週間情報通信ニュースインデックスno.413 2003/07/05

1.寡占化は産業成熟の証し--迷走するオラクルとピープルソフトの買収合戦(7.1 日経ビジネス)
「もっと攻撃的な言葉で相手を非難してもいい」。 6月19日、ニューヨークで開かれたIT(情報技術)の展示会で、米ソフトウエア大手ピープルソフトのクレイグ・コンウェイCEO(最高経営責任者)の講演に出席した聴衆の多くは思わずそんな気持ちになった。

 ピープルは、競合相手である米ソフト大手のオラクルに仕掛けられた敵対的な買収案に対して強く反発していたからだ。 両社は、記者発表からホームページまであらゆる場面で連日のように非難合戦を繰り広げてきた。

 発端は6月2日にピープルが同業のジェイ・ディ・エドワーズ(JDE)を17億ドル(約2040億円)相当の株式交換で買収すると発表したことにあった。大企業向けの人事ソフトに強いピープルと中規模の企業の生産管理ソフトに強いJDEは相互補完的な関係にあり、友好的な合併に合意していた。両社が合併した場合、ERP(統合基幹業務ソフト)で世界シェア1位の独SAPと2位のオラクルに続く第3の勢力が生まれるはずだった。

 これに待ったをかけたのがオラクルである。6月6日、オラクルは、ピープルを現金約51億ドル(約6120億円)を投じた株式公開買い付けにより買収すると発表した。高い競争力を持つライバルが誕生するのを恐れたからだ。

 ピープル側は猛反発した。 「互いに愛し合って結婚しようとしているカップルに突然、銃を突きつけて『代わりに俺と結婚しろ』と言っているようなもの」。コンウェイCEOはオラクルの行動をこのように批判した。

 オラクルへの反撃は強烈だった。12日、ピープルの取締役会はオラクルの提案を拒否して、JDEの買収を進めることを決めた。同日、JDEがピープルに同調し、「合併を不当に阻害した」として17億ドルの損害賠償を求めてオラクルを訴えた。翌日にはピープルもオラクルを提訴した。

 状況は次第にオラクルにとって不利になった。まず当初、同社が提案した1株16ドルの買収価格を上回る水準にまで、ピープルの株価は上昇した。これでは、ピープルの株主にとって同社株を手放すメリットはない。

 とはいえ、買収価格を引き上げれば、オラクルの負担は重くなる。米格付け大手のムーディーズ・インベスターズ・サービスは12日、ピープルの買収を完了させようとすれば、オラクルの財務が悪化するという懸念から、同社の社債の格付け見通しを「ネガティブ(否定的)」に変更した。オラクルが買収後はピープルブランドを廃止する考えも明らかにしたことから、ピープルの顧客企業も反発を強めていた。

 それでもオラクルはピープルの買収を諦めない。6月18日には、買収価格を1株当たり19.5ドルに引き上げた。「当社の買収提案は、両社の株主、顧客にとってメリットがある。会社を所有しているわけでもない(ピープルの)経営陣に、邪魔されたくない」(オラクルのラリー・エリソンCEO)。株式買い取りの期限は7月7日の予定で、どちらに転ぶかはまだ五里霧中だ。

 しかし、果てしない泥仕合の様相を呈している両社の買収合戦の本当の意味は、むしろ別のところにある。企業向けソフト産業が寡占化の進む成熟段階に差しかかったということだ。
 ITバブルの頃は様々な成長の余地があった。しかし市場の伸びが鈍化しつつある現在では、ライバルを買収するのが収益力強化への一番の近道だ。だからこそオラクルもピープルもライバル買収に血道を上げるのである。

2.独SAPとシャープが提携、Zaurusを業務アプリ端末に(7.3 日経BizTech)
独SAPとシャープは2003年7月3日、企業向けモバイル・ソリューション分野で技術提携した。 両社共同で、シャープのPDA「Zaurus」をSAPのビジネス・アプリケーションのクライアントとして利用できるようにする。 まずは、ユーザー企業の営業担当者などが利用するCRM(顧客管理)分野から、“モバイルソリューション”市場の拡大を図る。

 顧客企業から要望があり次第、ソリューション・プロバイダ経由で製品の提供を始める。 既に、SAPが販売するCRMシステムにおいて、クライアント機能を持つJavaアプリケーションのZaurus「SL-C760/C750」上での動作検証を終えた。 SL-C760/C750は、OSとしてLinuxが稼働、かつJavaアプリケーションの実行環境を備える。

 SAPのHenning Kagermann会長兼CEOは今回Zaurusを選んだ理由として「SAPのアプリケーションと同じく、LinuxやJavaといったオープンな仕様に対応している。さらに小型端末でありながら、640×480ドットというパソコン並みの高精細表示ができる」ことを挙げた。PDAではこれまで難しかった細かなグラフの表示などができるので、ビジネスに役立つようになるという。
 

3.ソフトバンク主導の協議会に不参加のADSL事業者が続出(7.4 日経BizTech9
ソフトバンクグループが主導して設立準備を進めている「ブロードバンド推進協議会」が2003年7月7日に設立総会を開き、発足することになった。 ソフトバンクはADSL(非対称ディジタル加入者線)事業者などブロードバンド(高速大容量)関連企業に同推進協への参加を呼びかけており、発足後はブロードバンドサービスの普及を目的とした各種の政策提言や、技術やサービスの仕様策定などを行いたい考えである。

 ソフトバンクは同推進協の立ち上げに当たり、ADSL事業者など通信事業者だけでなく、通信機器メーカーやコンテンツプロバイダなどに幅広く参加を呼びかけた。 立ち上げ当初の参加企業数は少なくとも20社以上となる見通しである。 だが、このうちADSL事業者は長野県共同電算(JANIS)など一部に限られそうだ。
 
 
 
 

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