週間情報通信ニュースインデックスno.410 2003/06/14
 

1.オープン・システムの銀行勘定系稼働,「5年リードした」とNEC専務(6.11 日経BizTech)
 「銀行の勘定系システムは今後間違いなく、オープン系システムに置き換わっていく。 その第一歩をNECが踏み出すことができた」。 NECの川村敏郎専務は6月10日、東京・有楽町の東京国際フォーラムで開催された記者会見の席でこう強調した。 同社のオープン勘定系パッケージ「BankingWeb21(BW21)」が、第1号ユーザーである八千代銀行(東京都)で5月4日から稼働したことを受けてのものである。

 BW21の最大の特徴は、UNIXサーバーで勘定系システムを動かしていること。 「オープン化に伴い、勘定系の設計思想を抜本的に見直した。 オブジェクト指向技術でアプリケーションを部品化、5万個の部品の組み合わせでシステムを構築した。 システム開発は米国と中国、インド、日本の4カ国で進めた」(川村専務)。
 
 これだけ挑戦的な取り組みだけに、BW21は稼働の延期や稼働直後のトラブルなど、最後まで産みの苦しみを味わった。 八千代銀行の小泉次郎副頭取は延期の理由を、「(1999年4月に)経営破綻した国民銀行の譲受作業(2000年8月完了)が長くかかった。 銀行のシステム・トラブルが相次いで起こるなか、慎重を期した面もあった。 相対的に完成度の低かった部分やバッチ・システムの強化にも思いのほか時間がかかった」と説明。 一方で、稼働後のトラブルについては、「ケアレス・ミスの範疇。利用者にご迷惑をおかけして申し訳ない」と続ける。

 とはいえ、苦労の末に稼働を迎えたことについて、小泉副頭取は「勘定系のオープン化にロマンを感じて取り組んできた。 長年の夢がようやくかなった」と感慨深げに振り返る。
八千代銀行の開発費用は約30億円。 BW21の利用料金を含めたアウトソーシング費用は、10年間で100億?200億円程度と見られる。NECはBW21の開発に200数十億円をかけた。

2.ADSLで明暗,総務省発表の通信サービス回線数 加入電話が増加に転じ,ISDNがついに減少へ(6.12 日経コミュニケーション)
総務省は6月11日,2003年3月末の通信サービス回線数を発表した。 自社回線で通信サービスを提供する第一種電気通信事業者の契約回線数が対象。
これによると,加入電話の契約数は前年度比0.3%増の5116万回線。 1999年3月末の5856万回線から2002年3月末の5100万回線まで,毎年減り続けた加入電話の減少に歯止めがかかった。

これとは対照的に,ISDNの回線数は前年度比7%の減少に転じた。 1999年3月末の407万回線から,2002年3月末の1033万回線まで右肩上がりで増えたが,ついに2003年3月末で961万回線と1000万回線を割り込んだ。

加入電話が増えた背景には,メタル回線を使うADSL(asymmetric digital subscriber line)の普及がある。 3月末時点でのDSLサービス利用者数は前年度比で約3倍増の702万3039回線となった。 ISDNでインターネットにアクセスしていたユーザーが,ADSLに乗り換えたことなどが理由として考えられる。

 もっともISDNの回線数が減った主要因は企業ユーザーの解約である。 特に大都市圏で企業向け「INSネット1500」の解約に歯止めがかからない。 INSネット1500は加入電話の23回線分に当たり,光ファイバで直収するサービス。 NTT東日本の三浦惺社長は「1契約で2回線を必要とするユーザーにとって,まだまだ必要なサービス」とするものの,家庭と企業の両方でISDNが“脇役”となったことがデータからも明らかになった。

3.IEEEが「802.11g」を最終承認(6.13 日経BizTech)
米国電気電子学会(IEEE)の標準化委員会は、無線LAN規格「IEEE802.11g」を最終承認した。IEEEが米国時間6月12日に明らかにしたもの。
IEEE802.11gはIEEE802.11の修正版に相当する規格。 現在普及しているIEEE802.11bの通信速度が最高11Mbpsであるのに対し、IEEE802.11gは54Mbpsと高速化を図った。 両規格は同じ周波数帯域と搬送周波数を利用する。 同一ネットワーク上でそれぞれの規格に対応する機器が混在する場合でも、IEEE802.11g機器は通信速度をIEEE802.11bと同じ11Mbpsに下げられるので、相互に通信することが可能。

 「世界中で多くの802.11b対応無線LANが使われているので、(相互接続性を保ったまま)通信速度を54Mbpsに高速化できることに対する市場の需要はかなり高い」(IEEE802.11ワーキング・グループ会長のStuart J. Kerry氏)

4.アウトソーシングで重要なのは,“リストラ”される社員の扱い(6.13 日経BizTech)
 「アウトソーシングをユーザー企業から請け負う際に忘れてならないのは、顧客企業のスタッフをいかに受け入れるかだ」。 こう力説するのは、米ヒューレット・パッカードでアウトソーシング事業を担当するジョー・ホーガン バイスプレジデントだ。

 HPは5月、米プロクター・アンド・ギャンブル(P&G)と10年間で30億ドルのITインフラストラクチャ管理のアウトソーシング契約を締結した。 そのほか、アイルランド銀行と7年間で6億ドルのアウトソーシング契約を受注するなど、「ここ1年間で200件以上の実績がある」(ホーガン バイスプレジデント)。

 ホーガン バイスプレジデントが顧客企業に提案を評価されるための重要なポイントとして挙げるのは、顧客のニーズに即応できるシステムや先進技術の提供とならんで、顧客企業から受け入れるスタッフの処遇だ。 アウトソーシングには、顧客企業からベンダーへの担当者の異動がつきものだ。 実際、同社はP&Gから1800人、アイルランド銀行から600人を迎え入れる。  しかし、「異動する当のスタッフは、今後の処遇に対する不安もあり、ベンダーへの移籍を望まないことが多い」とホーガン バイスプレジデントは率直に語る。そういった不安を解消するためにも、諸手当や福利厚生、健康保険などに十分配慮してアウトソーシング提案に盛り込むことにしている」(同)という。

5.「企業の3分の2はソフトウエア開発をアウトソース」--米調査会社(6.14 日経BizTech)
米Evans Dataは、企業のアウトソースに関する調査結果を米国時間6月10日に発表した。 同調査は、同年5月に400人を越える企業レベルの開発者に対して実施したもの。 それによれば、開発の一部をアウトソースしている企業は、2001年初頭には40%だったのが、今回の調査では65%に増加していることが明らかになった。

その中で、インド、中国、ロシアのオフショアの開発ハウスに委託している割合は、前年から2倍増加して13%だった。 もっともアウトソースされる傾向があるプロジェクトは、インテグレーション、セキュリティ強化、ワークフロー管理プロジェクトだった。

2万人を越える従業員を抱える大規模な企業は、開発プロジェクトをアウトソースする傾向が強く、75%がいくつかのプロジェクトをアウトソースしている。 プロジェクトの25%をアウトソースしている企業は22%だった。 IT予算が1000万ドルを越える企業も、開発プロジェクトをアウトソースする傾向が強い。 85%がプロジェクトの一部をアウトソースしている。 プロジェクトの25%をアウトソースしている企業は61%で、4分の3をアウトソースしている企業は7%だった。

企業による開発プロジェクトのアウトソースは、専門知識を得ることがもっとも大きな理由として挙げられている。 アウトソース・プロジェクトの委託先は、個人コンサルタントが16%、小規模な開発ショップが13%、中規模なローカルのVARが12%、中規模の専門VARも12%だった。
 
 
 

 ホームページへ