記事評「98年米国ネットワーク市場動向」 97/12/13


Data Communications誌の97年12月号は例年のように来年の米国および世界のネットワーク市場の予測を特集しています。

○米国の市場予測の中のWANに関わるごく一部の数字を拾ったのが下表です。

98年の米国ネットワーク市場 単位:百万ドル
製品/サービス名96年売上97年売上97年成長率%98年売上98年成長率%
ATM交換機2574156161849
FR交換機628851361,03321
ルータ2,7633,095123,43611
製品トータル48,73055,7261466,28319
専用線サービス8,4239,7501610,70010
FRサービス1,1302,3301064,720103
ATMサービス63160154320100
インターネット1,0661,517423,087103
サービス・トータル12,50616,0112822,11938

○97年の製品(機器とソフト)の売上は55,726百万ドル、1ドル130円として約7兆2400億円です。1ドル100円の時は百万ドルを1億円と読みかえれば良かったのですが日本の国力の弱さが露呈し(?)円安になったので不便になりました。以下では単位はすべて「百万ドル」とします。「億円の3割まし」で頭の中で変換してください。

○サービスの売上は16,011、製品の約30%です。製品・サービスの合計は71,737、約9兆3000億円です。これと対比できる日本の数字があれば面白いのですが、NTTの平成8年度の売上が単独で6.3兆円、連結で8.8兆円であることを考えると、これに通信機器の売上や他の通信業者の売上を加えると米国をはるかに上回ることは容易に推測できます。GNPや人口、国土面積の格差を考えると日本のネットワーク市場のインフレぶりが分かります。

○と、先ず森を見てからこのページのメインテーマであるATM、フレームリレーを見てみましょう。フレームリレーの機器・サービス両面での躍進と、ATMの鋭い立ち上がりが見て取れます。

○フレームリレーは専用線からの移行が多いとのこと。ATMはデータと音声の統合、フレームリレーの高速バックボーンとして使われているようです。ルータは売上の絶対額はまだ大きいのですが成長率にはかげりが見えます。

○回線サービスではフレームリレーとATMが年率100%を超える成長を続けています。ただ、フレームリレーが97年で2,330、98年4,720に対し専用線は9,750、10,700。専用線は成長率は低いですが相変わらず回線サービスの王者なのですね。その理由は高速の回線が割安なためだ、と指摘されています。数年後にはフレームリレーの市場も成熟し専用線とバランスするのではないでしょうか。回線サービス全体が成長する中でフレームリレー、ATMの比重が現在より大きくなりますが専用線を駆逐するようには見えません。

○ということで、米国の動向を見る限りATM、フレームリレーは今後数年はWANの成長株であることは間違いないようです。

○上述のように日本はインフレです。日本のユーザーである我々は技術的には米国同様ATMやフレームリレーを使っていくにしても、安く使う工夫をせねばなりません。盲目的に電話は公衆電話網、LANは公衆フレームリレー、ホストのオンラインは専用線、といった使い方では通信業界への貢献にはなりますが、賢いユーザーとは言えません。

○マルチメディアを一つのネットワークに統合し、機器や回線を節減する工夫が必要です。

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