間違いだらけのネットワーク作り(1147)2021/02/06
NTTのIOWN構想(1147)

今週、仕事で一番時間をかけたのは「みまもり パペロ」の自治体との契約にかかわるものでした。 自治体は原則的に単年度契約なので、年度をまたいで継続する「みまもり パペロ」も毎年契約を締結し直す必要があります。 その中で運用等の見直しもあるので、来年度の運用等の内容を固めたあと、それを契約書に反映します。 新規に来年度からサービスを始める自治体もあります。 契約書は法務担当が作ってくれるのですが、条文というのは独特の言い回しがあって、くどいなあ、と感じることが多いです。 何回やっても契約書のレビューは面白いとは思えません。 でも、修正点を指摘するのはけっこう得意です。

第62回情報化研究会・第10回打倒!コロナ研究会

NTTのIOWN構想

毎週、ICTのニュースをチェックしているのに、NTTのIOWNを知りませんでした。 読み方も分からない。 アイオンだそうです。

参加企業に温度差、NTTの大胆すぎるIOWN構想

IOWN構想の意味はNTT研究所のWebサイトで解説されています。

IOWNとは

"IOWN(Innovative Optical and Wireless Network)構想とは、あらゆる情報を基に個と全体との最適化を図り、多様性を受容できる豊かな社会を創るため、光を中心とした革新的技術を活用し、これまでのインフラの限界を超えた高速大容量通信ならびに膨大な計算リソース等を提供可能な、端末を含むネットワーク・情報処理基盤の構想です。2024年の仕様確定、2030年の実現をめざして、研究開発を始めています。" IOWNのイメージが下図です。



図の左下に「光電融合」という言葉がありますが、NTTはこの技術が進んでいるようです。 コンピュータ内の情報処理を電気信号でなく、光のまま行うことで高速化できエネルギー効率も高められるとのこと。

未来的な図ですが、一番下に「公衆網」と「プライベート網」という言葉があって、この概念だけは古いままなのだとおかしくなりました。 TCP/IPを使わず超高速高効率な伝送を可能にするそうです。 TCP/IPを使わないとインターネットとの関係はどうなるのでしょう?

2008年にサービス開始したNGNもインターネットなんていらない、というようなサービスでした。しかし、NGNで使い物になったのはフレッツ光 ネクストだけで、しかもインターネットの足回りが主な用途です。 サービスはインターネットで、足回りはNGN。

IOWNがいかに技術的に優れていても、その中で使えるサービスがなければ存在意義はありません。 そのサービス、どうやって実現するのでしょう? インターネットで使っているサービスがそのまま使えなければユーザーはつかないでしょう。 インターネットとの関係をどうするのか、が書かれていないIOWN構想は絵に書いたモチで終わるのではないでしょうか?

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