週間情報通信ニュースインデックスno.496 2005/03/12
 

1.ホンダが成長持続へ大胆人事、研究・生産の役員入れ替えへ(3.9 日経ビジネス)
ホンダは4月1日に、生産と研究開発のトップを入れ替える大胆な人事を皮切りに、経営体制の大幅な刷新に乗り出す。

4 月から研究開発を担当するのは白石基厚専務(58歳)で、研究開発子会社である本田技術研究所の社長も務める。1969年の入社以来生産畑が長く、各地の工場で、多くの車種が1つのラインで生産できるように製造設備の汎用性を高める生産革新を進めてきた。同研究所の出身者以外から21年ぶりに2人目の社長として起用される。

一方、同研究所社長を兼務し、研究開発一筋だった伊東孝紳常務(51歳)は、基幹工場の鈴鹿製作所(三重県)所長に就く。 90年に発売したスポーツカー「NSX」で市販車としては世界初のアルミ製の骨格などを開発し、クルマの軽量化に道筋をつけた。

今回の大胆な入れ替えに、福井威夫社長は「ホンダも大企業になり、研究と生産の間では、電話だけで簡単に仕事の話が進むという雰囲気がなくなりつつある。トップを入れ替えて、両部門でお互いの“顔”が見える状態に戻したい」と言う。

ホンダはトップの入れ替えを機に、研究開発から生産への人事異動を本格化したい考え。というのは、これまで以上に高い品質のクルマを生産する「ケタ違い品質」を標語に掲げ、現場を強化してきたからだ。まず、若手の研究員を研究開発に入れて経験を積ませ、次に工場に移して生産現場の品質向上に力を注がせるという。

また、6月からは取締役の数を現在の36人から21人に減らす。 事業の運営を地域別、製品別、機能別に再編し、それぞれの責任者に取締役を選ぶ。彼らには自らも業務を執行しつつ、毎月1回は役員会に出席するという、1人3役以上の働きが求められる。この取締役を支えるために執行役員制を導入し、業務を分担させる。

これまで、ホンダは執行役員制の利点が見いだせず、導入には消極的だった。だが、今回の体制刷新で、現場の責任者となる取締役は多忙を極めると予想されている。その取締役が業務を遂行するには、職務区分を明確にした執行役員の補佐が必要と判断した。

今年1月以降、トヨタ自動車は社長と副社長の交代を発表し、日産自動車はCOO(最高執行責任者)を選出するなど、国内の大手自動車会社では経営体制の見直しが続いている。販売台数では過去最高の更新が続いているホンダも、ここにきて体制変更に踏み切った。「いい時にこそ、経営体制を見直すべき」と福井社長は語る。2005年3月期にはトヨタ、日産、ホンダの3社はそれぞれ連結売上高が過去最高を更新する勢い。 こうした日本の自動車会社の強さは、次の一手を先んじて打ち経営体制を見直していく姿勢に根ざしているのだろう

2.ソニースピリットはよみがえるか 第19回?経営体制刷新の前、安藤国威社長がnikkeibp.jpだけに語った(3.11 nikkeibp.jp)
新経営体制への移行は、「ソニーの新たな時代」の幕開けとも言える。安藤国威社長は、新体制発表の会見の席上で、「ソニーは、2005年から攻めに転じる。新体制にバトンタッチするには非常によいタイミングだ。これから本当の意味でのトランスフォーメーションがスタートできる」と語った。この新体制を明らかにする3カ月ほど前の2004年11月末、安藤社長はnikkeibp.jpのインタビューに対して、「ソニーは、もっと速度を上げ、変化を恐れない体質にならなくてはいけない」と語っていた。
 

■いま、ソニーに欠けているものは何だと考えていますか。
安藤 もともとソニーは、出る杭を求める企業だった。だが、最近では、親が子どもを最も入れたい企業、何千倍もの難関を突破しなければならず、東大に入るよりも難しい企業と言われるようになってしまった。こうした状態が続いていたら、ソニーは終わりなんです。

かつてソニーは、奇人変人ばかりだった。その奇人変人の中でも、さらに尖がった人たちが集まる「奇人変人の会」もあったほど(笑)。もっともっと尖った人が入ってくるような企業でなくてはならないし、その人たちが住みにくくなったら駄目なんです。

いまソニーの問題点は何かと聞かれたら、答えは「優等生ばかりになってしまい、なんと生意気な社員ばかりが増えてしまったか」ということになる。ソニーというブランドの上にあぐらをかいて、実績もないのにでかい顔をしている社員がいる。
 

■これは改善できるのですか。
安藤 ソニーの社員全員が、もっと現場を知らなければならない。 厳しい現場において、切磋琢磨している人がいる。かつてのソニーには、現場の厳しさや、現場でどんなことが起こっているかということを、社員が自然と取り入れる仕組みが社内にビルトインされていた。だが、いつからか、それが機能しなくなった。これは大変危険な状態だと思っています。

■最近、安藤社長は、変化を恐れないことと、速度を上げることを、社内に対して繰り返し訴えていますね。裏を返せば、その点が、いまのソニーには足りないということなのでしょうか。
安藤 速度をもっと上げる必要があると思っています。確かに、今は速度が遅いという意味にもなるかもしれません。しかし、これは将来にわたって継続していかなければならない取り組みですし、限りはありません。また、新しいことにチャレンジして、一方で古いものを捨てていく勇気も必要です。これらも継続的に取り組まなくてはならない事柄です。

いま、ソニーは、ハードウエアとコンテンツとネットワークを組み合わせることでどんな楽しいライフスタイルを提供できるか、あるいは生活をどう変えていけるか、というテーマに取り組んでいる。ここにも大きな壁がある。しかし、この壁を破るため、変化を恐れずに、挑んでいかなくてはならない。

■最近、「ソニーらしい」と呼ばれる製品が欠けているように感じられます。
安藤 確かに、他社に先行され、キャッチアップする立場になってしまったという指摘があります。だが、これには、いくつかの理由がある。一つは、世界戦略で見ると決してそうではないのに、日本市場を見ると厳しい状況にあること。メディアが日本市場の状況ばかり取り上げるがゆえの誤解がある。

もう一つは、大きな流れをドライブしているメーカーと、その流れの中の一部で勝つメーカーとは本質的に異なるという点です。AVとITとの融合や、通信との融合というテーマに、ソニーは積極的に取り組んできました。そうした大きな変化の中で、いちばん先を歩んでいる。

DVDレコーダーでソニーは遅れたと言われるが、すべての機種をEPG対応にし、「インテリジェンスに録る」という究極のスタイルにおいてリードしている。
切り替えのタイミング、つまり製品の端境期に入ったことが、「ソニーは弱い」という評価につながっていることも見逃せない。

例えばテレビ。30年間やってきたトリニトロンが切り替えのタイミングに入った。確かにフラットパネルでは出遅れたが、短期間のうちにキャッチアップしている。カムコーダーにしても、デジタルカメラにしても、DVDレコーダーにしても、この1年が、ちょうど技術や製品の切り替えに時期に当たっている。それが、ソニーの製品が弱いという評価になっているのではないだろうか。

ソニーの強さは「現場にある」と安藤社長はいう。この連載の取材を通じて、その主張にうなずける点は数多くあった。だが、それが業績に結びついていない、というのも確かだ。次回は、ソニーの“現場の力”とは何か、に迫る。

3.ヒット中の「ブログ」、ISPに重い負担、収益化も見えず(3.7 nikkeibp.jp)
デザインをテンプレート化し、更新作業が容易な簡易ホームページ作成サービス「ブログ」の勢いが止まらない。 「livedoorブログ」「gooブログ」「エキサイトブログ」「はてなダイアリー」など、開設数は軒並み10万件という大台を突破している。

表向き、各社は久々にヒットしたコンテンツに歓喜している。今後注力するコンテンツとしてブログを柱の一つに掲げる事業者も多い。ただ、内情は複雑だ。アクセス増加に伴うサーバー増強の負担が拡大しているためだ。「1秒間に20件もの更新がある。つい先日もサーバーを大幅に増強したばかり」(NTTレゾナント・パーソナル事業部の村井説人チーフプロデューサー)。

ブログがヒットしたのは、更新が簡単なうえ、お互いの記事にリンクを張り合う「トラックバック」という仕組みが斬新だったためだ。その分、「極めてサーバーに負荷がかかる構造」(イーナチュラルの齋藤伸也代表取締役)になっている。

こうした負担の増大は加速する一方で、収益化の方向性は見えない。現在ブログサービスは原則無料で、別途サービス内容を拡充した有料コースを設けている事業者がほとんどだが、この課金モデルの成果は芳しくない。「どの事業者も有料コースの利用率は1割に満たないはず」(ニフティのソーシャルシステム部の中泉隆部長)という現状だ。

4.「業務利用ではフルブラウザよりもBREWが便利」,KDDIが強調(3.10 日経コミュニケーション)
KDDIは2004年から,携帯電話のアプリケーション・プラットフォームに「BREW」(binary runtime environment for wireless)を採用した。 同社モバイルソリューション商品開発本部の阿部正吉モバイルソリューション1部長は「BREWが法人向けソリューションで多く利用されている」という(写真上)。阿部部長にBREWを使った法人向けアプリケーションの現状や,携帯電話機でパソコン向けWebページ閲覧を可能にする「フルブラウザ」との違いなどを聞いた。

代表的な例がスケジュール管理。これは当社でも導入している。 各部署の社員のスケジュールを専用のサーバーで管理し,それをダウンロードして携帯電話から閲覧できる。グループウエアのスケジュール管理と日報機能を切り出して強化したようなアプリケーションだ。パソコン向けアプリケーションとも連携できる(写真下)。

業務特化型のアプリケーションでも実績がある。例えば銀行や保険業向けのシステム。顧客の会社に出向いて商談をする際,顧客情報や入金/出金情報を出先から携帯電話で業務用サーバーとやり取りする。モバイル・プリンタとも連携し,その場で顧客控えの帳票などを打ち出せる。 ほかに運輸業や保守業向けのGPS(全地球測位システム)による位置情報を使ったシステムなども実績がある。

業務アプリケーションをWebアプリで作って携帯電話機のフルブラウザで利用しようとすると,電波の届かないところでは一切業務アプリが使えなくなってしまう。だがBREWで作った業務アプリならば,データの入力画面などはローカルで動く。電波の届かないところで情報を入力し,届く場所に行ってから送信するという使い方が可能だ。

5. IP電話などからの情報漏洩を阻止、NECが3つの新ソリューション発売(3.10 日経ソリューションビジネス)
NECは10日、オフィスで利用されるIP電話やWeb会議などからの個人情報漏洩を防止するためのソリューションを発売した。ITとネットワークを融合した「UNIVERGEソリューション」の強化策の一環で、「UNIVERGEデータ集中化ソリューション」「UNIVERGEフィジカルセキュリティソリューション」「UNIVERGEセキュアIPテレフォニーソリューション」の3種類のソリューションを投入した。

 UNIVERGEデータ集中化ソリューションは、SIP(セッション・イニシエーション・プロトコル)サーバーのUNIVERGE SV7000とシトリックス・システムズ製MetaFrameを活用する。個人情報をサーバーで集中管理し、クライアントパソコンにはWeb会議などのアプリケーションは搭載するが、個人情報のデータは保存しない仕組みにすることで、クライアントパソコンからの情報漏洩防止を図ることができる。

 UNIVERGEフィジカルセキュリティソリューションは、ICカードなどを活用して、オフィスの入退室管理やLANへのログインなどを相互連携させることができるようにする。例えば、オフィスへの入室の認証がされていない社員は、LANへのログインができない。一方、UNIVERGEセキュア IPテレフォニーソリューションは、IP電話の通話データや制御データを暗号化し、通信記録が漏洩することを防ぐ。

 個人情報保護法の全面施行まで1カ月を切ったが、NECは「対策を終えていない企業はまだまだ多い」(都筑一雄執行役員)と見る。 NECは自社のオフィスを兼用する「NECブロードバンドソリューションセンター」で、これらのソリューションを導入しており、自社のノウハウに基づいてユーザー企業に提案する。

 価格は、UNIVERGEデータ集中化ソリューションが820万円から、UNIVERGEフィジカルセキュリティソリューションが1000万円から、UNIVERGEセキュアIPテレフォニーソリューションが500万円からとなっている。NECはUNIVERGEのセキュリティソリューション全体で1年半以内に売上高300億円を目指す。
 
 

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