週間情報通信ニュースインデックスno.364 2002/07/13
 

1.企業幹部の55%はCRMに不満--米アクセンチュア調査(7.8 日経BizTech)
米Accentureが米国時間7月2日に、企業のCRM導入について調査した結果を発表した。 それによると、企業幹部の55%はCRMに不満を抱いているという。

 回答者の74%はCRMがうまく機能しない要因として「計画実行の不備」を挙げた。 Accenture社は、「CRMの能力を最大限に活用するには、プロジェクトの目標と実行のずれをなくすことだ」と説明する。 「多くのCRMプロジェクトでは特定のツールや技術に焦点を当て、顧客関係の価値増加といった最終的な目標は二の次になっている」(Accenture社Customer Relationship Management部門グローバル・マネージング・パートナのJohn Freeland氏)

 その他の主な調査結果は以下の通り。

・回答者の56%は、包括的な顧客データを利用できれば業績が1%?20%成長すると考えている。

・顧客の履歴データ、既存データ、リアルタイム・データを提供する機能が売上高を「大幅に増加させる」とする回答者は35%、「いくぶん増加させる」という回答者は43%だった。

・「計画実行の不備」以外にCRMがうまく機能しない要因としては、「長期的CRM目標の欠如」「不十分な投資」「不適切なROI算出」などが挙げられた。

2.ソニーのビデオカメラ、中国から日本へ生産逆移管(7.10 日経ビジネス)
ソニーは、中国にいったん移管した家庭用ビデオカメラの生産を日本に戻す。 1993年設立の合弁工場、上海索広電子が担当している北米向け8mmビデオカメラなどの生産を、国内の幸田工場(愛知県額田郡)や美濃加茂工場(岐阜県美濃加茂市)に段階的に移す。 既に一部の移管を開始した。 上海索広電子は中国向け生産に特化する。

 エレクトロニクス業界では、厳しいコスト競争を勝ち抜くため人件費の安い中国へ生産拠点を移す例が相次いでいる。その流れとは正反対のソニーの「逆移管」は、日本の製造業の空洞化論議に一石を投じそうだ。

「表面的なコストだけを見て、何でもかんでも中国に持っていくのはナンセンス。ビデオカメラのような高付加価値商品では(工場のコストよりも)時間の方が大切だ」 ソニーの製造統括子会社、ソニーイーエムシーエス(EMCS)の取締役兼執行役員常務で、今回の逆移管の仕掛け人である田谷善宏氏は強調する。

 田谷氏の言う「時間」とは、製品の生産を受注してから実際に販売するまでのタイムラグのことだ。この時間差が小さければ小さいほど完成品や仕掛かり品の在庫が少なくて済み、コストを大きく削減できる。 また、市場の需要の変動に素早く対応できるので、作りすぎのムダや売り逃しによる機会損失を最小限に防げる。

 実はビデオカメラの場合、小型精密のメカニズムの部品や機能を制御する特定用途の半導体など、基幹部品のほとんどが日本製だ。 部品を日本から中国へ送り、製品に仕上げて市場に届けるまでの時間は、日本で生産するより最低でも数日長くなる。 通関の遅れなどで、部品の搬入や製品の出荷が予定通りに運ばないケースもある。

 「お客さんは待ってくれない。市場の動きは速く、商品投入のタイミングが1週間狂うと売り上げや利益が大きく違ってしまう。 中国で生産したのでは、毎週毎週の売れ行きを見ながら台数を調整するようなきめ細かい対応はできない」と田谷氏は断言する。

 上海索広電子は、ソニーの国内工場で最も生産革新が進んでいるとされる幸田工場の子工場。 生産ラインの作業員が複数の工程を1人で受け持つ「セル生産方式」など、幸田工場の最新のノウハウを導入しており、品質やコストは折り紙つきである。 しかしソニーは、中国生産で得られるメリットより、受注から販売までの時間の長さから生じるデメリットの方が大きいと判断した。それが異例の逆移管に踏み切った理由だ。

3.「システムの丸投げでは成功しない」---セブン-イレブン・鈴木会長(7.10 日経BizTech)
セブン-イレブン・ジャパンの鈴木敏文会長は2002年7月9日、東京・国際フォーラムで始まった展示会「Business Innovation EXPO アウトソーシング2002」で基調講演を行った。 鈴木氏は「セブン-イレブンの成功要因は、営業活動の中枢となる情報システムを外部に丸投げ(アウトソーシング)するのでは無く、パートナー企業と緊張感をもちながら主体的に作り上げたこと」を強く来場者に訴えた。

今でこそ、セブン-イレブンは、成功企業のひとつとして挙げられるが、「会社設立当初、もし資金があって、流通のベテランを雇い、高い情報システムを導入していたら、今日の成功は無かっただろう」と振り返る。 セブン-イレブンは情報システムを野村総研とNECと共同で構築している。 その共同プロジェクトの仕様は「野村総研やNECではなく、あくまでも主体となるセブン-イレブンの役割として遂行した」と説明し、さらに「今では企業戦略として業務をアウトソーシングすることは極めて有効な手段と位置づけられるが、あくまで主導権は委託企業が握ることが成功する上で重要」との考えを改めて示した。

4.NTTデータ、ASP方式のネットバンキング・サービス(7.10 日経BizTech)
NTTデータは2002年7月10日、企業の給与振込などに対応したネットバンキング・サービス「InterFB」を7月15日に開始すると発表した。 銀行などの金融機関向けにASP方式で提供する。 料金は利用企業数によって異なる。 InterFBは、企業が(1)給与・賞与振込、(2)取引先への各種支払いといった総合振込、(3)地方税納付受付---などの金融機関への“データ伝送系”サービスを、パソコンのWebブラウザーとメールソフトを使って利用できるようにするもの。 なお、同社はすでに2000年12月から、残高・入出金明細照会や振込振替などの“リアルタイム系”のネットバンキング・サービスを金融機関に提供している。

5.用語解説:「IP電話番号」割り当ての衝撃度(日経BizTech)
インターネット技術を使い、パソコンから一般電話へ音声の通話ができるIP電話サービス(注1)。 「日本全国3分10円均一」のような低価格の通話料金が魅力だ。昨年末に大手プロバイダーのビッグローブとニフティが提供を始め、徐々に利用者が増えている。

ただ、現状のIP電話にはちょっとした弱点がある。着信するために必要な電話番号がないのだ(注2)。このため、パソコンから電話をかけることはできるが、電話を受けるには、別に一般電話や携帯電話が必要になる。

そこで、総務省が準備しているのが「IP電話番号」。 「050」で始まる、携帯電話とよく似た11桁の番号だ。 早ければ10月頃に、IP電話への「050」の割り当て開始が見込まれている。 これが実現すれば、一般電話の利用者は、相手がパソコンであるかを意識せずに、電話番号をダイヤルすれば通話できるようになる。

 「パソコンの通話がより便利になる」という印象の「050」だが、実は、普通の電話機で格安なIP電話サービスを利用したい、というユーザーにとっても朗報だ。 というのも、パソコンのIP電話ソフトと同等の機能を持つ接続装置を、ADSLなどのブロードバンド回線に接続すれば、普通の電話機でIP電話サービスが利用できるからだ。 「050」導入で一番メリットがあるのは、このタイプだ。

 例えばヤマハは、5月にIP電話機能を備えたルーターを発売済み。 現状では「050」がないので、ヤマハ製品のユーザー同士が専用の電話番号で通話する使い方に限られるが、今後、対応するIP電話サービスが始まれば、「050」でも着信できるようになる予定だ。 住友電気工業も、IP電話対応ルーターの試作機を完成させている。

IP電話サービスを提供する会社の準備も進んでいる。 長距離電話会社のフュージョン・コミュニケーションズもその一社。 5月から通信機器メーカーと共同で、各社の接続装置やパソコン用ソフトの相互接続性を検証している。

通信技術の進歩は著しい。インターネット接続が、アナログ回線からADSLに置き換わるように、電話といえばIP電話が当たり前になるのは間違いない。
 
 
 

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