週間情報通信ニュースインデックスno.371 2002/08/31
 
 

1.平成電電、携帯電話事業者を独禁法違反で申告へ(8.27 日経BizTech)
平成電電は9月上旬、携帯電話事業者との間の“固定発携帯着”の料金決定方法を、独占禁止法違反として公正取引委員会に申告する。 
 “固定発携帯着”の通信料金は、料金決定権を得て割安で提供しようとする平成電電と、慣行通り料金決定権を維持しようとする携帯電話事業者4グループとの間で交渉が決裂。 既に7月、総務大臣に裁定を申し立てている。 平成電電は総務省が管轄する電気通信事業法だけでなく、公正取引委員会が管轄する独占禁止法の発動も求めたことになる。

2.Webサービスの課題はセキュリティーや標準化(8.28 日経マーケットアクセス)
システム間連携の基盤として注目を集めているWebサービスだが、その本格普及には、多くの課題を解決する必要がありそうだ。 『日経マーケット・アクセス』(日経MA)が国内企業を対象に、2002年7月に実施したパネル調査「ネットビジネスのための企業システム(第6回)」によると、Webサービスの課題は、「セキュリティー面の機能が弱い」が44.5%で最も多かった。 次いでソフトウエア業界の長年の課題と言うべき「業務アプリケーション・レベルの標準化が難しい」が33.1%。 標準化に関しては「Webサービス関連の標準化の進展が遅い」も31.1%に上った。

 Webサービスの課題はセキュリティーや標準化にとどまらない。「Webサービスのメリットが分かりにくい」という、基本的な問いを発する回答者が31.9%存在した。

3.視点:長引きそうなADSLの拡張方式をめぐる論争(8.27 日経BizTech)
8M超の高速ADSLサービスを実現する拡張方式について、ソフトバンク・グループと情報通信技術委員会(TTC)が揉めています。かいつまんで言えば、こういうことです。
・ADSLの拡張方式にはいくつかある
・ISDNとの干渉を意識したものとそうでないものがある
・周波数の使い方が異なるため干渉特性も異なる
・NTT東西やイー・アクセスは、TTC準拠の方式で進めている
・Yahoo! BBは、独自の方式で進めたい
・一応、TTCで検証などしてからフィールドに持ち込むルールではあるのに、Yahoo! BBはその手順を省略して独自方式を始めてしまった
・イー・アクセスがルール違反であるとクレームをつけた
・Yahoo! BBが反発した

 ADSLの方式や使用する周波数に関しては、「電話線は干渉が避けられないので、何らかのルールが必要」ということに疑問の余地はないでしょう。 
 TTC側は、ISDNがあることを前提にした方式を中心に据えて、これを拡張していくべき、というスタンスです。 一方のソフトバンク・グループは、陳腐化した技術のために新しい方式を制限されるのは納得がいかない、というスタンスです。

 しかし、両社とも問題もあります。それは、ソフトバンク・グループはルールを無視してこっそりサービスを始めてしまったこと、TTC側は(強制力はないにせよ)標準化団体として国内仕様を決めてしまい、NTT東西地域会社がその仕様以外では相互接続しないというような制限をかけようとしている点です。

 NTTは、ISDNを延々と販売してきたわけで、ユーザーも既に1000万を超えています(ブロードバンドユーザーは500万を超えたところですね)。 しかもISDNは、ユニバーサル・サービスである「電話」でもあるのです。 そして、ADSLサービスの舞台となるローカル・アクセス回線は、実質的にすべてがNTTのアクセス回線なのです。 ISDNが失敗だったとか、既に邪魔な存在になっているというのは結果論としてはそうなんですが、日本においては、ADSLサービスを展開する上での「与件」とすべきことではないかと思われます。 より多くの事業者がフェアな条件で競争できることが、最もユーザーのためになるはずです。

4.BBテクノロジーがイー・アクセスCTOを提訴 (8.27 日経BizTech)
ソフトバンクグループでADSLサービスを提供しているビー・ビー・テクノロジーは2002年8月27日、イー・アクセスCTO(最高技術責任者)である小畑至弘取締役を相手取り、営業妨害など不法行為による3億円の損害賠償支払いを求める訴えを東京地方裁判所に起こした。 小畑氏は、情報通信技術委員会(TTC)第4部門第6専門委員会のサブワーキンググループのリーダーでもある。

 訴状によると、ビー・ビー・テクノロジーが同社のADSLサービスで採用している通信規格「ANNEX.A」に対し、小畑氏があたかも実サービスでは十分な通信性能が出ないかのような虚偽の発言をし、その結果、ビー・ビー・テクノロジーの営業が妨害されたとしている。 

 さらに、2002年8月にビー・ビー・テクノロジーが新たに開始した最大12MbpsのADSL通信規格「ANNEX.A.ex」についても、TTC専門部会のリーダーとしての地位を濫用し、ビー・ビー・テクノロジーが提供するサービスに関する虚偽の情報を流布などして、営業妨害を行ったとしている。
 

5.用語解説:提供可能地域も一気に拡大「12メガADSL」(8.28 日経BizTech)
驚異的なスピードで普及しているADSLサービス。 国内でわずか2年前に登場した新しい通信サービスであるにもかかわらず、7月には早くも加入者数が330万件を突破した。
 この2年で通信速度の向上と料金の低価格化も一気に進んだ。 2年前、ADSLの通信速度は640キロビット?1.5メガビット/秒で、月額料金は6000円前後だった。 この状況に風穴を開けたのが、昨年六月にヤフー!BBが開始した低価格の8メガビット/秒のサービス。 他のADSL事業者も一斉に追随して、続々と8メガビット/秒のサービスを投入した。 今では料金も3000円台まで下がっている。
 そしてこの秋には、「12メガADSL」のサービスが登場する。 新しい通信技術の採用で、理論上の最大通信速度が12メガビット/秒となるサービスだ 。気になる利用料金は、現在の8メガADSLに対して数百円ほど高くなるだけの見込みだ。
 12メガADSLとはいっても、実際に12メガビット/秒で通信できるのは、NTTの電話局から1キロ以内の近い場所でサービスを利用するユーザーだけ。 ADSLは、NTTの電話局からユーザー宅が離れているほど、信号の減衰やノイズの影響で通信速度が低下するからだ。 
 12メガADSLのメリットを一番享受できるのは、現在、サービスエリア内に居住するユーザーのうち、NTT電話局から遠い所に住む人たちだ。 8メガADSLのサービスを利用するユーザーが12メガADSLに乗り換えると、100?500キロビット/秒ほど高速になる。 12メガADSLが、信号の減衰やノイズに強い通信方式を採用しているおかげだ。 また、こういったユーザーなら、元の通信速度が遅いだけに、ウェブページの表示やファイルのダウンロードが速くなったことを実感できる。

 もう一つのメリットは、ADSLの提供可能エリアそのものが広がること。現在の8メガADSLの場合、NTTの電話局から4?5キロメートル以上離れていると、ADSLのサービス自体が利用できないケースが多い。信号の減衰が激しいためだ。 12メガADSLなら、信号の減衰に強いため、6?7キロメートル程度でも安定して通信できるようになる。 これまで、距離の問題でADSLをあきらめていた人には朗報だ。
 これまでは、距離的な問題でサービスが利用できない地域が多かったADSL。 事業者がNTTの各電話局に12メガADSLの設備を導入すれば、こうした問題も大幅に改善されるのは間違いない。
 
 
 
 
 

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