間違いだらけのネットワーク作り(929)2016/07/02
記事評「使えるSDN」

   何のイベントもない週末は3週間ぶりで、久しぶりにゆっくり休んでいます。 火曜日にひいきにしている書店の文芸書売り場に立ち寄ると、漱石生誕150年、没後100年のコーナーが作られていました。 亡くなったのは1916年なのでちょうど100年ですが、生まれたのは1867年なので正確には生誕149年です。 漱石や子規のファンなので「エンサイクロペディア夏目漱石」という本を買いました。 35歳で亡くなった子規と比べれば49歳まで生きた漱石はやや長命ですが、それでも早世です。 漱石が書いた書簡を読むと情熱家であり、負けず嫌いであることが分かります。 しかし、その精神を支える肉体、とりわけ胃は丈夫ではなかったようで命取りになってしまいました。

 漱石が批評家に作品をけなされた森田草平という弟子に送った手紙にこんな文章があります。
「他人は決して己以上遥かに卓絶したものではない又決して己以下に遥かに劣ったものではない。 特別の理由がない人には僕は此心で対して居る。 夫で一向差支はあるまいと思ふ。 君弱いことを云ってはいけない。 僕も弱い男だが弱いなりに死ぬ迄やるのである。 やりたくなくつたつてやらなければならん。 君も其通りである。」

 この強烈な文章が気に入っています。

記事評「使えるSDN」

 この4月から数年ぶりに日経NETWORKの購読を始めました。 この雑誌は新しい技術を分かり易く解説しているのがいいところです。 SDNはもはや新しい技術でもないのですが、7月号では「使えるSDN」という特集で最新の動向を技術解説とともに紹介しています。パート1は企業LANで増えているSDNとその狙い、パート2は簡単な実験によるSDNの動作原理の解説、パート3はSD-WANの紹介です。

 パート1ではNECにおけるSDNの導入実績が目を引きます。 製品の出荷開始は2011年3月。 それから「2014年までの累計ユーザー数は約200。 しかし、2014年から15年までの1年間で約50ユーザー増え、さらに15年から16年までの1年間で約350ユーザー増えて、累計約600ユーザー。」と書いてあります。 14年から15年だと2年じゃないか、15年から16年までって16年は終わってないじゃないか、分かりにくいなあ、と思うのですが、まあ、SDNの導入に加速度がついていることだけは確かなようです。 

 パート1ではSDNで何ができるか、どんなメリットがあるかが書かれていますが、仕組みの説明はありません。 品川区役所がSDNでLANをシンプル化した事例は写真に説得力があります。



パート2ではLinuxベースの安価なコンピュータ、Raspberry Pi(ラズパイ)にフリーのSDNソフトをインストールしてOpenFlowの原理を解説しています。 「こんな感じ」というのがつかめますが、商用のSDNとのギャップは大きいので、電話の仕組みを糸電話で説明しているようなものです。  

 

SDN、OpenFlowの本質を分かり易く説明するのは難しくないと思うのですが、私もいまだに「文学的に理解」できていません。 あと一歩という感じです。 この特集はパート1に一番価値がありました。 何が出来て、どんなメリットがあるか知ることが文学的理解の第一歩です。

 
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