間違いだらけのネットワーク作り(737)2012/05/05
記事評「ソーシャル・イントラ活用の研究」

 
長い連休も明日で終わり。  家に帰っていた息子たちも自宅に戻り、いつもの土曜日になりました。  子供の日という祭日ですが、こうし て机に向かってキーボードをたたいていると、ふだんどおりの土曜日の感じです。 ふだんどおり、はやはり心地いいものです。  この連休は1600字ほど の原稿を1本書き、本を読み、ときどき散歩、という感じでほとんど引きこもり状態でした。  一つの発見は香川照之という俳優の書いた本が面白いこと。  AZUREというANAの雑誌の中で、香川照之ファンの嫁さんが見つけた「日本魅録」という本です。 映画の現場での体験を、ちょっとオーバーアクション 気味の文体でとても興味深く書いています。  監督や俳優の魅力的な個性を描いたり、演技を分析したり、その着眼点と表現力に驚かされます。 
 役者としての香川照之のファンではないのですが、お気に入りの作家になりました。


記事評「ソーシャル・イントラ活用の研究」

 時間が山ほどあるし、日経コミュニケーションでもじっくり読もう、と5月号を手に取りました。 特集は「ソーシャル・イントラ活用の研究」。 ソーシャ ルウェアのイントラ版をソーシャル・イントラと呼んでいます。 その中でもこの記事でのお勧めはFacebookのような「タイムライン型のソーシャル ウェア」のようです。  組織の壁や距離を超えた共同作業、チーム力アップ、BCP強化といった目的のために有効とのこと。

 10年近く前に「社内SNS」というのが流行しました。  何の役に立つかは分からないけど、個人が社内にブログを立て情報交換等に役立てようというも のでした。  私も使っては見ましたが、書かれている情報のほとんどはツマラナイおよそ仕事の役に立つとは思えないヒマつぶしの産物でした。 実際、そこ から何かのビジネスの成功に結び付いたという話も聞いたことがありません。

 この社内SNSと、この特集のソーシャル・イントラは何が違うのでしょう。 機能の違い、でしょうか? それも多少はあるでしょうが、20年近く前から ある「掲示板」だって書き込みが時系列に表示される立派なタイムラインです。  

 この記事によるとソーシャル・イントラ活用のポイントは、「目的を明確にする」、「使わせる/使わせないルールを設ける」、「スモールスタートする」、 「先導チームを作り定着に向けた施策を打つ」、「IT部門は主導しない」こととしています。

 「目的を明確にする」は大いに同感で、これは何もソーシャル・イントラに限ったことではなく、ネットワークやシステムの構築においても一番重要なことで す。 社内SNSのように「何の役に立つかは分からないけど」では話になりません。  これがソーシャル・イントラとかつての社内SNSの一番大きな違い かも知れません。 しかしながら、「目的を明確にする」ことと、「スモールスタートする」や「定着に向けた施策を打つ」はやや矛盾します。

 スモールスタートする、ということはその後で全社的に広める、が続くのでしょう。  先導チームが定着に向けた施策を打つのも、社内に広く使わせるため でしょう。  しかし、これは間違っていると思います。 ソーシャル・イントラを使う「目的」を明確に出来る仕事が、会社の仕事の大部分を占めているとは 思えません。

 私はつねに「プロジェクト」で仕事をします。 プロジェクトには会社やオフィスの異なる4〜5つの部署が参加します。  「提案から設計・構築までプロ ジェクトを効率的に進める」という目的のために使っているツールは、「共有フォルダ」、「メーリングリスト」、「電話会議」です。  提案書、見積もり、 設計書、議事録、など共有すべき情報はアクセス権限を制限したフォルダで共有する。  メーリングリストで周知や連絡をする。  共有フォルダの資料を見 ながら、複数の場所を結んで電話会議をする。  とても、効率的にプロジェクトが推進出来ていると思っています。

 これらのツールにソーシャル・イントラを加えると、さらにどんな効果が得られるでしょう。 タイムラインにイベントやちょっとした相談を書きこむこと で、プロジェクトのリアルな状況を把握したり、問題解決に多少は役立つかも知れません。  でも、驚くほどの効果があるとは思えません。


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