間違いだらけのネットワーク作り(86) 99/07/24
「多様化する回線サービス」
 
 CWC(クロス・ウェーブ・コミュニケーションズ)を筆頭に最近矢継ぎ早に新しい回線サービスが登場しています。ネットワークの設計ではIPか、ATMか、といった技術の選択以上に回線サービスの選択が重要になって来たな、と感じます。特に基幹ネットワーク向けのサービスは充分選択肢がそろったように思います。

 NTTのATMメガリンク、デジタルリーチ、ATMセルリレー、スーパーFR、HSD、・・・。同様のATM、専用線サービス、公衆FRサービスは日本テレコム、DDI等NCC(New Common Carrier:新規通信事業者)から提供されていますし、CWCの斬新なLAN間接続用のサービスもあります。価格差も東京〜大阪間の1.5M専用線で40%以上の開きがあり、選択如何でネットワークのランニング・コストは大きく違ってきます。回線サービスを比較検討する「作業」は設計というには退屈ですが、ネットワーク設計者にとって重要な仕事になりました。

 不自由さが残っているのがアクセス回線です。ここは当分NTTの独壇場が続くかと思っていましたが、そうでもない雲行きになってきました。NCCによる無線アクセス方式の採用やNTTのMDF解放が見えてきたからです。

 無線アクセス方式はFWA(fixed wireless access)あるいはWLL(wireless local loop)と呼ばれ、回線敷設に比べて圧倒的に安い設備コストを生かした高速で安いサービスを可能にします。既に日本テレコム(JT)とKDDウインスターが商用サービスを開始している他、ソニーのような異業種からの参入も含め次の10社が計画しています。
    ・BTCS(日本テレコムと統合する予定)
  ・DDI
  ・東京通信ネットワーク(TTNet)
  ・大阪メディアポート(OMP)
  ・中部テレコミュニケーション(CTC)
  ・クロスウェイブコミュニケーションズ(CWC)
  ・グローバルアクセス
  ・ソニー
  ・MCIワールドコム・ジャパン
  ・NTT(東西地域会社と長距離国際会社がそれぞれ計画)

 有線ではADSLが当面の目玉でしょう。FTTH(Fiber to the Home)を標榜するNTTがどこまで本腰を入れるか疑問ですが、今年秋から試行サービスを始めます。さらに郵政省はNTT局内のMDFからユーザ宅までのケーブルの解放をNTTに求めており、そうなるとNCCがADSLを強力に進めるかもしれません。

 基幹、アクセスとも回線サービスの多様化はますます進むでしょうが、それを利用するネットワークは回線インタフェースの変化に対応しやすい柔軟性が求められます。このあたりがネットワーク設計者の知恵の絞りどころになるのではないでしょうか?
 
 
 

 

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