間違いだらけのネットワーク作り(78) 99/05/29
「国内VOIP最大規模は10拠点」
 
 25日、26日に日本工業技術センター主催のセミナー「VoATM/FR/IP」がありました。
ここのセミナーの受講者はユーザではなくメーカーなど提供側が多いのですが、このページを見てくれているエンドユーザの方が2社来られていました。

 どちらもVoice over Packetsに真剣に取り組まれているのですが、やっていること考えていることが好対照で面白いなと思いました。1社はこのページにVoIPでも音質はいいよ、というメールをくれた会社です。7拠点を768k以上の回線で結びVoIPをやっており、今後小規模な拠点へ展開、最終的には100拠点くらいのデータ・音声統合網にするとのこと。このページで私がコメントしたのは「低速回線と高速回線が併用され、大規模になった時に真価が問われる」というものでした。まさかセミナーに来られているとは思いませんでした。お会いして話を伺うとFAXで随分苦労されたようです。FAX以外にもいろいろあったのでしょうが詳しいことは聞けませんでした。しかし、不退転の決意でVoIPに取り組まれているので最後はちゃんと完成するだろうなと思いました。ベンダーがどこまで機能・品質の充分なソフトを提供できるかによってこの会社の苦労の度合いは左右されますが、間違いなく大変だと思います。

 もう1社はまだ実運用には入っていませんがVoIPもVoFRも実験され、ご担当の方は「VoIPはもうゴメンだ」とおっしゃっていました。VoFRは使えるという評価です。今の構想は基幹部分はVoATM、その回りはVoFR、両者のつなぎはPBX介在とのこと。規模は上記の会社と同じく100拠点程度だそうです。これもいろいろな問題が想定されますが、書き始めるときりがないので止めます。

 いずれにしても楽しくなりましたね。同じ事(データ・音声統合)をするのに考える人によって適用技術に対する評価や使い方が違う。色んなところで、色んな考えで様々なことが試みられるのは良いことだと思います。それぞれの会社で「結果」が出ている来年の今頃が大いに楽しみです。私はと言えば、VoATM/FRは従来どおり続けますし、VoIPもやって行きます。

 今回の表題「国内VoIP最大規模は10拠点」というのは大手ルータ・ベンダーから得た情報です。このページで繰り返し書いてきたようにデータ・音声統合の難しさは規模の二乗に比例します。10拠点程度ならVoIPであれ、VoFRであれ簡単です。要はVoIPを安心して使える規模は現時点ではこの程度でしかないということでしょう。10カ所でOKだから、100カ所でOKとは限らないのでご注意を。1年以内に200カ所を超える規模でのVoIPネットワークを目指しているユーザもいるとのことです。ということは、もし1年後にこのくらいの規模で成功していればVoIPも本物になったと言えるでしょう。

 付け足しですが世の中には音質にはこだわらないからVoIPで、ということで既に100カ所を超える規模で独立型のVoIPゲートウェイを使ったネットワークも出来ていますが、「音質にこだわらない」ようなのは対象と考えていません。

 6月26日(土)情報化研究会のレジュメが講師の矢野さんから送られて来ました。これを読むだけで話が面白そうだなと思います。それと末尾に矢野さんが主催したインターネットでのY2K問題の会合の議事録とY2KホームページのURLを掲載しました。興味のある方は見て下さい。

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                    テーマ「やさしいMPLS」
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 MPLSという技術に関してATM-SVCを切り口にMPLS成立前夜の事情なども
含めてお話します。ただし、MPLSはまだ始まったばかりの分野ですが、
すでに多くの検討がなされ、標準もかなり複雑なものです。そのため、
矢野も全部を知っている訳ではありません。そのため、お話する中で
活発に質問・議論・いちゃもんをふっかけていただき、楽しく進めたいと
思っています。

なお、今回の話にあたり予備知識は特に必要としません。必要な知識は
それに応じて話をさせていただきます。

0. 前口上
     ----インターネットは単純なことの複雑な組み合わせ----

1. はじめにSVCあり
     ---ATMの基本とSVCとは何か?---

2. IPアドレスが支配する世界
     ---インターネットの仕組みのイメージ---

3. レイヤ階層という基本の基本
      ---「ATM vs IP」という分かりやすくて間違った構図を排して---

4. MPLS前夜
      ---悲劇のIP switchとCiscoの反撃---

5. MPLSアーキテクチャドラフトとその他
      ---現在のMPLSの基本的な考え方---

6. MPLS二つの顔
      ---パケットベースMPLSとATMベースMPLS---

7. さまざまな思惑をめぐって
      ---トラフィックエンジニアリング---

8. 先駈けと錯綜
      ---MPLSとVPN---

9. 「宇宙をかき乱すべきか?」
      ---MPLSの未来?---

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インターネットのY2K問題関連ページ
 議事録:
http://www02.so-net.ne.jp/~hero-yan/y2k/y2k-brainstorming-19990519.txt

矢野のインターネットY2Kページ:
http://www02.so-net.ne.jp/~hero-yan/y2k/index.html
 
 
 

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