かれる状況を「6月に純増に回復したが、上位2社とは依然大きく水を空けられている。端末や料金サービスも不十分。総合力が弱まっていると言わざるを得ない」と分析。次いでモロー社長が、この状況の脱却を目指した事業戦略の概要を発表した。

個人向けは、家族や友達といった“小さなコミュニティ”内のコミュニケーションに注力。「メッセージング」をキーワードに新端末や新サービスを投入するとした。法人向けは、メインは中堅企業向けを中心にシェア拡大を目指す。

5.WIRELESS JAPAN:「携帯はオープンで行く」、ソフトバンクBBの宮川氏(7.13 nikkeibp.jp)
東京ビッグサイトで開催中の「WIRELESS JAPAN 2005」で、ソフトバンクBBの宮川潤一常務取締役が、同社の携帯事業戦略の一端を披露した。宮川氏は、同社が参入を目指す携帯事業について「携帯事業では、多彩な事業者とともにサービスを作り上げるオープンな事業モデルを採用したい。これまでのような垂直統合型モデルには限界がある」と語った。

ソフトバンクBBの固定事業は、アクセス回線からインターネット接続事業までを1社で提供する垂直統合型モデル。しかしこのモデルでは、「なかなかユーザーの多様なニーズに応えられなくなってきた」と宮川氏は語る。
 
 

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