間違いだらけのネットワーク作り(1192)2021/12/18
5GがNSAからSAになると遅くなる理由(1192)

牧野フライス製作所のキャリア5Gを使った事業所内5Gネットワークが予定どおり12月10日に完成しました。 そのレポートを@ITに書きました。 20日に掲載されます。 ローカル5Gよりキャリア5Gの方が企業にとってメリットが多いことが具体的に分かります。 参考にしてください。

「ローカル5Gより速い! キャリア5Gによる事業所内ネットワークが稼働」

5GがNSAからSAになると遅くなる理由

よく知られているように5Gには初期形態のNSA(Non Stand Alone)と最終形のSA(Stand Alone)があります。 NSAは制御をつかさどるコア設備に4Gコアを使い、基地局だけ5Gの設備を使います。 なので、5Gの3つの特徴、超高速(実際は超じゃない)、超低遅延、多端末接続のうち、高速しか実現できません。

SAはコア設備、基地局、すべて5Gなので3つの特徴が実現できる、というのが教科書にかかれていることです。 すでにソフトバンク、ドコモがSAの商用サービスを開始しました。 ところが、SAになるとNSAより遅くなるのだそうです。 面白いですね。

真の5G「SA方式」の不都合な真実、当初遅くなるのはドコモだけ?

SAになるとNSAより遅くなる理由は簡単です。 NSAでは5Gの通信に5Gに割当てられた周波数帯に、4G等に割当てられた周波数帯を合わせて使う、CA(Carrier Aggregation)が可能なため、高速化が図れます。 ところが、SAだとCAが使えず、5Gの周波数帯だけで通信するため遅くなるのだそうです。

SAでもCAが可能なOption4という5Gの実装があるそうなのですが、現在のSAはOption2というCA不可の実装なのです。 なんだか、お粗末ですね。 誰だって5Gの最終形であるSAになれば、NSAより速くもなるし、ネットワークスライシング等のNSAでは出来ないことも可能になると期待します。

ローカル5G否定派、キャリア5G推しの私としては企業に対してしばらくはNSAを使い続けることを提案することになりそうです。

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