間違いだらけのネットワーク作り(89) 99/08/14
「ABR/UBR+/GFR」
 
 今日から夏休みに入るため少し早く8.14日号を掲載します。昨日(8.10)、日本工業技術センター(03−3233−3506)から7月に行われた「ネットワークQoS技術とソリューション」のテキストが届きました。大学、キャリア、メーカーの5人のテキストが合本されています。GMN−CL、ATM、IP、GE(ギガビット・イーサ)それぞれのQoS技術について現状や動向が解説されているのですが、さらっと見たかぎりではNECの方が担当している「ATMにおけるQoSソリューション」が秀逸です。技術のポイントを客観的に解説しているだけでなく、自分の意見がハッキリ書かれていること、その表現が面白いこと。セミナーそのものを聞きたかったな、と思わせる内容です。

 最近勉強不足の私に参考になったのはABR、UBR+、GFR(Guaranteed Frame Rate)の簡明な説明。ABRについては「技術的には理想だがABRは普及していない。デスクトップATMが普及していないこと、製品への実装が難しいこと、がその理由。」まったくその通り、普及しませんね。そもそもATMの教科書に書いてある機能を一通り持ったくATM交換機があるのか?という状況です。でも、私はABRを使っています。

 UBR+とは「最低保証帯域(MCR)を導入したUBR。この考えはGFRに継承され仕様化が進められた。」
GFRは「複雑なABRの代わりとなるもの。最低帯域をAAL5のPDU(Protocol Data Unit)単位で保証。」
CBRやABRはセル速度(単位時間のセル数)で速度を規定するが、GFRはAAL5パケットの数で規定する。
TM(Traffic Management)4.1としてATMフォーラムが標準化。

 ちなみにNTTのATMシェアリンクはGFR準拠(GFRそのものではない)ですが、速度規定はセル単位、AALタイプは5に限らず自由、廃棄単位はパケットを意識するサービスとのこと。

 GFRの使いやすさはユーザ側にGFR機能が不要なこと。つねにPCRで送出して「運が良ければ」PCRで、悪くてもMCRが保証されること。廃棄がパケット単位なので上位での無駄な再送も起こらない。GFRでの多重とVBRでの多重のちがいは、前者はMCRを超えるトラヒックは「通るかも知れない。」、後者はPCR、SCR、MBSを守っていれば必ず通る。」分かりやすいですね。

 あと、面白い情報。「人はどこまでセル落ちに耐えられるか?」音声では2%程度までは「非常に良い。」、5%でも「良い」という実験結果。MPEG2映像(6Mb/s、14,000セル/秒)は10万分の1秒(セル廃棄率10のマイナス5乗)に一つのセルが落ちると10秒に1回画面が乱れる。このあたりが限界では?とのこと。ATM専用サービスは廃棄率10のマイナス8〜9乗なのでMPEG2映像も平気、ということになります。

 「さいごに」で述べられている言葉。「ATMはQoSに強い。が、実運用では利用されていない。(LANでの話ですよ:松田注)」「現在の主流はUBR」「とはいってもATMの持つQoSの潜在能力は大。今後のQoSを必要とするアプリケーションの登場に期待。」

 技術馬鹿的内容でなく、技術の意味や現実への適用の考え方を自分の意見を交えながら書いており、大変面白く見ました。(まだ、読んでいません。これからジックリ読みます。)

 まあ、それはいいのですが、これからのATM、どう使っていけばいいのか。夏休みの宿題です。
 

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