週間情報通信ニュースインデックスno.320 2001/09/01
 

1.青色LEDの中村氏、日亜化学を提訴(8.28 日経BizTech)
8月23日、青色発光ダイオード(LED)を世界で初めて実用化した中村修二・米カリフォルニア州立大学サンタバーバラ校教授は、ついに古巣である日亜化学工業(徳島県阿南市)を東京地裁に提訴した。 20億円の一部請求に加え、日亜化学時代に中村氏が取得した特許の権利譲渡を求めた。 賠償請求は段階的に行われるため、最終的な請求額は現段階では不明。 ただ、個人が会社に対して起こす裁判では最大なものに発展する可能性は高い。

中村氏が取得した特許は、会社の設備を使って勤務時間内に開発した発明なので「職務発明」に該当する。 従って特許の権利は日亜化学に属する。 ただし、職務発明に関して規定している特許法第35条第3項には、職務発明を行った従業員は「相当の対価」の支払いを受ける権利を有する、とある。

今回の裁判のポイントは、中村氏の研究開発に対する価値はいくらが妥当かという点である。中村氏は特許を出願した時と特許を取得した時にそれぞれ会社から1万円を得ているが、これだけでは少なすぎるという主張だ。

「21世紀の電球」として、1兆2000億円市場と言われる白色電球を置き換えるだろうとも言われる白色LED。この白色LEDを可能にしたのは青色の実用化で3原色が出揃ったから。中村氏の功績は大きい。

2.泥沼ハイテク不況、来年1−3月期底入れにも赤信号(8.28 日経ビジネス)
情報技術(IT)市場の成長に対する過大な期待と信頼。 仮需が仮需を生み、低成長化で投資先を物色していた世界中の資金が、ITという金鉱に群がった。 そのサイクルが一度崩れた時に残った不良債権(在庫)の山。 気がつけば、携帯端末だけで今年の3月末に欧州5000万台、日本1250万台という膨大な在庫が積み上がっていたのだから、IT産業はこの1年、文字通り「バブルに踊った」と言わざるを得ない。

3.ターボリナックスジャパン社長交代、米国撤退の一部報道は否定 (8.30 日経BizTech)
Linuxディストリビューションの大手ベンダーであるターボリナックスジャパンは2001年8月30日、8月31日付けで現社長の小島國照氏が退任すると正式発表した。 新社長には、9月1日付けで、米TurbolinuxのCEO特別顧問であるJesse Casman氏が暫定的に就任する。

また同社は、一部報道にあった米Turbolinuxが米国でのLinux事業から撤退するという報道を否定した。 ただし、同社は、これまで日本、米国、中国の3カ国に分散していたLinuxディストリビューション開発を日本に集約する。 米Turbolinuxでは、IA-64などハイエンド向けのLinuxディストリビューションと大規模システム向け管理ツールの開発のみを担当する。

4.フレッツ・ADSL接続ソフトのキモ、PPPoEとは?(8.31 日経NETWORK)
NTT東西のフレッツ・ADSLと契約すると、「フレッツ接続ツール」と呼ぶパソコン向けのソフトが配られる。これがないと、フレッツ・ADSLでインターネットに接続できない。 なぜなら、インターネット接続事業者(プロバイダ)のユーザー認証を受けることや、プロバイダからIPアドレスを通知してもらうことができなくなるからだ。

このフレッツ接続ツール、その実体はPPPoE(PPP over Ethernet)というプロトコルのクライアント・ソフトである。 ユーザー認証もIPアドレス取得も、このPPPoEが実行する。 PPPoEはADSLとセットで使われることが多いものの、ADSL専用のプロトコルではない。 実際、2001年8月から始まったNTT東西のFTTH(fiber to the home)サービス「Bフレッツ」もプロバイダ接続の方法としてPPPoEを採用する。

今後ブロードバンド・インターネットの主要技術になりそうなPPPoEであるが、現時点で利用するときにはちょっとした注意が必要になる。 接続先サーバーの指定機能を使わないようにしなければならないのだ。

5.歴史的決断には敬意を払っている=労組の条件付き合理化受入れでNTT社長(8.31 ロイター)
NTTの宮津社長は、労働組合が全国大会で条件付きながら会社側の合理化提案を受け入れたことについて、歴史的決断であり敬意を払っている、との認識を示した。 記者会見で述べたもの。  宮津社長は、「労働組合としては、歴史的決断だったと思う。 電電公社時代を含めて、あのような決断(合理化受け入れ決定)は初めてだ」と述べた。 そのうえで、「歴史的な決断に対しては、どうこう言う立場にはないが、敬意を払っている」と語った。 また、懸案となっている固定電話の電話加入権料問題については、「ゆくゆくのことだが、(電話加入権料のない料金体系を)固定電話にも入れていったらどうか検討している。それが続いており、事情は変わっていない」と述べるにとどまった。

*NTT労組は29日高松市で全国大会を開き、東西地域会社など約11万人を対象とした転籍・出向を柱とする合理化案を条件付で受け入れる方針を正式提案した。
 

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