週間情報通信ニュースインデックスno.384 2002/11/30
 
 

1.NTTが新世代サービス構想を発表。新たなIPネットワークを構築し提供(11.26 日経コミュニケーション)
 NTTの和田紀夫社長は11月25日の記者発表で,NTTグループが取り組むブロードバンド時代のサービス構想「“光”新世代ビジョン」を発表した。光ファイバによるブロードバンド通信を基盤にした双方向のコミュニケーション環境を実現し,新たなサービスやビジネスを創出するのが狙いだ。

 新世代ビジョンを実現する大きな柱は三つある。(1)双方向コミュニケーションを支える新ネットワークの構築やサービスの提供,(2)課金や認証などのプラットフォーム・サービスの提供,(3)新ネットワークを生かした先進的ビジネスモデルの開拓、である。5−10年後を想定したサービス・イメージとして,多地点同時会議,感情を伝える五感通信システム,ユビキタス社会を実現するウェアラブル・コンピュータなどを挙げた。すでに日米の大学間の同時講義など,約20のプロジェクトを立ち上げているという。

 すべての基盤となる(1)は,現在の地域IP網とは別のIPネットワークを用意する。低コストだが品質を保証しない自立・分散型ではなく,品質を重視する集中・管理型のネットワークを構築。その上で,IPv6技術を利用したエンド・ツー・エンド型のサービス,ベスト・エフォートではなく速度や品質,信頼性を保証する通信サービスなどの提供を目指す。既存の伝送路などをなるべく活用するため,設備投資額は「今後5年間で5000億円以内」(NTTの和田紀夫社長)に抑える考え。

2.総務省、IP電話専用番号の割り当て開始(11.26 日経BizTech)
総務省は11月25日から、「050」で始まる11けたのIP電話の専用番号の割り当てを開始した。 初日は9月中に申請を出していた5社に対して、合計700万番号を割り当てた。

専用番号を取得したのは、BBテクノロジー、KDDI、NTT-ME、フュージョン・コミュニケーションズ、CATV事業者のZTVの5社。 フュージョン以外の4社は、既にIP電話サービスを提供中。フュージョンは2003年2月にサービスを始める。

3.手軽さで注目集まる“電子のカギ”---USB認証キー(11.27 日経BizTech)
2002年11月27日からパシフィコ横浜で開催中の展示会「Security Solution Expo 2002」。展示会場で目についた製品のひとつがUSB認証キーである。 USBキーとは、パソコンのUSBポートに装着する“電子のカギ”。 暗号カギを内蔵しており、専用ソフトウエアと組み合わせることで、この“カギ”を差し込まなければパソコンを使用できない、ネットワークにアクセスできない、暗号化したファイルを閲覧できないといったアクセス管理が可能だ。

 百円ライターよりも小さく持ち運びに便利。カード・リーダーなどの装置が不要なため、ICカードや磁器カードに比べて導入しやすい点が特徴だ。 価格は定価ベースで1個7000円程度。 数年前からある製品だが、ほとんどのパソコンにUSBが普及してきたことや、セキュリティ意識の高まりにより注目を浴びている。

4.ベンチャーが“コンビニ5社連合”と移動IP電話実験(11.27 日経コミュニケーション)
ベンチャーのブロードバンドモバイルコミュニケーションズ(BMC)は、12月初旬からイープラットと共同で、モバイル端末向けIP電話サービス「M’tel」(もってる)の通話実験を始める。BMCは、2003年4月にもM’telの商用サービスを月額3000円で提供する計画である。

 M’telは、IP電話機能を搭載した携帯電話型、またはPDA(携帯情報端末)型の端末を使い、コンビニや喫茶店に設置した無線LANの基地局を通して電話をかけられるようにするサービス。 BMCは、各種3次元映像の技術開発を手がけるスリーディー.コム(3D.com)から2000年7月に分社してできたベンチャー企業。 一方のイープラットは、ファミリーマート、サークルケイ・ジャパン、サンクスアンドアソシエイツ、スリーエフ、ミニストップの“コンビニ5社連合”とトヨタ自動車、NTTコミュニケーションズが合弁で設立した企画会社。

5.「統一Linux」が目指すもの(11.29 日経BizTech)
 ラスベガスで先週開催されたCOMDEX Fall 2002で,Linux業界にとって大きな発表があった。「UnitedLinux」の初版がついに完成したのだ。
 UnitedLinuxとは,企業向けLinuxディストリビューションの普及を目指す企業連合の名前であり,それによって作られたOSである。ドイツのSuSE Linux AG,米SCO Group(旧社名:Caldera International),ブラジルのConectiva S.A.,米Turbolinux(現在はターボリナックス)の4社が今年の5月31日に結成(関連記事)し,これまで共同で開発を進めてきた。

 UnitedLinuxの最大の目的は,その名が示す通り「統一したLinux」の提供である。 これにより,各社の開発コストを削減することを狙っている。さらに,「ハードウエアとソフトウエア・プラットフォームで動作確認したLinuxを提供することで,ハードウエア・メーカー,ソフトウエア・ベンダーの動作検証にかかるコストも削減する」(UnitedLinux)。つまり,4社は互いに協力し合うことで,自らにも,顧客企業にもメリットをもたらすことを狙っているのだ。

 ところが,このUnitedLinuxには気がかりなことが2つある。1つはLinuxディストリビューション最大手の米Red Hatが参加していないこと。 そしてLinuxの標準化団体としてはFSG(Free Standards Group)が存在しており,これがすでに広く認知されていることである。

  まず,前述の「気がかりなこと」の1つ目について考えてみたい。 実は,UnitedLinuxの結成からすでに半年が経つが,Red Hat社がUnitedLinuxに参加するという話はまだ一度もない。 さらに,「Red Hat社が参加するとは誰も考えていない」というのが業界関係者の一致した考えのようである。  UnitedLinuxにとって,Red Hat社が参加していないことの意味は大きい。 それはシェアの圧倒的な差にある。米IDCの調査では,2001年におけるRed Hat社のシェアはほぼ75%だったという。 これに次ぐのがSuSE社で残り25%の大半を占めている。 「それ以外のディストリビュータは,ほんの数パーセント,あるいは,それにも満たない状態」(IDCアナリストのAl Gillen氏)という。
 

  
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