間違いだらけのネットワーク作り(97) 99/10/09
「私もPRISM見ました」

 情報化研究会のSさんから、「私もPRISM見ました」というメールを頂きました。私より細かくコメントしているので、ご本人の了解を得て引用します。
以下、引用。
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前回のホームページの記事を読んでから、私も打ち合わせに行った某メーカのデモ室でプリズムの実験を、たまたまですが見ることができました。

実験としては東京?大阪間でIP電話とイーサのインタフェースを持つMPEG2コーデック、それからパソコン(データ用?)等をつないでいました。アクセス回線にはやはりATMメガリンクを使用しており、帯域は4Mで、CISCOルータは松田さんの見られたのと同じ構成だと思います。(CISCOには詳しくないもので・・)

IP電話は音質は、まあ、こんなものだろうという感じですが、やはり無音圧縮であることは一聴しただけでわかりますね。私も去年、VoATMの導入を検討したときは、事前に音質を聴いてみて無音圧縮はまずいなと思い、圧縮のみとした経験があります。MPEG2は帯域は1M程度である上にTSではないので画質もMPEG1程度で遅延が大きいですが、他のトラヒックをかけない状態では当然ですが、スムーズに動いていました。

実験をしていたメーカの人の話では、トラヒックをかけると画像にブロックノイズが出たり、音声が切れたりするようです。とりあえずは優先制御をせずにやっているということなので当然ですけどね。また、ロングパケットが音声に影響するようだということも言っていました。ロングパケットからの影響はルータでの優先制御では改善できない(?)のでフラグメントも必要になるのかもしれませんね。

感想としては、「まあこんなもんだろう」というところですが、次世代ネットワークを名乗るには「う?ん」という感じでしょうか。まず、音質よりも電話の接続時間がかなり長かったのが気になりました。待ってる間は、ちょっとイライラしますね。これは構成によるものなのか、それともそういうものなんでしょうか。あと、一度、電話がかからなくなったりしました(何かの不具合のようでした)が、この辺は実験ということでご愛嬌でしょうかね。

特に思ったのは公衆網で音声圧縮というのはどうなんでしょう。バックボーンの帯域はWDMなどで広げられると思いますし、音声のトラヒック量は数年後には全体から見ればゴミになるといわれているようなので(そうは思いませんが)、わざわざコストアップとなり、音質も劣化する音声圧縮をする必要はないと思いますけどね。松田さんのお話ではルータの負荷軽減が目的のようですが、そういう事業者側の論理が果たして一般消費者に受け入れられるでしょうか。

携帯電話は多少音質が悪くても利便性と引き換えなので受け入れられましたが、固定電話ではどうでしょうか。携帯電話でもCDMA ONEでは高音質を売りにして盛り返したりしていますしかえってCD並の高音質な電話の方がニーズがある気がします。ちなみに、私、個人的には今の電話の音質は悪過ぎで、もうちょっとよくならないかなと前々から思っています。どっかの通信事業者がやらないですかね。

パケットにするというのはTDMの64kbpsの呪縛から解放され自由な速度を手に入れることができるということですから、法人向に8k圧縮、一般家庭用に64k、CD並のハイグレードタイプとか、いろいろなレベルの電話サービスが現れてもいいはずです。あと、せっかくIPにしているのだから電話できるというだけではなく、これまでの電話機ではできなかった新しいサービスを提供するとか・・次世代というからには、そういう夢のあることをしてもらいたいと
思うのは私だけでしょうか。

以下、コメント
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 無音圧縮の違和感はやはり誰が聞いても同じですね。電話の接続時間が長いことには私は気づきませんでした。自分でダイアルしなかったから。接続に時間がかかるのはシグナリングの仕組みが原始的だからでしょう。Sさんの会社では国産のATM交換機を使ってVoATMをしています。ATM交換機のATM−SVC+Dチャネルを使ったCCS(共通線信号方式)と、VoIPでのH.323の長い呼設定シーケンス+アナログ電話インタフェースのシグナリングの差が出ているのではないでしょうか。

 「これで次世代?」というのは言われてみればそのとおりで、エンドユーザにとっては使いやすく高品質な通信サービスが欲しいだけで、それが電話網を通っていようが、IP−VPNを通っていようがどうでもいいことです。IP−VPN=次世代ネットワークというのは完全に提供者側の言い分ですね。今のネットワークと同等の品質と使いやすさが実現でき、かつ今のネットワークでは出来ない「エンドユーザの喜ぶ」サービスが出来て初めて「次世代」と言えるのでしょう。

 

 
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