間違いだらけのネットワーク作り(829)2014/05/03
記事評「ケータイ料金を破壊する格安SIM」

 
連休前半は例年どおり帰省して、近場を旅行しました。 今年は高知の室戸岬。  降水確率100%の予報だったのですが、室戸岬に滞在し た2時間あまりは日射しがありました。 室戸岬の海岸は巨大な岩が林立していて、そこに太平洋らしい大きな波が打ち寄せています。 サンゴが海底から打ち 上げられ、長い年月のうちに角が取れて丸味をおびた白い石のようになって散らばっているのがきれいでした。  山が海岸にせまり、あちこちで鶯(うぐい す)が鳴いていました。 もうすっかり鳴き方が上手になっており、春が長けたことを感じさせました。




 
記事評「ケータイ料金を破壊する格安SIM」(日経コミュニケーショ ン5月号)

 
 MVNOが提供する格安SIMの制度的仕組み、技術的仕組み、今後の課題が分かりやすくまとめられた特集です。  MVNO とMNOの間の契約には相互接続契約と卸売契約があり、現在は日本通信とドコモの間が相互接続契約である以外は、卸売型とのこと。 MVNOが契約形態や 接続形態を選択する上で判断基準となるのは、自社のサービスに独自性や柔軟性を持たせやすいかどうか、コストがどうか、ということです。  契約形態では 相互接続と卸売りとで大きな差はないので、ほとんどのMVNOが卸売を選択しているようです。

 接続形態にはレイヤー2接続とレイヤー3接続があり、MVNO側でセッション管理やIPアドレスの払い出しができるレイヤー2型の方がサービス設計の自 由度があるため、選択するMVNOが多いとのこと。 課金形態は回線単位課金と帯域幅課金があり、MNOとの差別化がしやすい帯域幅課金が主流。

 MVNOのほとんどはドコモを使っており、「卸、レイヤー2、帯域幅課金」です。 ドコモが使われている理由は簡単で、帯域幅課金がMNOの中で最安で あるため。 ちなみに、10Mの料金はドコモが123万円/月であるのに対し、KDDIは275万円、ソフバンは352万円。  KDDIやソフバンの価 格設定は「儲けにならないMVNOへの卸売りはやらない」と宣言しているのと同じですね。

 大手MNO3社のケータイ料金が月間データ転送量7Gまでで6000円程度で横並びなのに対して、MVNOはライトユーザーにとって魅力のある1Gまで で900円といった格安プランを出して加入数を伸ばしています。 早晩、大手も料金プランを多様化させて追随するでしょう。  これからのMVNOに求め られるのはただ安いだけでなく、MNOには出来ないサービスを作ることです。

 その一例としてユーザーの利用する場所に応じて、最適・最安なMNOを割り当ててサービスする、というアイデアが紹介されていました。 1枚のSIMで 複数のMNOを使い分けられる、というのは痛快ですね。 これを実現するにはMNOから、ユーザー管理機能の開放を受ける必要があります。 やすやすと MNOが応じるとは思えませんが、今後、MVNOによって、モバイル全体の料金プランの適正化や、新しいサービスの開発が刺激されるのは間違いないことで す。

 これまでMNOを中心に使ってきた企業も、MVNOを含む多くの選択肢から、自社にあったサービスの組み合わせを考えることが重要なテーマになりまし た。

 

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