間違いだらけのネットワーク作り(46) 98/10/10
「VoIPは米国でも不評」
 

10月6日ザ・ヤンキーグループ日本支社主催のセミナー"IP as the Convergence Layer for Voice and Data Networks”(IPによる音声・データの統合)がありました。興味あるポイントと、まとめの部分を引用すると次のとおりです。

1.通信事業者はどんな技術を使っているか
・UUNET&MCI
コアの部分にはATM。将来エッジにはルーティングを使用。

・SPRINT
IONを提供(IONについては「間違いだらけのネットワーク作り(30)」を参
照)、ATMが中核。

・Qwest、Level3
IPだけのネットワークを宣伝しているが、いまだに中核はATM。

米国でも通信事業者の中核技術はATM

2.Voice over IPを企業は導入するのか?
・社員数500人以上の企業−2000年までは使わない。
・社員数10,000人以上の企業−中核技術としては疑問。

中規模以上の企業はVoIPに消極的

3.インターネット電話に対する企業の見方
・70%以上の企業は信頼性がなさすぎるという評価。
・70%以上の企業は音質が悪いという評価。
・60%以上の企業が標準がないこと、セキュリティ不足を懸念。
・意外なのは半数ちかい企業がインターネット電話の経済性に懐疑的なこと。

品質に関して寛容な米国でさえ、インターネット電話への企業の評価は厳しい。
 一番興味あるスライドなのでthe Yankeegroupより提供して貰いました。

4.まとめ(抜粋)
・インターネット電話は大企業にとってキラーアプリケーションではない。大部分のマネージャーは信頼性、品質、セキュリティを問題視している。フレームリレー、ATMがより実現性のある短期的中期的選択肢である。

・通信事業者がネットワークの中核に使う技術としてはATMが主流。

・QoSは理論としてはあるが、スケーラビリティ、信頼性、相互運用性が実現されるのは少なくとも2年後。

(感想)
日本人と比べて品質に寛容な米国でさえ、VoIPに消極的なこと、その経済性についても半数が疑問を持っているのが意外です。中・大企業はフレームリレー/ATM指向でIPは中核技術として信頼されてないというのも、私としては自分の意見に近いので意を強くしました。

「ルータに電話も入ります」などという宣伝文句を鵜呑みにしてVOIPを導入するのは止した方が賢明なようです。

この記事の掲載はザ・ヤンキーグループ日本支社支社長 ジョージホフマン氏に了解を頂きました。ヤンキーグループはコンピュータ、ネットワークのリサーチ、コンサルティング会社として実績のある会社で、本社はボストンです。コンタクト先は次のとおりです。

tel(03)3581-7751 e-mail:ghoffman@yankeegroup.co.jp
 

ホームページへ