間違いだらけのネットワーク作り(700)2011/08/06
「スマホとFMC」

  このコラム、700回目を迎えました。  1997年9月から700週、14年続けたことになります。  97年当時はATMや VoFR(Voice over FrameRelay)の話題をよく書きました。  大規模なネットワークで電話音声をフレームやパケットで扱う事例は おそらく、初めてだったと思います。  96年に大手メーカー、97年には銀行でVoFRを稼働させました。  銀行では64K、128Kといった今では 考えられない細い回線に、データ系のシリアルインタフェースの端末とLAN、内線電話2、3チャネルを多重化して使っていました。  低速回線での音声品 質を保つために様々な工夫が必要で、そのノウハウの一部をこのHPで紹介していました。  音声を主たるテーマとした本も、97年、2000年、2003 年と3冊書きました。  「データ・音声統合」というテーマでかなりの期間、仕事をしたということです。

 HPへのアクセスがピークだったのは、「広域イーサネット vs IP−VPN」というテーマで「広域イーサの方がIP−VPNより優れている」という 主張をし、実際に大規模ネットワークをルータを使わず広域イーサとスイッチだけで構築した2000年から2001年、東京ガスのIP電話を手掛けた 2002年から2004年頃です。  現在は3-4割減少しています。  書店に行って書棚を眺めると分かりますが、ネットワーク関係の書籍の数も 2000年代初めと比べると激減しています。  ネットワークの新しい話題が減っているのですね。

 とはいうものの、ネットワークの第一線でお客様と接する仕事をしていると、新しいアイデアがわいて来ます。  「こんなアイデアのネットワークが作れる のか」と皆さんに参考にしてもらえるような仕事を実践し、少しでもネットワーク業界の盛り上げに貢献したいと思っています。  

 毎年、春は京都、秋または冬に東京で研究会を開催していますが、今年は700回突破記念として東京での研究会を10月に開催します。 詳細は今月中にお 知らせします。

「スマホとFMC」

 
最近、スマホを無線LANでPBXの端末として使うソリューションが色んなベンダーから登場しています。  今週はiPhoneや Android端末をNTT東西の光電話の子機として使えるソリューションを紹介してもらいました。 外出先では3Gで通話し、自宅に帰ると固定電話の子 機として使えるのです。  3Gと無線LANの切替は自動なので、わずらわしさはありません。  一番の売りはケータイの電話帳から発信できること、二番 目は通話先によっては3Gより料金が安くなることです。

 電話番号は電話の使い勝手を左右する大きな要因です。  通話相手の11桁の携帯番号を記憶している人は稀でしょう。  電話帳や履歴から発信するのが ほとんどです。  スマホが固定電話の子機になり、電話帳から発信できるのはかける側は便利ですが、相手はどうなるでしょう。  家庭の電話が非通知設定 だと、着信した相手のケータイは着信拒否かも知れないし、着信しても誰からの電話かは分かりません。  186をダイヤルした後に電話帳の番号を入れるこ とが出来るかどうか知りませんが、仮に通知できたとしても、通知されるのは固定電話の番号であって、ケータイの番号ではありません。  相手の電話帳に ケータイと固定の両方が登録されていれば、発信者の名前を表示できますが、ケータイしか登録されてなければ番号が表示されるだけです。  着信側のことを 考えると、電話帳で発信できるメリットはあまりないと思います。

 スマホを固定電話回線で便利に使えるようにするには、キャリアに「本当の意味でのFMC」をやって貰うしかありません。  スマホが固定電話回線で発信 した場合でも、相手にはケータイの電話番号を通知する、ということです。  逆に、固定電話回線と無線LANでつながる状態にあるスマホに対してケータイ 番号で電話をかけると、固定電話回線経由で着信することになります。  「固定電話の子機」ではなくなりますね。  SIPという技術は本来、こんな使い 方を実現するものなので、固定電話会社とケータイ電話会社が連携すればやれるはずです。

 さて、そんなサービスが登場するのは何時でしょう?
  

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