明けましておめでとうございます。 今年が情報通信に携わるすべての人にとって幸多い年であることを祈ります。
冒頭の写真は元旦に愛媛県西条市で3万世帯あまりに配られた新聞広告です。 ご高齢者の家に帰省している家族に読んでもらうのがねらいです。 ロボット見守りサービスを申込むのは高齢者ではなく家族なので、家族にサービスの存在とそのメリットを知ってもらうためにこの広告を打ったのです。 果たしてどの程度の効果があるか楽しみです。
2020年版・企業ネットワークとITの動向
毎年作っているトレンド図の2020年版です。 年の始めにこれからの企業ネットワークやIT活用がどうなり、自分は何を提案し実現するか、考えるのは20数年続く習慣になっています。 予想がすべて当たっていなくても、自分自身の展望とアイデアを持つことが大事だと思っています。 どこかの権威ある人が言うからこうなるのだろう、とか、ローカル5Gが流行りだからやってみよう、と考える人たちは「他人主義」、自分で独自性のあるアイデアを持ち行動を起こすのが「自分主義」。 他人主義はツマラナイですね、と余計なことを書いておきます。
赤字で書いてあるところがポイントなので、それを解説します。
'豊かさ'を実現するICT活用の進展
企業ネットワークも一般的なITも、これまでの目的は経済性の追及がほとんどでした。 コスト削減、生産性向上、売上拡大、といった目標です。 しかし、ICTの目的は大きく広がり、経済性以外の’豊かさ’の実現が目的になっています。 ロボット見守りサービスがその典型で、経済的な目的はなく、高齢者の孤独感を癒したり、コミュニケーションの楽しさや家族に見守られる安心感を提供するのが目的です。 企業におけるICT活用も単純に経済計算ができる用途ではなく、働きやすい環境を整え、社員満足度を高める用途が増えています。
5G商用サービス開始
3月にKDDIが5Gのサービスを開始します。 ソフトバンクとドコモは「3月頃」とか「春」とかサービス開始時期をあいまいにしか発表していません。 どうしてでしょうね。 @ITのコラム、 「5Gのメリットは「シンプルな使い方」で引き出そう! 」に書いたように、5Gは携帯各社が実験している遠隔医療や遠隔建機操作といった凝った用途でなく、「超高速なモバイル回線」ととらえれば企業ネットワークで簡単に活用できます。 全国で使えるようになるには時間がかかるし、5Gに対応したルータなどの通信機器や端末が出揃うにも時間がかかるので、企業ネットワークで本格的に使えるのは来年になると思います。
5Gインドアソリューション
4Gで使用する電波の周波数帯が800MHz、1.7GHz、2GHzなどがメインであるのに対し、5Gは3.7GHz、4.5GHz、28GHzと2倍から10数倍、周波数が高くなります。 建物への浸透率が4Gに比べて低くなり、5Gの電波が工場やビルの内部にくまなく届くことは期待できません。 携帯事業者が建物内部に基地局を打つ、5Gインドアソリューションが不可欠なのです。 インドアソリューションは4Gでも使われていますが、5Gではより重要になります。
電波の届かない工場内に高い設備投資をし、有料の電波を使ってローカル5Gを構築するより、携帯事業者にインドアソリューションを導入してもらう方がよほど簡単で、おそらくコスト的にも安くなると思います。 安易にローカル5Gの導入を進めるのではなく、5Gインドアソリューションの採用も検討すべきです。
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