間違いだらけのネットワーク作り(9) 98/01/10
「ATM−LANは不要?」


97年9月27日のこのページの記事「ATMフォーラムの最近のニュースと現実感」の中でLANの世界でATMはメジャーになれるのか?と疑問を呈しましたが、その答えはやはりNOになりそうです。

ATM−LANの対抗馬であるギガビット・イーサネット(以下GEと省略)の標準案IEEE802.3zはこの3月頃には正式な標準になるようです。(the Gigabit Ethernet Alliance)98年はGEの普及が本格化するでしょう。

ATMとGEのどちらが高速のバックボーンLANとして優れているか、面白いテーマです。Data Communications 97年12月号の記事"CELLS VS. FRAMES"(Data Communications)ではATM派とGE派のディベートが載っています。その内容やその他のGEに関する情報をもとに作ったのが次の簡単な比較表です。

ATM−LAN vs G.Ethernet
比較項目ATM−LANG.Ethernet
伝送速度622Mb/s1000Mb/s
接続距離40km
(OC12 620M)
マルチモード・ファイバ 500m
シングルモード・ファイバ 3km
QoSPCR、CDV、等豊富ポート単位の優先制御、RSVP等
ネットワーク管理
Simplicity×
価格$4200/port(OC12)$2000
TCO

GE派の主な論点は
・80%以上のLANはイーサネットであり、GEとイーサネットはフレームのコンバーション/フラグメンテーションなどのオーバーヘッドやedge device(フレームとセルの変換をするカード等)なしに容易に接続できる。
・シンプル
・帯域がATMより大
・価格性能比がATMより大
・イーサネットやTCP/IPを知っていればトレーニング不要。
・"ATM is a WAN technology,not a LAN Technology."
ATMがQOSやネットワーク管理の機能が優れている、という主張に対し、それらは高くて狭い回線を使うWANでは必要だが、広い帯域をただで使えるLANでは大きな意味はない、という主張。大賛成したい主張です。

ATM派の主な論点は
・多くの実績がある確立された技術
・QOS、CBR/ABR等のトラヒックタイプによるきめ細かなトラヒック制御
・充実したネットワーク管理機能
・LANからWANまでATMで統一できスキル・セットとネットワーク・アーキテクチャの経験を最大限に有効活用できる。

GE派の「ATMはWANの技術だ」、「ATMのLANEやMPOAはイーサネットに比べて複雑だ」という主張はシンプルで説得力があります。私はネットワークの世界ではシンプルで実用性の高い技術が勝つと思っています。TCP/IPがOSIを駆逐したのが好例です。LANの高速バックボーンとしてはGEが勝利するのではないでしょうか。98年の市場予測でもLAN ATMは雨模様と予想されています。

ATMはATMメガリンクがそうであるようにWANでPVCベースで使うのは簡単です。フレームリレーが専用線の代わりに使われているように、ATMも高速専用線としてWANの世界ではどんどん広がるでしょう。


ホームページへ