間違いだらけのネットワーク作り(2) 97/11/01
処理能力も分からないFRADやルータを買っていませんか?


○FRADやルータのカタログのスペックには、その装置のサポートできるインタフェースやプロトコル、回線の最大速度、端末回線の最大速度などが書かれています。

○これらのスペックの中でネットワークの設計上一番重要なのはパケット(FRADの場合はフレーム、ルータの場合はIPデータグラム)の処理能力、すなわち1秒間に何個のパケットを処理できるかを示すfps(frame per second)、pps(packet per second)です。

○この肝心の処理能力が明記されてない製品が世の中には多いのです。処理能力の表示はなく、回線の最大速度は2Mb/sと表記されていたりします。これを見たユーザは「ああ2Mb/sも速度があるなら拡張性は問題ないな、と「大きな勘違い」をするのです。

○「最大回線速度2Mb/s」の意味することは「2Mb/sの回線が接続できる」、という意味であって「2Mb/sの回線を使いきるだけの処理能力がある」ということではないのです。

○デジタル回線は上り方向、下り方向を同時に伝送できる全二重回線です。ですから256Kb/sの回線なら、上り256k・下り256kを同時に伝送できます。ある装置が回線の速度を充分使い切る処理能力を持つためには次式が成立せねばなりません。

装置の処理能力(pps or fps)×パケットの平均長(bit) >= 回線速度(bit/s)×2
*回線速度を2倍しているのは全二重のためです。

○ここで例題をしてみましょう。下図はFRAD(ルータや電話をフレームリレーで多重化する装置)でルータと電話を収容し、256Kの回線で外部と接続しています。このように音声をFRADで収容する場合、音声の遅延を少なくするためフレームの長さは短くなります。ここでは80バイトと仮定しましょう。

 

○すると、256Kの回線を使いきるために必要なFRADの処理能力は
(256Kb/s×2)÷(80バイト/フレーム×8bit)=800fps
つまり1秒間に800フレーム以上の処理能力がないと256Kの回線は使いきれないことになります。2Mb/sの回線だと単純にはこの8倍、6400fpsが必要ということになります。

○FRADの処理負荷は平均フレーム長が短いほど大きくなります。音声を収容する場合フレーム長は短くなりますが、回線速度によってフレーム長を自動的に調整するFRADもあります。装置のメーカーに平均フレーム長、処理能力を確認し、回線速度とバランスが取れているのか、処理能力から見て最大回線速度はどこまで意味があるのかチェックする必要があります。

○もう一つ別の話になりますが、上図のようにFRADにルータをフレームリレー・インターフェースで接続する場合、FRAD〜ルータ間のケーブルの物理速度は中継回線速度と同一にすべきです。かりに128Kで接続すると電話が使われておらず256kの回線を全てルータが使用できる時でも128K以上の速度では使えなくなるからです。

○ここではFRADを例に説明をしましたが、ルータも同様のチェックが必要です。安いだけで処理能力の表示もないルータを買うと、ちょっとクライアントの数が増えただけでハングアップやリセットという処理能力不足の症状が出ることがあります。

○特定の装置の処理能力や使用上の留意点について、このページに公開することは出来ませんがE−MAILでの質問にはお答えします。所属、電話番号を明記してお送りください。

ホームページへ