週間情報通信ニュースインデックスno.85 2004/12/11
 

1.携帯電話事業の宝の山はシルバー市場にあり(12.10 日経ビジネス)
携帯電話の契約件数は2004年10月末時点で、8466万5300件(電気通信事業者協会調べ)に達する。 若年層ではもはや持っているのが当たり前で、端末の機能自体も多様化する
一方だ。 しかし、60代、70代の利用状況を見ると、普及率はまだ40%台以下にとどまっている。 携帯電話会社はこの層こそが“宝の山”と見て、あの手この手の顧客開拓に乗り出している。

ツーカーグループ3社は11月、シニア層向けの新端末「ツーカーS」を発売した。こ の端末の最大の特徴は、機能が通話だけに絞り込まれていること。 利用者は電源を入れ、通話ボタンを押して番号を入力するという基本動作以外、使い方を覚える必要がない。

操作するボタンは大きく、受話音量も大きい。音に関しては、年を取ると聞き取りづらくなる高音領域を強調するといった工夫も加えた。 機能を単純にして大容量のバッテリーを組み込んだため、待ち受けだけならば、充電も1カ月に1回で済む。

シンプルさを追求するツーカーだけでなく、高機能化の先頭を走るNTTドコモも、操作の簡便性を売り物にした端末「らくらくホン」を販売している。 今年9月に発売したFOMA版を加えると、製品は全部で5機種あり、今年10月までの累計契約数は約370万件に達する。 らくらくホンと他の端末との違いは、利用者の6割以上を50−60代が占めていることだ。

最新機種の「FOMAらくらくホン」には、液晶ディスプレーはもちろん、テレビ電話の機能までついている。  あくまでも高機能を保ちながら、初心者にも使いやすいように操作をアシストすることがらくらくホンの特徴だ。 ナビゲーション画面でメール作成の手順を示したり、光る順番にボタンを押せばテレビ電話機能を使えるようにしたりと、様々な工夫を凝らしている。

2.米IBM、全PC事業を中国レノボに売却(12.8 nikkeibp.jp)
米IBMは現地時間の2004年12月7日夜(日本時間8日午前)、同社の全パソコン事業を中国パソコン最大手のレノボ・グループ(聯想集団)に売却すると発表した。 売却金額は12億5000万USドル(約1300億円)。 これによりレノボは、米デル、米ヒューレット・パッカードに次ぎ、世界第3位のパソコン・メーカーになる。 これまでレノボは世界第8位だった。 またIBMはパソコン事業の売却で、経営資源をサーバー/ソフト/サービスなど、業務系システム/ソリューション事業に集中させる。

IBMは、2003年実績でパソコン事業により120億USドルを売り上げていたが収益が悪化し、売却を検討していた。 これに応えたのがレノボ。 IBMのパソコン事業の吸収で、一気に世界シェアを伸ばす計画だ。 IBMはパソコン事業から、事実上撤退する。

買収後の5年間は、レノボがIBMブランドを使用する。ノートパソコン「ThinkPad」のブランド名もそのまま継承し、市場でのシェアを維持する方針。またパソコン関連の技術や開発体制も、すべてレノボがIBMから引き継ぐ。

これにともない、IBMはレノボ株式の18.9%を取得する。 売却および事業の継承は、2005年第2四半期をめどに完了させる予定。 この売却手続きが完了すれば、レノボのパソコン事業は、一気に現在の4倍になる。また160カ国をカバーする販売網を持つことになる。

また、パソコン事業に関わっているIBM社員のうち約1万人が、レノボに移籍する見込み。ただし、現在でも約4000人は中国で勤務している。米国勤務者は、このうち約2500人。この結果、レノボの社員数は約1万9000人になる。

3.「富士通はパソコンをやめない」、黒川社長が明言(12.9 nikkeibp.jp)
富士通の黒川博昭社長は12月9日、あらためてパソコン事業への意欲を示した。 米IBMが米国時間12月7日、パソコン事業を中国の聯想集団(Lenovo Group)に売却すると発表したことを受けてのものである。 同社が東京・浜松町に設置したハード/ソフト製品の検証施設「Platform Solution Center」の開設にあたって開かれた記者発表会で発言した。

黒川社長はまずIBMの売却発表について、「IBMの経営方針ならば、その(=パソコン事業売却の)ディシジョン(意思決定)はあり得るだろう。 米IBMは利益や成長性についてこだわりのある経営をしている」と理解を示す。

その一方で、「富士通は米IBMとは企業のサイズが一回りもふた回りも小さい。同じやり方では市場で通用しない。だから当社はIBMとは違ったビジネスモデルで取り組む」とする。

利幅が薄いと言われるパソコン事業を続ける根拠については次のように説明する。「当社は目指すべきソリューションのあり方として『ユビキタス』を掲げている。ユビキタスを実現するうえで、パソコンや携帯電話は欠かせない要素だ」。 それに、企業を対象にした『1万台のビジネス』と、個人を対象にした『100 万台のビジネス』は、モノづくりやマーケティングのやり方が全然違う。100万台のビジネスのノウハウは確保しておきたい」。

4.「電気通信事業は売上高の見通しが悪化」、総務省(12.6 日経エレクトロニクス)
総務省は2004年10月に実施した「通信産業動態調査」の結果を発表した。 調査は2004年度第3四半期(2004年10月−12月)と第4四半期(2005年1月?3月)の経営動向をアンケート調査したもので、アンケートを依頼した電気通信事業および放送事業に携わる133社のうち91社が回答した。これによると、売上高の増加を見込む企業の割合は減少傾向にあるという。

売上高が増加すると判断した事業者の割合から、減少すると判断した事業者の割合を引いた「売上高見通し指数」は、電気通信事業では、第2四半期の19.5ポイントに対して第3四半期は7.9ポイント、第4四半期は0.0ポイントと低下している。

5.電話網IP化で年2000億円のコスト削減、BTホールセール(12.10 nikkeibp.jp)
英BTの固定電話網のIP化計画「21st Century Network(21世紀ネットワーク)」は、会計年度の2008−2009年で年間10億ポンド(約2000億円)のコストを削減する効果が見込まれていることが明らかになった。 BTホールセールのポール・レイノルズCEOが明かした。

BTの設備投資額は今後年間で30億ポンド(日本円で約6000億円)、そのうち20億ポンド(4000億円)を21CNの構築に注ぎ込む。「20億ポンドは英国政府が高速道路の幹線工事にかける年間の設備投資よりも大きい」(BT)という。

21 世紀ネットワークではコスト削減のほか、(1)プラットフォームをIPネットワークにすることで、革新的な新サービスを提供しやすくすること、(2)サービスの開発期間を現在の平均18カ月から6カ月以下にまで短縮することをあげている。
 
 

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