週間情報通信ニュースインデックスno.505 2005/05/14

1.米シスコ05年第3四半期決算は好調も,日本では10%減(5.13 日経コミュニケーション)
 米シスコシステムズは米国時間の5月10日,2005年第3四半期(2?4月)の業績を発表した。 売上高は62億ドルで前年同期比10.1%増,純利益は14億ドルで前年同期比14.3%増だった。ジョン・チェンバーズCEOは「シスコが掲げる技術統合の戦略が成功している」とのコメントを表明した。「いつも慎重で回りくどい表現が多いチェンバーズCEOが,ここまで強気なのは珍しい」(シスコ関係者)。
 好調な業績の中で,日本国内市場は売上高が前年同期比で10%落ち込んだ。 その理由を「ブロードバンドのための設備投資を日本の通信事業者は他国の通信事業者よりも半年ほど先行して実施していた。 一方,他国では今まさに投資中だ。 日本での設備投資が落ち着いたからではないか」と説明している。

2.「中期経営戦略を推進する人事」、NTT東とNTTコムの社長交代劇(5.12 日経コミュニケーション)
5月11日のNTTグループ決算で明らかにされたNTT東日本とNTTコミュニケーションズの社長交代。 次期は、NTT持ち株会社の高部豊彦副社長がNTT東日本の社長に就任し、NTTコミュニケーションズは和才博美副社長が社長に昇格する。 これらの人事の狙いをNTT持ち株会社の和田紀夫社長は、「(2004年11月に発表した)中期経営戦略を推進するための布陣」と説明した。 中期経営戦略では、2010年までに3000万世帯の光アクセス化、フルIP化した次世代ネットワークの構築、固定通信事業のコスト削減などが掲げられている。

3.NTTグループ営業利益22.4%減、「減収傾向は今後も続く」(5.12 nikkeibp.jp)
NTT持ち株会社は5月12日、2004年度のグループ連結決算を発表した。売上高は前年同期比2.6%減の10兆8059億円、営業利益は同 22.4%減の1兆2112億円。ただし、グループ会社の株式売却益などにより、当期純利益は7102億円を確保。前年同期比で10.3%増と、過去最高水準の利益となった。

営業減益の最大の原因は、稼ぎ頭であるNTTドコモが割引サービスを導入したことなどで、初の減収減益となったこと。NTT東日本、NTT西日本、NTTコミュニケーションズの固定通信事業3社も、割安のIP電話サービスが浸透したことなどによる通話料の減収に歯止めがかかっておらず、業績を伸ばせていない。営業利益ベースではNTT東日本だけが増益、経常利益は3社とも減益だった。

4.総務省が競争状況評価案説明会、既存事業者が「携帯電話は寡占」に異議(5.14 日経ニューメディア)
総務省は2005年5月11日に、「平成16年度(2004年度)電気通信事業分野における競争状況の評価(案)」に関する通信事業者向けの説明会を開催した。評価案は4月26日に公表したもので、2004年度は携帯電話とPHSといった移動通信サービスとIP電話サービスの市場について新たに分析し、主に移動通信分野に関する競争状況について総務省の見解をまとめた。同省は評価案に対する意見募集を4月26日に開始し、6月1日まで受け付ける。今回の説明会では評価案の概要を総務省が説明し、通信事業者からの質問に対して回答した。

評価案で焦点となった携帯電話サービスは、現在NTTドコモとau(KDDIと沖縄セルラー電話)、ボーダフォン、ツーカーの4グループが提供している。2005年3月末の加入者数(合計 8700万件)ベースでみると、NTTドコモのシェア(市場占有率)は54.8%、これにauとボーダフォンを加えた3社合計のシェアは92.6%である。こうした状況について評価案では、「高度に集中した寡占状態といえる」とした。もっとも、現在の状況は1990年代後半から携帯電話事業者の再編が進んだ結果ともいえる。こうしたなかで総務省は評価案で、「寡占かどうかに競争評価の関心はなく、寡占によって事業者間で協調関係が成立しているかどうかを検証することが重要」としていた(詳細は日経ニューメディア2005年5月16日号に掲載)。

5.「セキュリティはビジネスの問題、技術の問題ではない」(5.14 nikkeibp.jp)
「セキュリティは技術の問題ではない。セキュリティ技術の進歩だけで、セキュリティ・レベルが向上することはない。セキュリティは“人”の問題、例えば、ビジネスの問題――ビジネスとして儲かるかどうか、ビジネスとしてコストがどのくらいかかるのか――といった問題である。セキュリティ向上の動機だけで、企業が適切なセキュリティ対策を施すことはない」――。セキュリティの専門家であるBruce Schneier氏は5月13日、セキュリティ関連の講演会/展示会「RSA Conference 2005 Japan」において講演した。

企業や組織がセキュリティを向上させようとするとコストがかかる。機能が制限され,利便性も低下する。その結果,ユーザーや従業員からは文句が出るかもしれない。
かといって,セキュリティ対策を施さないと,攻撃を受けたりウイルス被害に遭ったりするかもしれない。そうなると,マスコミは騒ぎ,顧客は怒り,会社の信用は失墜するだろう。国によっては,法に触れる可能性もある。

そこで,多くの企業や組織は,「(同じ業界の)まわりのみんながやっていることだけはやっておこう」という方策を採る。これが,ファイアウオールが売れた理由である。ファイアウオールは多くの企業で導入され,大きな市場になった。これは,「ファイアウオールはセキュリティの向上に効果的だから」と判断されたためではない。実際,不適切な設定をしているファイアウオールは,インターネット上に多数存在する。

効果的なセキュリティ対策を実施するには,その企業のCEO(最高経営責任者)に,セキュリティの観点以外からセキュリティの必要性を理解させる必要がある。
セキュリティがビジネスに直結すれば話は簡単だが,まず難しい。通常は,セキュリティはコストがかかるだけだ。そこで,「Regulation (法規制)」「Liabilities(責任)」「Competition(競合)」――以上3つを強調して,セキュリティの重要性を訴えるとよいだろう。

例えば,「セキュリティ対策を実施しないと法に触れる」や「責任問題になる」,あるいは「競合企業はこれだけセキュリティに力を入れている」――といった具合に訴えかけて,セキュリティの重要性に目を向けさせるのである。特に,責任問題を強調すると効果があるだろう。
 

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