週間情報通信ニュースインデックスno.367 2002/08/03

1.IIJとパワードコムが事業統合へ(7.30 日経BizTech)
「このままでは終わりたくない。 NTTに対抗する勢力を作るという初心を貫徹したい。 そのために電力系通信会社と組む。 そうすることで眠れるNTTが目覚め、日本の通信産業全体が活性化するはずだ」――。

 7月18日、インターネット接続大手のインターネットイニシアティブ(IIJ)と電力系通信会社のパワードコムは、事業統合を検討していると発表した。 IIJの鈴木幸一社長は、本誌の独占インタビューに応じ、熱い思いを一気に語った。

 注目すべきは、鈴木氏の信念に、世界最大の電力会社である東京電力が理解を示し、同社が手がける通信事業の将来を鈴木氏に委ねるという“賭け”に出たことだ。

 状況は「電力を後ろ盾に持つパワードコムがIIJを吸収する」というよりも、「機動力に富むIIJが経営の主導権を握り、資金と設備と運用ノウハウを持つ電力系通信会社の結束を固める」という色合いが濃い。 これまで電力系通信会社は、「電力純血」による事業統合の道を探ってきたが、遅々として進まなかった。 その最大の要因は、実は東電自身にあった。 お互いにライバル意識の強い電力会社が、東京一極集中の恩恵に浴す東電の独走を許すことを嫌ったためだ。

 そこで今回、東電は“外様”のIIJと組み、鈴木氏を担いで前面に押し出すことによって東電主導色を薄める作戦に出たのである。 本誌の単独インタビューに応じたパワードコムの種市健社長は、経営統合後に鈴木氏が最高経営責任者(CEO)に就任する可能性について否定しなかった。

 「将来の発展のために必要なことは思い切って決断する。 鈴木氏が主導権を握った方がいいということが、パワードコム内部から見ても、世の中から見ても妥当なら、そうなったっておかしくない。供給サイドの論理で物事を決めていられる時期ではない」

 だが、電力会社があっさりとこれに乗るとは限らない。 逆にIIJの鈴木氏が電力会社の激しい綱引きに巻き込まれ、体力を失ってしまう事態が生じる危険性もある。初心貫徹どころか、事業の存亡もかかっている。

 IIJとパワードコムは、年末までに具体的な事業統合の方針と形態を固める予定。米国の通信事業者との提携や日本テレコムの固定通信事業の買収といった可能性も高まってきた。通信再編最終章の幕は切って落とされた。

2.固定通信事業の売却は希望していないと東京電力に通告=日本テレコム(7.30 ロイター)
英ボーダフォン傘下の日本テレコムは、東京電力に固定通信事業を売却することで両社の合意が近づいている、との一部報道に対して、「東京電力からアプローチがあったのは事実だが、今回のアプローチに関しては、この話をこれ以上進めることを希望しない旨、東京電力側に伝え、今回の話し合いは完了した」とのコメントを発表した。

今後とも、高品質の固定通信サービスを顧客に提供していくことを約束する、としている。

 30日付の日本経済新聞は、東京電力の南直哉社長が、日本テレコムの固定通信部門の買収交渉において、大枠で合意の方向に近づいていると述べた、と報じている。

3.ソフト・スイッチ市場はハイリスクだがチャンスも大---米IDCの調査(7.31 日経BizTech)
米IDCが米国時間7月30日に、ソフト・スイッチ市場に関して「リスクは高いがチャンスも大きい」とする調査結果を発表した。 報告によれば、現在の通信事業者の不調により、ベンダーにかなりのリスクが生じている。 特に新興企業は、通信事業の不振期を乗り切るまで十分な事業資金が必要だという。

 調査結果によれば、Salix(Tellabsが買収)、Transmedia(Ciscoが買収)、Vsys、Tachion、Tundoなどかつて注目を集めた多くの企業が既に市場の犠牲となっていることが分かった。 しかし、IDCは、リスクに反して、初期の市場サイクルを生き残ったベンダーはかなりの収益が上げられると報告している。

電気通信業界が深刻な経済問題に直面しているが、同社は、新しいサービス供給、購入と運用コストの低下、通信事業者がデータ向けに最適化したネットワークを設計する機会を含め、大規模なソフトスイッチの配備を促進する要素は存在すると考えている。

4.NTTデータ、企業向け健康管理支援ASPサービス(8.2 日経BizTech)
NTTデータは企業などの健康管理システムのアウトソーシング事業を新たに開始する。 ASPサービス「Health Data Bank(ヘルスデータバンク)」として8月5日から提供するとこのほど発表した。同サービスは、企業などに所属する従業員の健康診断結果データの管理業務を請け負うアウトソーシングサービス。 NTTデータがデータセンターを構築・運用し、企業・団体に対してASPサービスとして提供する。 同サービスを利用すれば、データ蓄積のためのシステム構築やデータ入力作業が省け、初期投資が不要になる。

 データ入力業務も代行する。 これにより、企業の事業所が存在する各地域ごとに、健診フォーマットの異なる健診機関でそれぞれ受診した場合も、統一した共通フォーマットで一元管理でき、個人データの経年管理も容易になるとしている。

 また個人の健診データはWebベースで提供し、履歴や変化グラフでの表示が可能なほか、保健スタッフが健康指導するために利用するデータ表示機能、統計機能・業務支援機能も提供する。 システム利用料は、従業員1000人の企業の場合で、年間約150万円。同社では、自社のほか、NTTグループ5社やソニー生命保険などに対して、8月5日から順次提供していくとしている。 2002年度には導入数で10社・団体、約2000万円の売り上げを見込む。
 

5.性能が悪いWWWサイト、マーケティング費用を無駄に(8.2 日経BizTech)
「WWWサイトの性能が悪いと、マーケティング費用を年間何百万ドルも無駄にすることになる」。 WWWサイトの性能テスト用ソフトウエアを手がける米Red Gate Softwareが米国時間7月31日に、WWWサイトの性能とユーザーの反応に関する調査結果を発表した。

Red Gate社は自社のANTS(Advanced .NET Testing System)ソフトウエアを用いて、ユーザー500人が企業、旅行、ショッピング関連のWWWサイトを訪れた場合のシミュレーションを行った。 WWWサイトの応答時間の長短に、ユーザーがどのような反応を示すのか、独自の測定法である“フラストレーション係数”とサイトの“放棄予測値”用いてを調査した。

 フラストレーション係数は0−100で測定し、数値が高いほどフラストレーションの度合いが強いことになる。 また放棄予測値は、フラストレーションからサイトを立ち去るユーザー数の割合をあらわす。

 「WWWサイトの応答性能の善し悪しは、その企業の収益に直接的な影響を与えている。 サイトの放棄予測値が25%ならば、オンラインの潜在的顧客を25%逃していることになる。 単純明快な論理だ」(Red Gate社マーケティング/販売担当ディレクタのSimon Galbraith氏)

 Galbraith氏は米AT&Tを例にあげて説明した。 AT&T社は昨年前半に、広告費として推定4億4700万ドルを費やし、その結果トラフィック増に成功した。 しかしRed Gate社は、AT&T社のサイトを訪れるユーザーの33%が途中でサイトを放棄する、と予測している。 ダウンロード時間が長く、ページの表示に時間がかかるため、フラストレーション係数41という結果が出ているからだ。 「フラストレーション係数が5未満であれば、とてもよい結果と言える。 一方、20を超えるようであれば、ビジネスに悪影響を及ぼすだろう」(Galbraith氏)

 米Microsoftのサイトのフラストレーション係数も28と比較的高いが、放棄予測値は0%だった。 これは、一貫して表示に時間がかかるサイトの方が、 時折ユーザーを長時間待たせるサイトより、ユーザーがサイトを去る頻度が低いことに起因している。
 
 
 
 
 
 
 

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