間違いだらけのネットワーク作り(96) 99/10/02
「10月1日セミナー模様」

 10月1日、日本工業技術センターでデータ・音声統合に関するセミナーを行いました。約40名の方が出席しました。エンドユーザ企業の方お一人が熱心に質問をしてくださり、VoIPの経験の多い沖電気の方がこちらの質問に何度も答えてくれたのが助かりました。

 冒頭で付加価値の高い仕事をしないと、皆さんの給料は半分になる、という話を技術や製品の画一化の話とからめてしました。結構反発もあったようです。ネットワークの提供側の人はVoIPしか念頭にないのでしょうか?エンドユーザの方2社に検討中のネットワークのことを伺うと全国250カ所あまりでVoFRをしたい、あるいは100カ所ほどをATM専用線で接続してデータ・音声統合したい、とのこと。ヒステリックにVoIPだと叫んでないのに安心しました。 エンドユーザの方が客観的なのでしょうか?

 VoFRの製品が年間数10億円売れており、しかも現在も売れ続けている、という事実があるのを私も最近知りました。やはりそこそこの音質がだせて、使いやすいこと、全国を安価な価格でカバーする公衆フレームリレー網が使えること、がその理由でしょう。ただ、さきの250カ所でVOFRを検討されている企業では小型のFRADだけでは手に負えないでしょう。

 VoIPでよく引き合いに出される企業がホームページに公開しているVoIPの実験結果についてもコメントしました。低速で使えるかどうか、ということで128Kの専用線と128Kの公衆FRで実験しています。ただ、公開している情報は少なく、同時に何チャネル通話したか、何故本社で3台もVoIPルータをつなぎ合わせて使っているのか(たったの3拠点のVoIPなのに)、何故64Kでなく128Kで実験したのか、といったことは分かりません。

 実験結果で面白いのは、128K公衆FRでFTPやPingで負荷をかけるとRTP圧縮をしても、優先制御をしても使いものにならない、というもの。本当だとすると、VOFR対応のFRADや交換機と比較して余程性能が悪いことになります。64Kの公衆FRでVoFRというのは当たり前に使われていますし、そこそこの音質が出ています。このルータが公衆FRで使いものにならない原因がどこにあるか知りたいものです。最近の雑誌の記事で大規模なVoIPが実現できてない理由としてゲートキーパーの能力や電話の付加機能のことがあげられていましたが、そんなことの前に基本的なネックがあるようです。

 今、ATM専用線や公衆FRでネットワークを作ると後からIP−VPNが安価に使えるようになった時に損をしないかと心配だ、というお話もありました。一つ目の疑問はIP−VPNがこの方が考えている全国100カ所をカバーできるのが何時かという基本的な疑問があります。「サービスしている」ということと「設備が全国にある」ということとは全く別問題です。短期間に広い範囲で設備投資がされるかどうか、疑問です。

 二つ目の疑問はIP−VPNが安価になるのかということです。このページで見学記を書いたIP−VPNのように足まわりにATMメガリンクを使っているのでは、ATMメガリンクやATMシェアリンクに対してIP−VPNを安価に提供するのは極めて困難です。両端にATMメガリンクを使って、真ん中だけIP−VPNを使うより、エンド〜エンドでATMメガリンクなりシェアリンクを使った方が安いに決まっています。10月1日のメガリンクの大幅値下げは決定打、ともいえるのではないでしょうか?

 最低の選択は全国をカバーする時期も、料金も、品質も不明なIP−VPNを待つために内線は仮想内線サービスを使い、データは別網にするという選択です。ある企業(全国で約150拠点)で試算したところ、ATMなり、公衆FRでデータ・音声統合した場合の回線料+機器リース・保守料と、仮想内線網+データ網とした場合の通信料を比較すると統合した場合の方が毎月1000万円近く安価になりました。仮に2年で設備を捨てて別網に移行しても採算が取れます。また、設備をIP網でも使いたいならVOFRとVOIPをソフト設定だけで使い分けられる製品を適用すれば良いのです。そんな製品はいくつもあります。

 
 

 
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