週間情報通信ニュースインデックスno.378 2002/10/19
 

1.三洋電機の箱船経営(10.14 日経ビジネス)
電機産業に詳しい読者なら、「スリーS」という言葉をご存知かもしれない。 かつて経験したことのない逆風に苦しむエレクトロニクス業界で、昨年度500億円を上回る営業利益を確保できたのはソニー、シャープ、三洋電機というSで始まる3社だけだった。

世界有数のブランドを持つソニー、液晶では他を寄せ付けないシャープ。 では三洋はなぜ、家電の王者を自認する松下電器産業が2118億円という巨額の営業赤字に転落する環境下、スリーSの一角に食い込むことができたのか。 その秘密はトヨタ式生産システムならぬ三洋の「箱船経営」の凄みにある。

 別の言葉でいえば、日本の製造業が中国の追撃を振り切って21世紀を生き延びるための「6:2:2」の法則。 

 井植敏会長兼最高経営責任者(CEO)は三洋が目指すべき姿を鮮やかに描き出す。 「日本の国内に製造拠点を持つ昔ながらのモノづくりではもう生きていけない。ただ、我々にはモノづくりを通じて蓄積してきた膨大な経験と知恵がある。このノウハウをフルに活用し、たとえ製造拠点がすべて中国に移っても、モノづくりのコンサルタントとして生き延びてみせる」。

 先に6:2:2の種明かしをしておけば、三洋は2005年をめどに、モノづくりで営業利益の6割を稼ぎ出し、残りの4割を金融、流通サービスの2分野で2分する収益構造を目指す。 基本の部分ではモノづくりにこだわりながら、収益面ではあえてモノづくりから離れていく一見、矛盾した道を三洋はひた走る。

「今まで同じことをやってきたのだから、3年から5年の間に最低100億円、最大500億円程度の新規事業を10件立ち上げるのは決して難しくない。 ハイブリッド車向け電池やインターネットを利用する電話機など、有望株はたくさんある。ついでにその次世代の種も仕込んである」と三洋の桑野幸徳社長。

 もともと強かった二次電池では、5年間で売上高を倍増し、全品種で世界シェア50%を押さえる完全制覇を視野に入れた。 アナログを得意とする半導体で三洋が40品種の世界シェアトップ製品を持っている。

 もっとも、ここまでなら京都企業に代表されるような強い部品メーカーの戦略とほとんど変わらない。三洋は今年1月、中国最大の家電メーカーで、連結ベース6000億円の売上高を持つハイアール(海爾集団公司)と全面的に提携、合弁会社を設立してハイアール製品を日本国内の自社販売チャネルに流すと発表した。その一報を聞いたとき、あるライバル企業の幹部は唖然とした表情でつぶやいたものだ。「松下の白物家電より値段が安いのを売り物にしていた三洋が、自分の庭を明渡すなんて」と。しかし、この提携は三洋に大きな利益をもたらし始めている。

 どんな会社でも、儲けを生む種や仕掛けを持っているはずだ。 小さな種でも、知恵と決断次第で大きな果実を生むことがある。 三洋の生き様は、「真似できないようで真似できそうな」点で、ソニーや松下の戦略とは一線を画す。現場のがんばりだけでは勝てない日本の製造業の目指すべきお手本がここにある。
 

2.NTTデータ、移動体向けアプリ開発で独研究所と提携(10.16 日経BizTech)
NTTデータとドイツの「フラウンホーファー研究機構オープンコミュニケーションシステム研究所」(FOKUS)は2002年10月16日、移動体通信向けシステムなどの共同研究で提携したと発表した。日欧の最新技術を持ち寄ることで、両社の研究開発体制を強化する。

提携の第一弾として2003年1月に、FOKUSの持つ移動通信関連のミドルウエア技術とNTTデータの移動通信端末技術などを使ったユーザー認証やアクセス制御のアプリケーション開発に着手する。また、研究テーマを選定するための会議も定期的に開く予定である。
 
 

3.社員の情報漏えいや業務外利用を抑止するソフト(10.17 日経BizTech)
ネットマークスとシーア・インサイト・セキュリティは2002年10月17日、企業向け情報漏えい防止ソフト「SEER INNER Ver.2.0」を共同開発し、11月1日に発売すると発表した。

 同ソフトは、社員による不正行為や情報漏えい、目的外利用などを抑止するためのもの。 管理サーバーで同ソフトを運用し、社員のパソコンにエージェントをインストールして利用状態を監視する。 社員がどのWebサイトを閲覧したのか、送受信したメールのあて先・タイトル、社員が操作したアプリケーションの使用履歴などが一覧できる。 また社員が使用している状態のパソコン画面を一覧表示することも可能。 このように部門管理者が組織内の利用状況を把握できるようにすることで、社員による業務外のWebサイト閲覧やメールの目的外使用などを抑止するのが狙い。
 

4.東西NTTがxDSL接続ルールを変更、12メガ問題は当面個別協議に(10.17 日経BizTech)
NTT東西地域会社は10月17日、ADSL(asymmetric digital subscriber line)事業者との相互接続条件を決める接続約款変更を総務省に認可申請した。TTC(情報通信技術委員会)が2001年11月に定めたスペクトル(周波数分布)管理標準「JJ-100.01第1版」に基づき、接続約款にxDSL回線の収容ルールを整備することなどを新たに記載した。

JJ-100.01は、電話線を使う通信技術の干渉を抑制するためのスペクトル管理の標準仕様。第1版では、干渉から守られるべき「第1グループ」と、束ねたケーブル内の収容位置や伝送距離を制限する「第2グループ」の二つに伝送方式を分類する。(蛯谷 敏)

5.格安コンピュータがMicrosoftの脅威となる?(10.10 日経WindowsPro)
台頭する格安コンピュータが,Windows OSとOfficeが大勢を占めるデスクトップ・ソフトウエア市場で米Microsoftのシェアにダメージを与えつつある。 MicrosoftはWindowsとOfficeのライセンスの大部分を新しいパソコンにプリインストールして販売している。 しかし,パソコンの価格が下落するにつれ(今年は1台200ドルにまで下がった),パソコンの総コストに占めるWindowsとOfficeのライセンス料の割合が急上昇している。 この現象により,パソコン市場ではWindowsやOfficeの代替製品を探す動きが始まっている。

米大手スーパーのWal-Martが販売する格安パソコンがこの動きをリードしている。 Windows搭載機を販売する一方で,各種のLinuxディストリビューションを搭載したパソコンやOSをプリインストールしていない製品も用意している 。Wal-Martのパソコンは米Microtel社の製品をWal-Martブランドに変えたもので,ディスプレイなしで通常200−400ドルで販売されている。こうしたマシンは,台湾のVIA Technologies社が製造した低速なIntel互換プロセッサや,遅くて低容量のハードディスク,CD-ROMドライブなど,予想通りの安っぽい部品で構成されている。 それでも,いまや最もケチな顧客でさえフル機能のコンピュータを購入できることになる。 そして,こうしたパソコンの一部はMicrosoft製品を全くインストールしていない状態で出荷されている。

 オフィス製品では,非Microsoft製品にシフトする動きが続いている。 世界で最も急成長しているパソコン・メーカーのSonyは今週,すべてのデスクトップ・パソコンにOffice XPではなくCorel WordPerfect 2002をバンドルすると発表した。  ノート・パソコンでも,Sonyは低コスト戦略を貫く。 多くのパソコン・メーカーがするように,高価なOfficeスイートの替わりに単品のMicrosoft Word 2002を採用する。 一部のパソコン・メーカーには廉価版オフィス・スイートのMicrosoft Works 2003を採用するところもある。

 要するに,ソフトウエアのコストが問題なのである。Sonyや他のパソコン・メーカーは,格安のハードウエアにそれより高価なMicrosoft Officeを搭載しても顧客の支持を得られないと考えている。 他のいかなるシステム・コンポーネントと同様に,パソコン・メーカーは価格の観点からバンドルするソフトの再評価を進めている。 そこで高すぎると感じれば,ソフトウエアを絞るか,安価な代替品に置き換えている。

 
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