間違いだらけのネットワーク作り(720)2012/01/07
「2012年の企業ネットワーク」

  謹賀新年
 

  今年がICTに関わるすべての人にとって、幸多き年であるよう祈ります。

  昨年は実り多い年で、満足感を持って仕事納めをすることが出来ました。  1年を振り返って一番印象に残っている言葉は畏友からもらったメールにあっ た「出来ることを一つ一つ、誠実にやることが世の中に対する恩返し」というものです。  素直にそうだなあと納得してしまいました。 もう一つ記憶に残っ たのは仕事納めの12月28日に大手通信事業者の役員の方からもらった電話です。  突然でびっくりしたのですが、励みになりました。

  29日、30日は自宅で大掃除。  まず自分の部屋を半年ぶりに掃除しました。  きれいになると部屋が広く感じられ、机上をきれいにふくと勉強した くなります。  勉強はしませんでしたが、夜中の1時すぎまで本を読みました。  写真がいつもこのページを書いている机とパソコンです。  日経 NETWORKが置いてありますが定期購読しているのではなく、OpenFlowの解説があったので買ったものです。




2012 年1月25日講演「次 世代WAN、スマートデバイス(iPad等)による企業ネットワークの革新」(JUAS:日本情報システムユーザー協会主催)


「2012年の企業ネットワーク」


   久しぶりに通信事業者各社のアニュアル・レポートに眼を通しました。  少しは将来を予想するための情報があるかと思ったからです。  NTTは2008 年に発表した中期計画で「サービス創造グループ」を戦略にかかげ、ブロードバンド、上位レイヤサービス、ボーダレスに重点を置いています。  KDDIは マルチユース、マルチネットワーク、マルチデバイスの3M戦略でユーザーとの接点を拡大する戦略。  ソフトバンクは電話会社からインターネット企業へ。   ずっと以前からそうですが、ソフトバンクは面白いアニュアル・レポートを書くのが上手です。 言いたいことを絞り込んでいること、自慢できるポイント の強調がうまい、メッセージがシンプル、といったところが面白い理由です。 しかし、3、4年前はもっと面白かった。  「ネットワークなんて自社のもの を使わなくてもいい。 コンテンツとサービスに注力するのだ」というのが4年ほど前のレポートの基調でした。 今はiPhoneで成功しすぎて、単調に なっている気がします。
 (ソフトバンクのアニュアル・レポートが面白い=ソフトバンクが好き、ということではまったくないので誤解のないようにお願いします。)

 
通信事業者が何をどう考えようが、ネットワークの世界を動かすのはユーザーです。  ユーザーが必要としないものは伸びない。  ユー ザーが必要とするもの、有用なものは通信事業者の予想を超えて使われて、トラブルまで起こしてしまう。 必要とされてないものの典型はNGNでしょうか。   フレッツ光ネクストは有用ですが、NGNはただの回線サービスではなかったはずです。 有用なものの代表は言うまでもなくスマートフォンです。  

 ということで、キャリアのアニュアル・レポートを見ても将来は見えませんでした。  なので、私の考える2012年の企業ネットワークのポイントを5つ 挙げます。 今年もスマートデバイスを軸に変化が進むことは間違いありません。  変化について行くのではなく、変化をひき起こす立場で仕事をしたいもの です。

○引き続きスマートフォン、スマートデバイスが台風の眼

  
これからも1年くらいはスマートデバイスの急拡大が続きそうです。  これまではコンシューマー中心の普及でしたが、法人での利用がそ ろそろ本格化するでしょう。  私は今年もiPadアプリに注力するつもりですが、Androidタブレットにも優れたものが出てきました。   Windows7を載せたスレートPCは使う気になりませんが、Windows8になったら選択肢になるかも知れません。  タブレットは顧客接点での業 務や現場などPCではカバーが難しかった新しい用途を生むと同時に、PCの置き換えも進むでしょう。

○ワイヤレス・ブロードバンドが100M時代に

  
ドコモは2012年度に下り100M、上り37.5Mのサービスを開始。 それに先立ってイー・アクセスはこの3月から下り75M、上 り25MのLTEを開始。  KDDIは12月から75MのLTEを開始。 ソフトバンクは時期を明瞭にしていませんが、ドコモと同じFD-LTE (Frequency Division duplex LTE)なのか、China Mobileが採用するTD-LTE(Time Division duplex Long Term Evolution)に注力するのか、まだ分からないようです。  KDDIの子会社UQコミュニケーションズは2012年にも、WiMAX2で下り 165Mのサービスを始めるようです。 

  単にモバイルが高速で出来る、というだけではない思いがけない変化を企業ネットワークにもたらすでしょうし、そういう提案をして行きたいと思っていま す。

○スマホのトラフィックが企業ネットワークも変える−「ツルハ・モデル」がその典型

 スマホのトラフィック爆発は携帯事業者にホットスポットを使った、トラフィックのオフロードを推進させることになりました。  ホットスポットと企業 ネットワークでネットワークをシェアするのが「ツルハ・モデル」です。 日経コミュニケーション1月号に「公衆無線LANを活用する『ツルハ・モデル』と は」というテーマでコラムを書いていますので、お読みください。 「変化をひき起こす」一例です。
  
○進む「電話のアプリ化」

 
スマホにアプリを載せるだけで、電話が無料でかけられる。 そんなアプリが次々と現れています。  NTTコミュニケーションズの 050Plusのように、ちゃんとした通信事業者が、ちゃんとした電話番号で使えるアプリの提供も始めました。   電話は1世紀以上にわたって、通信の 主役、ネットワークの主役であったのですが、スマホの上にあるアプリの一つに過ぎなくなりました。 「電話網」というもの、「電話サービス」というものの あり方が大きく変化しています。  これからはビデオやデータを併用したサービスも広がり、企業での利用も進むでしょう。

○OpenFlowが離陸

 
仮想化するのが当たり前になったサーバに対して、物理的な設定が不可欠なままのネットワークはシステム全体の運用性・拡張性を妨げる元凶 になっています。 ネットワークを仮想化し、それを解決するのがOpenFlowです。 高価な大型スイッチを使わなくても大規模なデータセンター内ネッ トワークが作れるのも大きなメリットです。 昨年の夏くらいから立ち上がり始めたOpenFlowは、今年離陸期を迎えるでしょう。
 


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