週間情報通信ニュースインデックスno.419 2003/08/23
 

1.クロスウェイブが会社更生手続きを申請 既存サービスは今後も継続して提供(8.20 日経コミュニケーション)
インターネットイニシアティブ(IIJ)などが出資するクロスウェイブ コミュニケーションズ(CWC)と,その子会社であるクロスウェイブ ファシリティーズ,クロスウェイブ サービスの3社は8月20日,東京地方裁判所に会社更生手続きの申し立てを行ったと発表した。 3社は自主再建を断念し,東京地裁が選任した保全管理人の下で事業再建を目指す。同日,東京地裁より保全管理命令が発令され,保全管理人が選任された。

 会社更生手続きを申請した最大の理由は資金繰りの悪化。 「データ通信市場での激しい価格競争と国内景気低迷の長期化により,事業開始時に見込んだ収支改善計画通りに進まなかった。公共的なインフラ事業を継続し続けるためには,自主再建を断念する必要があると判断した」(鈴木幸一社長)。

 今後,保全管理人は3社の事業を継続しながら,事業の売却などの手続きに入る。 売却先は今後検討するが,「既に複数の会社が名乗りを上げている模様」(保全管理人の岡正晶弁護士)。 CWCの通信サービスを利用するユーザー企業は2003年3月末で約460社。既存ユーザーについては今後も従来通りのサービスを継続して提供する。

2.日本が「MS Blast.D」の感染で突出。他国に比べ1.5倍−2倍も多い(8.20 日経コミュニケーション)
 8月18日に発見されたコンピュータ・ウイルス「MS BLAST.D」の感染先は,日本が他国に比べて突出して多い状況が鮮明になってきた。情報処理振興事業協会セキュリティセンター(IPA/ISEC)の速報や米トレンド・マイクロの統計によれば,日本は米国や中国,韓国といった他国に比べ1.5倍−2倍も多い感染の様子がうかがえる。

MS BLAST.Dは,米マイクロソフトのOS「Windows 2000」や「同XP」などのセキュリティ・ホールを付くコンピュータ・ウイルス「WORM_MSBLAST.A」の亜種。W32/Welchi,Welchia,Nachiなど多くの別名がある。 発見当初は,OSのセキュリティ・ホールをふさぐ修正ソフトを自動的にダウンロードするという一部報道があった。しかし,日本語環境のWindows OSについては,そうした修正機能は持っていないことが分かっている。

3.新種ワームはBlasterよりも悪質,気が付きにくい上にネットワークを“まひ”させる(8.20 日経コミュニケーション)
8月18日以降,各組織やベンダーが警告を呼びかけている新種ワーム「Welchi(Welchia,Nachi,MSBLAST.D)」の詳細が明らかになりつつある(関連記事)。 新種ワームは,「Blasterと異なり,感染したマシンを不安定にしないために,ユーザーは気が付きにくい」「感染対象マシンを探すために送出するICMPパケットにより,ネットワークがまひする恐れがある」「感染するために起動したバックドア(リモート・シェル)をそのままにする(Blasterの場合には,感染後終了させる)」――などの特徴を持つため,Blasterよりも悪質である。

複数のセキュリティ・ベンダーに話を聞いたところ,Blasterは,感染する際に感染対象マシンを不安定にするだけではなく,感染した後も不安定にする場合があるという。これに対して,「新種ワームは,感染したマシンを不安定にすることなく動作する」(ラック 西本氏)。Blasterの場合には,再起動を繰り返すといった“現象”が現れるので,ユーザーは感染に気付くが,新種ワームの場合には,ユーザーが知らないうちに感染し,他のマシンへの感染活動を続けている可能性がある。

新種ワームは,これから感染しようとするマシンが稼働しているかどうかを調べるためにpingを実行する(ICMP echoリクエストを送信する)。 これによって発生するトラフィックによって,社内ネットワークが“まひ”する可能性がある。 実際,「新種ワームによるトラフィックにより,ネットワークを利用できないといった報告を聞いている」(トレンドマイクロ トレンドラボ・ジャパン アンチ・ウイルスセンター ウイルスエキスパート 岡本勝之氏)。

 新種ワームは,現在感染しているマシンのIPアドレスの“近傍”へ,まず感染を広げようとする(同様の性質はBlasterも持つ)。 このため,感染マシンが1台社内ネットワークに持ち込まれると,瞬く間に感染を広げ,ICMPパケットによってネットワークがまひ――といったシナリオが十分考えられる。

 「1台でも感染マシンが見つかったら,ルーターなどでそのサブネットを“隔離”して,他のサブネットに影響を及ぼさないようにしてから“犯人”探しを始めたほうがよい」(ラック 西本氏)

 さらに新種ワームは,感染時に使用したバックドア(リモート・シェル)をそのままにする(Blasterの場合には,感染が終了すると,バックドアを終了する)。これを悪用すれば,ワームとは無関係の攻撃者が,そのマシンに侵入することが可能になる。トレンドマイクロによれば,バックドアが待ち受けるポートはランダムに決定される。666番から765番のいずれかになるという。

4.日本テレコムHD,リップルに固定通信事業を売却 米AT&Tと米モトローラ出身役員が経営に参加(8.21 日経コミュニケーション)
日本テレコムホールディングス(日本テレコムHD)は8月21日,100%出資する固定通信事業者の日本テレコムを米投資会社リップルウッド・ホールディングスに売却すると正式に発表した。 売却金額は2613億円。

 リップルウッドは機関投資家や個人投資家から大量の資金を集めたファンド(基金)と,銀行借入により買収資金を調達する。 買収が完了するのは,2003年10月−12月になる予定。日本テレコムには米AT&T出身のロバート・アクリーナ氏と,米モトローラ出身のメール・ギルモア氏を役員として送り込む。 二人はリップルウッドが「インダストリアル・パートナ」と呼ぶ独自の人脈を通じて派遣する経営者。リップルウッドが描く成長戦略を実行する。

5.NTT電話からIP電話への通話料は3分10−12円に IP電話事業者と東西NTTが接続料でほぼ合意(8.22 日経コミュニケーション)
NTTの加入電話・ISDNからIP電話にかけた際の通話料が,全国一律で3分10−12円になる公算が高いことが明らかになった。 対象となるのは,「050」で始まる11ケタの電話番号を使うIP電話サービスで,NTT電話からは10月中にも通話できるようになる。 NTT電話にかける通話料が「全国一律3分7−8円台」と格安が売り物のIP電話だが,NTT電話側からIP電話にかける通話料は一般電話の市内通話料よりも割高になる。

東西NTTは8月8日に,NTT電話からIP電話に通話できるようにするための認可申請を総務省に提出済み。 料金はまだ公表していないが,東西NTTがIP電話事業者に支払う「IP電話網の接続料」を決める交渉では,主要なIP電話事業者と基本合意に達したことが明らかになった。 関係者の話を総合すると,IP電話網側の接続料は「3分5.3円台−6円弱」にほぼ収れんした。

 IP電話網の接続料は,NTT電話からIP電話にかける際の通話料金に大きな影響を及ぼす。その通話料は,網コストの総和から推測できる。NTT電話からIP電話にかける際の網コストは,NTT電話網の「ZC接続料(3分5.36円)」とIP電話網の接続料の合算であり,合計で3分11円前後。東西NTTはこれに自社の営業コストや利潤を上乗せして,IP電話にかけた際の通話料を決める。 NTT電話からの発信は統計上,市内電話の通話時間が全体の過半数を占める。 「050」番号への通話は,長距離では割安になるものの,市内電話より明らかに高い水準。IP電話のユーザーにとっては,「050」番号を話し相手に使ってもらう利点は限られそうだ。
 
 
 
 
 
 

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