間違いだらけのネットワーク作り(740)2012/06/02
記事評「電話番号が消える日」

 
今週、水曜日にNEC本社・多目的ホールでICTイノベーションセミナーが開催されました。  私がNECに入社した09年から始まって 今年で4回目です。  今年のメイン・テーマはOpenFlowと脱・Cisco、ツル ハ・モデルでした。 研究会の常連の方も来てくれていました。  ありがとうございます。
 アンケートを見るとOpenFlowが目的で来た人と、ツルハ・モデルが狙いで来た人が相半ばのようでした。 金曜日にはセミナーに参加した方が、さっ そく意見交換のため来社してくれました。
 話はまったく変わります。 昨日、週末に読むための本を買いました。 田中慎弥さんの「これからもそうだ。」というエッセイ集です。  田中さんは今年 1月に「共喰い」という作品で芥川賞を受賞した作家で、「貰ってやる」といったユニークな発言で話題になりました。   面白そうなキャラへの興味で受賞 作を読みましたが、残念ながら私にはその良さが理解出来ませんでした。 でも、受賞作と一緒におさめられていた「第三紀層の魚」は分かりやすい作品でし た。  現代の作家でとてもユニークだと思っていたのは直木賞作家の車谷長吉(くるまたにちょうきつ)さんなのですが、田中さんの登場で芥川賞作家にも奇 人が登場した感じです。  ただ、車谷さんが大学卒業後、広告代理店から始まって下足番にいたるまで職業と働く場所を転々として長い社会経験をしたのに対 し、田 中さんは高校卒業後、一切職業につかず自宅にこもって小説を書き続けているという正反対の経歴です。 作家としてデビュー出来たのが高校卒業から15年後 の2005年。  2007年に初めて芥川賞候補になり、今年5回目の候補作で受賞。  作家を志してから22年です。 すごい人ですね。
   



記事評「電話番号が消える日」

  YahooNewsにはネットワーク関係の面白い記事がときどき掲載されます。  電 話番号が消える日もその一つです。  電話番号ではない何かで相手を特定して電話をかけるというのは10年以上前のSIPベースのIP電話のとき から出来たことです。  それがスマホでいとも簡単にアプリの開発と配布が出来るようになったので、一気に花開いたということでしょう。 インターネット が100年を超える歴史を持つ電話網に取って代わろうとしている、ということでもあります。 止まらない流れですね。 

 以前、ここに書いたように私はLINEを愛用していますが、通話ではなくもっぱら家族とのチャットです。 昨年6月からサービスされたLINEは現在、 世界で3500万人、日本で1600万人、のユーザーがおり、年内には1億人をめざすそうです。 ドコモより利用者が多くなる、ということですね。 こう いう勢いのあるモデルをドコモやKDDIは作れないのでしょうか?

 この記事で興味を引かれたのは電話より、プラットフォーマーについての記述です。

引用
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”アップル、グーグル、アマゾン、フェイスブック…。携帯電話に限らずパソコンやタブレット端末、それらを動かす基本ソフト、音楽や映像コンテンツ、電子 商取引、クラウドサービス、交流サイトまで、われわれの日常生活に深く入り込んでいる機器やサービスは、ひと握りの企業により提供されている。各社は基本 ソフトなどのルールを統一し、インターネット上にコンテンツの流通の場を設けて利用者を囲い込む。

 こうした共通の場や枠組みはインターネットの用語で「プラットフォーム」と呼ばれ、場を総合的に支配する企業などを「プラットフォーマー」と呼ぶ。

 例えばドコモは日本国内でiモードというプラットフォームを築いたプラットフォーマーといえる。前田さんは「今後はグーグルさんなど他のプレーヤーとの 非常に微妙なバランスの中で頑張っていくしかない。土管屋にはならないし、なりたくない」と語る。

 auのKDDIは「われわれは高付加価値の土管屋になる」と宣言した。わが国を代表する携帯会社がそろって「土管屋」という言葉を口にする。アップルか グーグルのプラットフォームの軍門へ下ることで、単に通信回線を提供するだけの「ダムパイプ(物言えぬ土管)」へ成り下がる危機感を表した言葉という。

 一方で、無料通話アプリのラインを開発したNHNジャパンの舛田さんは「プラットフォーマーになることは強く意識している。ルールが大きく変わっている 現在は10年に1度の好機であり、ここで勝負しないのはあり得ない」と話す。”
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 ドコモは土管屋でなくプラットフォーマーになること、KDDIは高付加価値の土管屋(意味不明ですが)になること、ソフトバンクはAppleの下で土管 屋に徹すること、が戦略のようです。 ドコモには是非、プラットフォーマーとして成功して欲しいですが、ドコモの加入者だけ、日本人を相手にしただけのプ ラットフォーマーでAppleやGoogleに勝てるとは思えません。 ケータイ端末がそうであったように、プラットフォームというサービスもグローバル に成功しないと生き残れないでしょう。  LINEはすでにグローバルなユーザーを取り込んでいる。

 それが出来るのは「自社携帯網」などというものを持っておらず、インターネットをベースにしているからです。  ドコモがプラットフォーマーを目指すな ら、KDDIのユーザーでも、ベライゾンのユーザーでも使えるプラットフォームであるべきです。



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