週間情報通信ニュースインデックスno.408 2003/05/31
 

1.SEの成果主義導入、現状と展望(5.26 日経エキスパート)
ここ数年、SEの待遇面について成果主義を導入する企業が増えている。たとえば三菱商事系IT企業5社を統合して2001年に設立のSI企業アイ・ティ・フロンティアの場合、マネージャークラスで年収400万円−500万円の差がつく形。 またSI企業、日本ビジネスコンピューターの場合は現在、成果給の比重を70%まで達している--などはこうした例だ。

人事・教育制度のコンサルティングを手がけるビジネス・トレーニング太田昭和の井本英雄社長はこうした傾向を「SEの場合、人によって能力差が非常に大きいため」と説明する。 井本社長によると、優秀なSEは普通のSEの3倍の効率で仕事ができることもあり、年功序列で一律に処遇していたら、能力の高いSEの意欲がそがれてしまう。 だから「経営者としては評価に差をつけ、SEのモチベーションを高めたいと考えている」(同)。

大和総研の上野真シニアアナリストは成果主義が浸透する中で、SEは将来、三つのタイプに分かれていくと予測する。 すなわち--1つは、目に見えない成果も含めて評価され、プライムコントラクター型企業の戦略的スタッフになっていく一握りのSE。 2番目は、人事管理は不得意だが技術力の高いスーパー職人型SE。 3番目は両者のもとで働く下請け型SE--だ。スーパー職人型SEは転職などによって給与を上げていくことができるが、 下請け型SEは、今よりも収入は低くなる。 ただし上野シニアアナリストは、成果主義自体に懐疑的な見方。 その理由を「企業では、縁の下の力持ち的な貢献など、“目に見えない成果”を評価する風土が、業績にもつながる。 しかし成果主義ではそれを評価することが難しい」と説明する。

2.ベンチャー起業には「道草的指向」が重要(5.27 日経BPコンサルティング)
日本知財学会の第1回学術研究発表会・シンポジウム キーマンズセッション「ベンチャースピリッツ」(5月25日開催)で、ベンチャー起業には、道草を是とするマインドが必要であることが論議された。

このセッションでは、国内で起業が少ない理由を、縦割り社会の弊害と、分業による多様化の抑制にあるのではないかとの前提で、教育論を展開した。
縦割り社会では、与えられた課題や業務からの逸脱が許されない環境を作り上げている。 これは、幼児教育において、「よそ見」を許さず、目的に向かってまっすぐ進むよう育てられてきたことの弊害だという。 また、「言い訳」を許さない、すなわち「ノー」と言わずに素直に良い子供であることが正しいと信じられてきたことが「トラウマ」となっているとの結論を示した。
さらに分業による多様化の排除は、想像力を抑え込む方向に働いているという。

そして、このような環境で育てられてきた人が、教育現場や家庭で、さらに次の世代へと同じトラウマを伝え続けているのだという。
そのトラウマを取り去ることによって、人は新しい創造力(創発と共鳴)を得て、失敗を恐れず、ベンチャー起業へ進む道を発見できるようになると見ている。

ベンチャー起業は、新しい技術や人的資源の組み合わせパターンを作り出すことによって最も効率的に起こることがこれまでの実例で分かっている。 しかし、この新しいパターンの創出は、「トラウマ」の中では目的に向かって直進しない「よそ見」、「道草」と同様に扱われているからだとの結論を得た。

3.2004年における企業の最優先課題はコスト削減--米調査(5.27 日経BizTech)
米META Groupは米国時間5月20日、「IT企業は、2004年まで景気の不透明感が継続することから、業務の生産性、品質、合理化向上に重点を置く」との予測分析を発表した。 このため当面は、コスト削減が企業の最優先課題となる。 企業は変化する経済状況を念頭に置いた、さまざまな策を講じる見通しだ。

「企業は、IT予算の編成やIT技術の導入を的確に行えるように、ヘルプ・デスク、データ・センター、ネットワークなどの機敏性を監視し、性能を測定する社内基準やベンチマークに依存するようになるだろう」 Amoroso氏は、IT性能の測定基準を採用するGlobal 2000企業が、現在の50%から、2004年末には少なくとも66%に増加するとみる。また2007年までに、Global 2000企業の少なくとも75%が、性能追跡と測定を常時行うようになると予測している。

4.IP電話の相互通話の基準が明らかに(5.27 日経BizTech)
異なるインターネット接続事業者(プロバイダ)のユーザー同士が、IP電話で相互通話する際に必要になる品質や技術基準が明らかになった。プロバイダ8社が幹事会社となっている「IP電話普及ISP連絡会」が定めた。

 同連絡会は、相互通話するための基準として、(1)エンド・ツー・エンドで「クラスB」品質の確保、(2)「050」番号による着信、(3)呼制御プロトコルにSIP(session initiation protocol)を採用、(4)音声コーデックにG.711を採用、(5)DoS(denial of service)攻撃やスパム発信などへの対策――などを掲げた。

5.ネットワーク製品サポート・サービス市場は2007年に155億ドル規模(5.30 日経BizTech)
米IDCが米国時間5月28日に、サード・パーティによるネットワーク製品向けサポート・サービスの世界市場に関する調査結果を発表した。 それによると、同市場は2007年に155億ドル規模に達するという。 2002年−2007年の年平均成長率(CAGR)は8.9%となる。

地域別でみると、米国の需要が他の地域を大きく上回る。 IDCは、米国以外でも今後この種のサービスに対する需要が増え、サポート技術を持つ企業にとって魅力的な市場が展開すると予測する。

 IDCでは、「CBX(統合型専用線オフィス間交換機)/ソフト・スイッチ/IP VPN製品や光装置など新しいネットワーク技術が、今後数年にわたってサポート・サービスに需要をもたらす」と指摘する。 対象製品別にサポート・サービス市場をみた場合、2002年−2007年のCAGRはソフト・スイッチ製品が約42.9%、CBX装置が27.4%、IP VPN製品が18.1%、光装置が19.8%と、いずれも速いペースで成長を続ける。

 

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