間違いだらけのネットワーク作り(13) 98/02/14
「次世代ATM交換機で出来ること?」


98年は春から年末にかけて主要な国産メーカー、海外メーカーが次世代ATM交換機の出荷を始めます。注目はこれまで海外に大きく遅れをとっていた国産がどこまで海外製に追いつき、追い越しているか、というところでしょう。

まだ、実ユーザでキチンと動いた訳ではないので評価が定まるには半年はかかるでしょう。しかし「基本的な」スペックを見る限り、かなりいい線を行っているようです。SVC(Switched Virtual Connection)によるVoATM(ボイス・オーバー・ATM)、大きな交換能力(2ギガバイト/秒〜20ギガバイト/秒)、低速(64Kb/s)回線から高速回線までフルATMでの接続、などに目新しさがあります。

国産、外国製に限らず次世代ATM交換機で出来そうなこと、交換機によって差が出そうなところを絵にしたのが次図です。
私が詳細なスペックや「稼働」ベースで確認したい点は次のようなところです。

@低速回線でのインタフェース(ATMかフレームリレーか)と回線効率
64K、128Kといった回線でもATMで音声・データを統合する、という交換機もあります。「低速ではTDMだ」と言ったメーカーもありましたが、そんな時代は終わりました。ただ、問題はどこまで低速回線で回線の利用効率を上げられるかです。

デジタルアクセスで近距離の専用線が安価になったとはいえ、銀行のようにオフィスが多いユーザでは64kの回線ですむのか、128Kが必要なのかでコストが大きくちがいます。ましてや192K以上ともなるとコストが跳ね上がってしまいます。

低速でフレームリレーを使う場合、筆者の担当した銀行では64Kで音声2チャネル、TCP/IP、HDLCを統合している例もあります(IPのCIRは32k)。次世代ATM交換機でもFUNI(Frame-based User to Network Interface)でフレームリレーとATMを併用できるものもあります。回線効率ではこの方式の方が優れているでしょう。

ASOHOの扱い
SOHOでは電話は内線化するほどのトラヒックはないがルータは公衆FRで基幹網に接続したい、あるいは音質が少々悪くてもいいから電話もFR網で接続したい、というニーズはあります。基幹のATM交換機が公衆FR網と接続できるかどうかも、ネットワーク構成の柔軟性という面で差のつくところでしょう。

BVoATMのレベル
VoATMでは効率と音質の2点が問題になります。効率ではCBRでなく、rtVBRをサポートできるか、圧縮方式の選択肢、無音圧縮、メンテナンス性を決めるATMアドレスと内線番号のマッピング方式、などが注目したい点です。音質は実際聞いて確かめるしかありません。メガビット単位の中継リンクから、キロビット単位のアクセス回線に出ていくときのセル・ロスの回避など、低速で接続されるサイトが問題になるでしょう。

いずれにしても、新しいATM交換機が各社から出てくる、というのはユーザとして交換機を選択して使う立場にある者からするとワクワクするほど楽しいことです。いい買い物が出来るように研究し、今年は新しい交換機を使ってみたいものです。

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