週間情報通信ニュースインデックスno.393 2003/02/15
 

1.イーバンク銀、2003年度は黒字化を目指す(2.13 日経BizTech)
インターネット専業銀行のイーバンク銀行は2003年2月13日、同社の経営の現状と今後の見通しについて発表した。
2001年7月の開業から2002年12月までの間で、電子メールを使った送金サービス「メルマネ」、Yahoo!や楽天市場などでの決済システム導入など、各種サービスの拡充を進めてきたことなどから、2003年度(2003年4月−2004年3月)は初めて黒字化できるとの見通しを示した。

同社の業績は2001年度が36億円の赤字で、2002年度(2003年3月期)も同額の赤字となる見通し。 ただし、来期である2003年度は、これまで重荷となっていたシステムの初期投資が大幅に軽減されるほか、新たにクレジットカード会社との提携によるカード発行手数料や、定期預金開始による資産の運用益なども見込めることから、黒字化できるとの見通しを示した。 
 

2.長い苦闘の末ヒットを実現 キヤノンの小型デジカメ (2.14 日経BizTech)
デジタルカメラの販売競争に出遅れたキヤノン。起死回生の策として開発したのが、それまでの2分の1のサイズにした「IXY DIGITAL」だ。 その裏には、20年近く続けた電子カメラ開発の歴史がある。

多くの企業が業績悪化に苦しんでいるのとは対照的に、キヤノンの業績は好調だ。 2002年12月期の連結純利益は前期比13.8%増の1907億円となり、3期連続で最高益を更新した。業績好調の牽引役の一つが前期の2倍の出荷台数を達成したデジタルカメラだ。

実は、フィルム式カメラではトップブランドのキヤノンだが、デジタルカメラでは大きく出遅れていた。1999年の市場シェアは、富士写真フイルムとオリンパス光学工業の2社で60%を占めたのに対して、キヤノンは3%に過ぎなかった。 それが、2000年以降、デジタルカメラの出荷台数は右肩上がりの成長を遂げ、2001年には約240万台、2002年には約430万台に達した。2003年には740万台を突破する見通しだ。

キヤノンの従来のデジタルカメラに比べてサイズが半分というコンパクトなボディでありながら、機能、画質ともにこれまでの水準を上回っていることが、激戦区といわれるデジタルカメラ市場で勝ち組の座を射止めた理由だ。

3.米Oracleと米Red Hat、Linuxセキュリティ認定取得で協力(2.14 日経BizTech)
米Oracleと米Red Hatは、Red Hat社の「Linux Advanced Server」をセキュリティ評価に関する国際規準「Common Criteria」(ISO 15408)の評価保証レベル(EAL:Evaluation Assurance Level)2の認定取得に向けて申請する意向を米国時間2月13日、明らかにした。

 「認定を得れば、セキュリティに関心の高い公共機関と民間企業の顧客が、企業アプリケーションを利用するためにLinuxを採用するようになるだろう。 両社は、将来Linuxのセキュリティがさらに高い評価基準を満たすよう取り組んでいく」(両社)

4.電話料は一斉値上げか、NTT接続料に事後精算案が浮上(2.14 日経BizTech)
2003年4月以降、IP電話を含む電話会社が料金値上げを迫られる事態が現実味を帯びてきた。 総務省が2月14日、NTT東西地域会社の電話接続料に「事後精算方式」を導入する案を、情報通信審議会に諮問したためだ。 事後精算方式とは、接続料の算定に使ったNTT電話網の暫定トラフィック量が現実とかい離した場合に、差額を後で精算する方式。 固定電話のトラフィック減が続く現状では、NTT電話網を利用する他事業者は、多額の追加負担を迫られる公算がある。
 

5.視点:「あるADSL事業者トップとの33分」(2.14 日経コミュニケーション)
最初に「あの人」に正式な取材を申し込んだのが昨年の夏。 記者発表の会場では話を聞いたことはあるが、単独インタビューとなると話は全く別。 取材のアポイントメントが入るまで、半年かかったことになる。

じりじりとしているその間、その会社のADSL(asymmetric digital subscriber line)会員数は急速な伸びを見せ始めていた。 2002年8月には下り最大12メガビット/秒のサービスと、ADSL使用料の無料キャンペーンを開始。 さらに「全国一律7.5円、会員間は無料」というIP電話サービスも急進。2002年末にはADSL会員数169万1000、うちIP電話会員129万4000もの巨大勢力に成長していた。

もうお分かりだろう。 このサービスは「Yahoo! BB」で、IP電話サービスは「BBフォン」。提供するのはソフトバンク(正確にはソフトバンクBB)。 そして我々日経コミュニケーションのインタビュー相手は、孫正義社長である。

さて、肝心の孫社長はどうだったかと聞かれれば、「普通の人」と答えざるを得ない。 総務省のDSL作業班会合の場でのような、他を圧する声量をとどろかせるわけでもないし、ITU-Tへの送付文書を巡って総務省が「ルール違反」として渡そうとした「行政指導」を、4時間もの議論のうえ撤回させた硬骨漢のイメージからも遠かった(この部分は日経コミュニケーション2月3日号で詳細にリポートしている)。

 ただし印象に残ったのは、頭の回転の速さ。 質問には間髪を入れず、ほぼ正対した答えが戻ってくる。 始終にこやかながら、瞬時に相手の意図を察知する力は、やはり並みではない。 この能力に、その場のTPO(Time、Place、Occasion)に合わせた迫力が加わることで、「孫社長が出席する会議は、例え我々NTTとの相互接続協定などの場面であっても、なぜかソフトバンクの“社内会議”に出ているような気分に陥った」(NTT東日本の幹部)という力を生むのだろう。

孫社長率いるソフトバンクとソフトバンクBBの事業展開に、多くの批判の声があるのは承知している。 だがその議論は、つまるところ「(あなたは)ソフトバンク流ビジネスを許容するかしないか」に尽きると思う。 インフラを含めたネットワーク事業を「他の業界と変わらぬ純粋なビジネスの場」ととらえるなら、ソフトバンクの手法は実に正鵠を射たものだ。 ビジネスは経済戦争そのものだから、負けたらそれで終わり。 あらゆる手段を使って戦うのはビジネスの常識だ。 「紳士的ではない」との指摘もあるが、デザイン盗用や商品ネームのパクリなどが横行する様々な業界を知っていれば、さほど目くじらを立てるほどのことでもあるまい。
さて、孫社長とのインタビューは2003年1月29日に実施した。時間は正味33分。
 
 

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