間違いだらけのネットワーク作り(735)2012/04/21
講演評「2012年−いよいよLTEが本格化」

 昨夜のNHKニュース9で、SONYの平井社長への インタビューが放映されました。 SONYがメーカーではなく、いつの間にか銀行になっていたのに驚きました。  金融で800憶円を超える利益を出して いるのに対し、旧本業のエレクトロニクスは1500億円以上の赤字なのです。 社長の話は会社の方針は自分が決める的な当たり前のマクロな話が多く、肝心 な「昔のSONYらしい製品を開発する力」をどう復活させるか、という話はありませんでした。 製品の企画・開発力は人数や組織運営のあり方で決まるもの ではない、と思うのですが製品を作ったことのない社長に開発力をよみがえらせることが出来るのでしょうか。

 
23日(月)にITproの新しいコラム、「Android ウォークマンは電話機になるか?」が掲載されます。 京都研究会の集合写真もあります。 

講演評「2012年−いよいよLTEが本格化

 今週は4月7日に開催した京都研究会の講演紹介の2回目です。  講師はモルガン・スタンレーMUFG証券 情報通信産業セクター アナリストの津坂  徹郎さんです。  津坂さんは10年以上前からの研究会員で、情報通信分野のアナリスト人気番付で3位以内に入る人です。

 講演は津坂さんが2月にまとめたレポートに沿ったものでした。 その要点をピックアップします。

@なぜLTEが必要なのか? −急増するモバイルデータ通信量をさばくための、現時点で最良の技術的解決策だから。  3Gに対して3倍程度、周波数帯域 を有効に使うことが出来る。
つまり、モバイル・キャリアにとってLTEの目的は高速が要求されるアプリを実現することではなく、限りのある周波数帯域でより多くのトラフィックをさば くこと。

ALTE(4G)への移行はどこで起こっている? −グローバルで移行が始まっている。 2月時点で、34カ国、57事業者。 ドコモは北欧や米国より遅 れて始めた。 重要なことは3Gまではバラバラだった通信規格が4Gでは世界でLTEに統一されること。 これにより、開発のスピードが増しハードウェア 等のコスト低下が進んでいる。 例えば、基地局のコストは3Gに対し、30−40%下落する。

Bどのようなネットワークになるか?−LTE対応無線システム(基地局eNodeB)、LTE向けIPコアネットワーク(EPC)、3G/4Gハイブリッ ドバックホール、コンテンツ/アプリケーションデリバリーネットワークから構成される。  



C通信事業者に優劣があるのか?− グローバル周波数の保有とグローバル端末確保の取り組みが進んでいるほど有利。 グローバルな人気端末、 iPhone、iPadが使えるためには、LTE周波数がグローバル周波数(日本独自でなく、世界でLTEに割り当てると決められた周波数)に対応してい ることが重要。 もっとも多くグローバル周波数を保有しているドコモが周波数では有利だが、人気端末を持っていないのが不利。  

DLTEのアプリケーションは?−低遅延、常時接続、広帯域を生かしたアプリ、すなわちVoIP、シンクライアント、クラウド系サービス(ストレージ等の 快適な利用)、など。

  LTEの後にはLTE−Advancedが来て、さらに周波数利用効率の向上と1−3Gbpsの高速化が図られるそうです。 日本では2015年から 20年にかけてLTE−Advanced向けに1300MHzの周波数が割り当てられるとのこと。  これから10年近く、モバイルの世界は発展が約束さ れているようですね。  我々ユーザーはこれをどう生かして行くかが課題です。


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