間違いだらけのネットワーク作り(785)2013/05/25
「イーサネットの誕生日」(記事評「イーサネット40年の技術」日経 NETWORK2013.5)

 前々から幸田文さんの文章を読んでみたいと思っていたのですが、先週初めて「雀の手帖」という随筆集を読みました。  男の書いたものの ように強くて、さっぱりしていてテンポの良い文章です。 聞いたこと、見たこと、自ら体験したことを出発点にして独特の感性で感じとったこと、考えたこと を特徴のある文章で書いています。 見開き2ページ、1500字ほどが一編で、100の作品が新潮文庫一冊に収められています。 もともとは1959年に 西日本新聞で100日連続で掲載されたものだそうです。 
 1回目の題は「初日」で、こんな文章で始まっています。 「はじめての欄へ書こうとするときは、多少なりともいつもよりも見よくしたいという気がはたら くので、鉛筆の先へいろけが集まったようになって、まことに困るのである。 このよくしたさから転じて生じてくるいろけなどは、書くという本家本元のこ とにとって、まったく有害無益な邪魔ものである。 いろけがちらちらしていたのでは鉛筆は動かない。」 
 父、幸田露伴が亡くなった年、43歳で文章を書きはじめ、12年たった55歳のときでもこんなふうに思いながら作文していたのですね。 幸田さんは文章 を書くことを「作文」と呼んでいます。 この本を読むと作文のとっかかりをどこに求めればいいか、その核心をどう創るのか、ちょっと分かったような気にさ せられます。

 27日(月)にITproの新しいコラム、「使い こなし」が進むOpenFlowが掲載されます。  銀行や大学病院など用途が広がっているOpenFlowの「使いこなし」のポイントが分かり ます。

「イーサネットの誕生日」

 
3週連続で日経NETWORK5月号のネタです。 「イーサネット40年の技術」という壮大な題ですが、10ページの小特集です。 この 作文の核心は冒頭の「2013年5月13日はイーサネットの40回目の誕生日である。1973年のこの日、発明者のボブ・メトカフ博士が、開発中だった LAN技術を「エーテル(Ether)」にちなんで「イーサネット」と名付け、米ゼロックスのパロアルト研究所の同僚にメモを配ったからだ。」という文章 です。 ここで、へえー。 IEEEで規格化されたのが10年後の1983年。

 この後にイーサネットの簡単な技術の推移、100GbEの仕組みの解説があり、今年1月から企業向けインターネットサービスで100GbEを運用してい るNTTコミュニケーションズの人が書いた運用上の留意点が載っています。 この部分でちょっとへえ、と思ったのは著者の一人が名著「インターネットルー ティング入門」の著者、友近氏であったことです。 12年前に出版された本です。 名前を見れば本を思い出す、というくらいよく書けた本でした。 

 このように、まったく技術に言及しない感想文というのもときにはあり、ということで書いてみました。
 

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