間違いだらけのネットワーク作り(14) 98/02/21
「EDSに見るATM適用上のヒント」


ATMフォーラムのニュースレターである53BYTESの97年12月号に米国の大手SI/アウトソーシング業者であるEDS(Electronic Data Systems)におけるATM導入の経験が紹介されています。わずかな紙数で図もないため詳細は把握できませんが興味深いところについてコメントします。原文はこちらを参照してください。ATM Forum 53 BYTES,December 1997

○ATM以前のネットワークとネットワーク更改の基本的視点
以前のネットワークはTDM(T1MUX)とSNAプロセッサー(CCU?)が主体。電話、ワークステーション、SNA端末を接続。短期的なネットワークの更改の考え方はTDMバックボーンをATMでリプレースし、既存のフレームリレーをATMバックボーンに接続すること。
At the center of this network, connecting the system together,is a conglomeration of time-division multiplexors (TDMs) with connections to front end processors (FEPs), switched digital network (SDN) and private branch eXchange (PBXs) for voice and separate connections for video. Around the TDM backbone,Frame Relay connects the routers and LAN segments. In short, the near-term vision is to replace the TDM backbone with ATM, allowing EDS to connect and manage its existing Frame Relay devices across the ATM backbone.

○ネットワークへのニーズ
・より多くのアカウントとメール・ストレージを持つ大型サーバーの導入。NIC(Network Interface Card)の少数化・高速化。
・サーバーの集中設置によるオフィス移動時の手間とコストの削減。
・レスポンスタイムの維持向上と新しい広帯域アプリケーションのサポート。
・2つのコンピュータセンタの効率的な移行。

○ネットワーク・プラニングを通じて分かったこと。
・専用線を使うか、キャリアサービス(公衆ATM?)を使うかの検討が必要なこと。
・DS3(45Mb/s)やそれ以上の高速回線の必要性は少ない。
・Inverse Multiplexing(1つのATMストリームを1本の高速回線で伝送するかわりに、複数の低速回線に分割して伝送する方式)がFUNIのために重要。(高速回線1本で伝送するより、安価なため?)

○採用されたネットワーク
Ultimately, the decision was to go with an ATM in backbone design that included ATM switches (connected by fiber),ATM-attached routers, ATM-attached servers and ATM-attached LAN switches. This option was determined to be more cost-effective and was expected to provide a higher performance. This move is seen as a way to future-proof a network capable of handling increasing network traffic while easing the work involved to move offices, resources and personnel. EDS calls this "nomadicity."

○面白いところ
この記事で一番面白いと思ったのが、"nomadicity"(放浪性)という言葉です。オフィスやリソース(コンピュータ等の資源)、人の移動にともなう手間やコストを削減する。これはATMネットワークとサーバーの集中設置が可能にすることです。何処にサーバーがあろうと高速で安価に、かつ簡単にコネクションを張って通信できる。

これはEDSが指摘する人や資源の移動を容易にするだけでなく、サーバーやホスト・コンピュータを含むコンピュータ・ネットワークの運用コストの削減も可能にする方法です。高速で安価で使いやすくなったネットワーク+小型化高速化したコンピュータが、コンピュータ資源の集中による経済化を可能にしています。もはやネットワークが遅くて高かった時代に流行した、オフコンや小型機による分散システムは時代遅れになったようです。


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