週間情報通信ニュースインデックスno.449 2004/03/29

1.本当の中村修二・番外編「××しただけ」の価値(3.26 日経BizTech)
前回の続きを書く予定だったが、急きょ変更することにした。 文芸春秋の4月号に掲載されていた「『二百億円判決』中村修二は英雄か」という記事を読んでしまい、いたく「書きたい欲求」を刺激されてしまったためだ。
 

筆者の山口栄一同志社大学教授は、この記事の中で、「発明に対する対価はおよそ二〇五〇万円-二億五〇〇万円が妥当と推定できる」と述べている。 今ここで対価の多寡を論じるつもりはない。 今回書きたいと思ったのは別のことである。
 

文藝春秋の記事には、技術の評価に関する重要な問題が含まれている。 すでにあった技術と、その後に出てきた技術の差をどう評価するか、という問題である。 このことを正確に説明しようと思うあまり、いささか難解かつ長文になってしまった。 専門的すぎる議論は、適当に読み飛ばしていただけたらと思う。

山口教授は記事の冒頭に、「青色発光ダイオードの発明は、まるで天から降りてきたかのように中村氏が、『まったく独自の発想に基づいて』生みだし、成し遂げたものではない」と書いている。 もちろんそうだろう。 中村氏が「独力で」と主張するのは「社内では」ということであって「世界で」ということではない。 中村氏は「ある特許に関わる発明を一人で成し遂げた」と主張しているのである。 忘れてはならないのは、特許に対する貢献度は、学会や業界での貢献度とはまったく別のものであることだ。
 

さらに記事の中で山口教授は、中村氏と同じく青色LEDの実用化を目指しGaN(窒化ガリウム)の研究を長年続けてこられた研究者の功績について紹介し、先達の存在がいかに大きかったかを示しておられる。 山口教授は次のように主張しているように読める。 中村氏は、AlNをGaNに、電子ビーム照射を熱処理に替えただけであると。もちろん「・・・だけ」とは書かかれていないが、論旨からいえばそういうことになるだろう。今回、ひっかかったのはこの点である。

2.パワードコムとフュージョンが電話事業統合(3.25 日経コミュニケーション)
パワードコムとフュージョン・コミュニケーションズは3月25日、両社の電話事業を統合することで最終合意したと発表した。
2003 年11月に発表した当初の構想どおり、パワードコムから切り出した電話事業をフュージョンに統合。 同時にパワードコムは、フュージョン本体に対する出資比率を54.27%に上げる。 電力系グループの傘下となった新生フュージョンは、電力会社が保有する光ファイバと、フュージョンのIP電話に関する技術力を組み合わせた“光IP電話”で売上高の拡大を目指す。

3.米AT&T、企業向けVoIPサービス対応機器リストを拡張(3.25 日経BizTech)
米AT&Tは、企業向けVoIPサービスの拡張を促進する計画を米国時間3月24日に発表した。 同社のVoIPサービスは、米Avayaと米Cisco Systemsの製品に加え、新たに米Actel、カナダのNortel Networks、ドイツのSiemensの製品と相互運用性を持つようになった。

主要IP機器プロバイダの製品と相互運用性を持たせることにより、同社は企業のVoIPへの移行を支援する。 同社の新しいIPテレフォニ・サービスにより、企業はWANとLANにおいてエンド・ツー・エンドのVoIPサービスが利用できるようになる。

VoIP 対応ネットワーキング製品に関して、同社は年内に管理データおよび仮想プライベート・ネットワーク製品向けにVoIP対応オプションを用意する。 たとえば、管理サービスの顧客がIPローカル・サービスを導入することにより、企業はエンド・ツー・エンドのVoIP機能を利用できるようになる。

また、VoIPアプリケーションに関しては、IPセントレックス、コールセンター、在宅勤務者向けソリューション向けアプリケーションの開発を行なっている。 同年中頃にトライアルが予定されている。

4.84%の企業のファイアウオールでセキュリティ・ホール(3.25 日経BizTech)
「過去12カ月間に,ファイアウオールに深刻なセキュリティ・ホールが見つかり,パッチを適用する必要があった企業は全体の84%に達した」。 セキュリティ機器を手掛ける米Secure Computingが,企業ファイアウオールに関する調査結果を,米国時間3月23日に発表した。

調査はSecure Computing社が米TheInfoProに依頼して,さまざまな業界に属する企業111社のITマネージャを対象に,2004年2月に実施したもの。
IT マネージャは,ファイアウオールのセキュリティ・ホールを修正するために,多くの時間を割いている。 過去1年間に,セキュリティ・ホールの修正に費やした時間が「16時間を超える」という回答者は16%,「8時間?16時間」の回答者は25%,「8時間以内」の回答者は31%だった。 また,ファイアウオールを選ぶ際に,パッチ管理の容易さを「とても重要視する」または「ある程度重要視する」企業は65%に達した。

3月20日以来,米 ISSのセキュリティ製品の脆弱性を悪用して,ハード・ディスク装置のデータを破壊する「Witty」ワームに関する警告が出されている。 また過去数カ月間に,多数の大手ファイアウオール・ベンダーが,深刻なセキュリティ・ホールを修正するパッチをリリースしている。 しかしITマネージャに,自社のファイアウオールにセキュリティ・ホールがあるかもしれない可能性について尋ねたところ,「全く心配していない」とする回答者が24%を占めた。

5.米EarthLink、データおよび音声の統合無線サービスを提供へ(3.23 日経BizTech)
米EarthLinkは、データおよび音声の統合無線サービス「EarthLink Wireless Email and Voice」を開始する計画を米国時間3月22日、明らかにした。 2004年春に同サービス対応ハンドヘルド機を自社ブランドで販売する。 同社ブランドのハンドヘルド機が搭載する電子メール機能では、同社の技術「EarthLink spamBlocker」により迷惑メールを遮断する。 EarthLink社Wireless部門バイス・プレジデントのBrent Cobb氏は、「モバイル機器を利用するビジネスマンにとって、無線電子メールは生産性を高めるために重要だ。 スパム・メールがこのまま放置されれば、無線デバイスを持つ意味がなくなる」と説明した。

電子メールのほか、音声通話、インターネット・ブラウジングなどのアプリケーションをバンドルし、「QWERTY」キーボードが付属する。一般的なPDA機能を備えており、電話をかけている最中に、カレンダやアドレス帳などのデータにアクセス可能。
 

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