間違いだらけのネットワーク作り(1197)2022/1/29
ローカル5GとWi-Fi6の比較(1197)

先週土曜日の研究会には18名、懇親会には12名が参加しました。 「僕のスティーブ・ジョブス論」という森田英和さんの話がメインだったのですが、ジョブスやアップル社に関心を持つ人が多く、質問や意見がいろいろ出て盛り上がりました。 次回は2月19日に開催します。 講師とテーマは来週お知らせできる予定です。

ローカル5GとWi-Fi6の比較

私はキャリア5G推進派で、企業内5Gネットワークをキャリア5Gで構築することを実践しているし、推奨しています。 ローカル5G派でも、Wi-Fi6派でもないのですが、これらの比較表がテレコミュニケーション誌2月号の「ローカル5G超入門」という特集にのっていました。 つっこみどころの多い比較表なので題材にします。

それにしてもローカル5Gが制度化されて2年も経っているのに「ローカル5G超入門」などという啓蒙記事を書かなきゃいけないということが、ローカル5Gの普及が思うように進んでいないことを象徴しています。



この比較表は「ローカル5Gは高いけどWi-Fi6よりいいんだ」と言いたいのでしょうが、それはどうでしょうか。 赤字で追記したとおり、この表にかかれたローカル5Gの速度も、遅延時間も5Gの教科書に書いてある理論値であって、現実の数値からかけ離れています。

Sub6(4.7GHz帯)のローカル5Gの実効速度はWi-Fi6より遅く、遅延時間は同じくらいです。 ミリ波の実測値はデータがないのでなんとも言えません。 現在のローカル5Gの制度ではSub6は100MHz幅で使用でき、ミリ波は400MHz幅で使えます。 もし、製品が400MHz幅での利用が可能なものならSub6よりは速くなるでしょうが、10Gb/s出るとは思えません。

両者を比較して大きな違いがあるのはこの表にはない「接続性」です。 Wi-Fi6はスマートフォンでもパソコンでも簡単につながりますが、ローカル5Gにつながるスマートフォンなんてありません。 ローカル5Gの通信モジュールを備えたパソコンもほとんどないでしょう。 ネットワークはつながる端末がないと存在価値がありません。 接続性の低さがローカル5Gの最大の課題ではないでしょうか。

*ここに書いてあることで質問、ご意見などありましたら掲示板かメールでお知らせください。 

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