週間情報通信ニュースインデックスno.442 2004/02/07

1.総務省が「次世代IPインフラ研究会」を設立、2月3日に第1回会合(2.2 日経ニューメディア)
総務省は2004年2月2日、次世代のIPネットワーク整備のあり方などを検討する「次世代IPインフラ研究会」を設立し、2月3日に第1回会合を開くと発表した。 DSL(ディジタル加入者線)サービスの加入者が1000万件を超え、家庭向けFTTH(Fiber To The Home)サービスの加入者も急増するなど、日本ではブロードバンド(高速大容量)回線の普及が2003年から急速に進んでいる。 これに伴い今後は、アクセス回線やバックボーン回線を流れるトラフィックが、より一層増加することが予想される。

 こうした状況を受けて次世代IP研究会は、(1)将来のトラフィックの急増に対応できるインフラ整備のあり方、(2)災害やサイバー攻撃に対するインターネットの安定運用策、(3)情報通信インフラの地域間格差の是正法、(4)これらの項目に対する政策支援のあり方──などを検討する。2004年6月をメドに第1次報告をまとめる予定だ。
 
 2.NTTデータがセキュリティ強化Linux,ポリシー定義を半自動で生成可能(2.5 日経システム構築)
 NTTデータは,アクセス制御のポリシー定義を容易にした「セキュリティ強化Linux」を発表した。千葉市・幕張メッセで開催中の「NET&COM 2004」の展示会場で,開発者が自らデモを交えて解説している。

 セキュリティ強化Linuxは、Linuxカーネルに強制アクセス制御の機能を付加して不正侵入/攻撃への耐性を高めた「SELinux(Security-Enhanced Linux)」を拡張する形で実装した。SELinuxでは複雑で設定が難しいといわれる強制アクセス制御のポリシーを,半自動で生成・登録できる点が特徴だ。

 SELinuxでは,システム資源(ファイルやプロセス,デバイスなど)にラベルを付与し,ラベル同士の比較に基づいてカーネルが強制的にアクセス制御する仕組みを提供する。 半面,ラベルの関係を把握してポリシーを定義する必要があるため,設定が難しいとされてきた。 ポリシー定義を支援するツールもあるが,管理者がポリシー定義を独力で作り上げていかなければならない点はそのままだ。 NTTデータは,セキュリティ強化Linuxで構築したシステムを試験運用したときのアクセス履歴を元に,ポリシー定義の元になるデータを半自動で生成できるようにすることで,ポリシー定義の手間を省いた。

3.FOMAへの移行に苦しむドコモ,代理店手数料増やし価格を現行端末並みに(2.5 日経コミュニケーション)
NTTドコモの津田志郎副社長は2月4日,2003年度第3四半期(2003年4?12月)の連結決算発表の席上で,今週から発売するFOMA 900iシリーズの実売価格を505iSなどの現行端末並みに抑える考えを明らかにした。「900iの調達価格は,最新の現行端末505iSシリーズより約1万円高い。この差をそのまま市場価格として反映させるのはつらい。代理店手数料(インセンティブ)を高くすることで価格差を抑えたい」(社長)。900iのインセンティブは約4万円と推察される。

 900iシリーズは,2−4月にかけて5機種発売される見込み。第1弾は2月6日に発売される富士通製の「F900i」である。 指をあててスライドさせるだけで端末をロックできる「指紋センサー」機能を搭載する。 「今夏以降,非接触ICカードを搭載して定期券やクレジットカード代わりになる携帯電話機が続々登場する。そうなると,端末のセキュリティ強化が欠かせない。これは,その先駆けとなる製品」(富士通)。

 900iシリーズは,従来のFOMA端末に比べて全般的に小型・軽量化を実現。連続待ち受け時間も移動時で300時間以上(F900iは移動時360時間,静止時480時間)と,大幅に向上している。また,カメラの画素数や各種iモード関連機能において,現行携帯電話機よりも見劣りする点がなくなった。アニメ・キャラクターを使えるテレビ電話やHTMLメールなど,プラスアルファの要素もある。ドコモは,自社の現行携帯電話ユーザーにFOMAへの移行を積極的にアピールできる自信作という。

 実際,FOMAへの移行は加速しつつある。現在のFOMAユーザーのうち82%が乗り替え。2003年9月から現行携帯電話ユーザー数は減少に転じ,ピーク時よりも55万少なくなった。一方,FOMAユーザー数は毎月数十万ずつ増えている。

 ドコモは昨年10月に開催した2003年度中間決算発表会で,「FOMAの累計ユーザー数の目標値を,年度末時点146万から200万に上方修正する」(立川敬二社長)と宣言。この目標は1月29日に達成した。そこで今回,「目標値を240万にする」(津田副社長)。F900iの次に開発が進んでいる「N900i」(NEC製)か「P900i」(パナソニック モバイルコミュニケーションズ製)のどちらかが3月上旬までに登場すれば,ほぼ確実に達成できると見られる。

4.「メガビット級の定額モバイル通信を2年後に」,イー・アクセスが“常識”に挑む(2.5 日経コミュニケーション)
「実験期間を含めて2年後をめどに,東京や大阪などメトロポリタン・エリアからメガビット級の高速無線データ通信サービスを始めたい」。 ADSL事業者のイー・アクセスは2月5日,商用化を検討しているTD-SCDMA(MC)方式の無線通信システムの技術説明会を開催。 その場で,千本倖生社長がサービス・イメージの一部を明らかにした。

 イー・アクセスは,2004年3月からTD-SCDMA(MC)方式を使った高速無線データ通信の屋外実験を始める考え。 現在,総務省に実験局免許の申請をする準備の最中だ。「例えばPHSの商用化は,実験期間を含めて2年くらいで実現できた。 今回も(技術的には)同じくらいの時間で商用化できるだろう」(千本社長)。

 ただし,イー・アクセスが2年後の2006年春から商用サービスを始められるかどうかは不透明。 総務省が周波数を割り当てるか分からないからだ。 イー・アクセスが選んだTD-SCDMA(MC)方式は,国際標準規格「IMT-2000」に含まれない。 一方,総務省は現在,TD-CDMAとTD-SCDMAの二つのIMT-2000規格向けに,2010M−2025MHz帯を開放すべく検討を進めている。 つまり,総務省がイー・アクセスのTD-SCDMA(MC)方式を認める可能性は高くはない。

5.「Windowsが全ユーザーに必要か、再考すべき」、米OSDLマーケティング・ディレクタ(2.6 日経コンピュータ)
「Windowsは従業員の生産性を高める目的には良いデスクトップ環境だが、すべての従業員にそれが必要かどうかを再考すべきでは」。Linuxの普及促進を目指す非営利団体である米オープン・ソース・デベロップメント・ラボ(OSDL)のマーケティング・ディレクタであるネルソン・プラット氏(写真)は、こう提言する。

 米OSDLは2月9日に「デスクトップLinuxワーキンググループ」の組織体制を決め、活動を開始する。同ワーキング・グループは、Windowsを必要としない利用者向けにLinuxによるデスクトップOSの仕様を作成することを狙って発足した。

 同ワーキング・グループの対象分野は当面、「表計算やワープロを使うようなデスクトップOSではない」(プラット氏)。工場や倉庫など用途が固定されている端末向け、ATM(現金自動預け払い機)やPOSシステムといった専用端末向け、などが候補に挙がっている。Windowsとの真っ向勝負は避けた格好だ。
 
 
 

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