間違いだらけのネットワーク作り(694)2011/06/25
「日本の電子書籍が伸び悩む理由」

   昨日の暑さとは打って変わって今日の東京は気温が低く、おまけに風が強いので窓さえ空けていればエアコンいらずです。  それでも東電の電力使用率表示 は83%になっています。休日でオフィスや工場の電力需要が少ないだろうに、どうしてでしょうね。  節電、節電といいながら、家庭での節電なんてろくに されてないんじゃないでしょうか。

  震災からしばらくは書店に足を向ける気にもなれず、例年より本を買っていなかったのですが、ここ数週間は読書の秋ならぬ、読書の夏、になっています。  先週、うすっぺらい沢木耕太郎さんの小説を読んだのですが、その前に読んだ405ページの「子規、最後の八年」ほどの充実感がなかったので、今週は 500ページを超えるノンフィクションの本を買いました。 とにかく分厚い本を読みたいという眼で本を探したのですが、なかなかないですね。 3分冊、4 分冊になっているものはあっても、1冊で4、500ページというのは少ないです。 ちなみに、今週買った本も正岡子規がらみです。 興味あるものを追いか ける、ということです。

 月曜日にITproの新しいコラムが掲載されます。 IPと は全く違う「OpenFlow」の目的とは というテーマです。  

NEC ソリューションフォーラム北海道2011 7月5日15:20−16:50 札幌パークホテル プログラムB3「次世代WAN、スマートデバイス (iPad等)による企業ネットワークの革新」


「日本の電子書籍が伸び悩む理由」

 読書の夏をやっていて、気になるニュースが2つありました。 日本の電子書籍が伸び悩んでいるという、電 子書籍、先行き“読めず” 専用端末・コンテンツが伸び悩みと、
対してアメリカでの好調ぶりがうかがえる米アマゾン、電子書籍が印刷本を上回る 4月からというニュースです。

 日本で電子書籍が不振な理由として読者層として期待した若者が電子書籍リーダーである端末を買うのが難しいとか、コンテンツが少ない、といったことをあ げています。 対してAmazonは英語圏向けで95万冊以上をそろえ、紙のベストセラーの9割以上が電子化されているとのこと。 書籍の価格は紙の半分 以下。 

 若者に端末を買うお金がないとか、コンテンツが少ないのが本質的な理由なのでしょうか?  そんなことじゃないと思います。  日本の電子書籍はビジネ ス・モデルとして、エコ・システムとして、そもそもの成り立ちが間違っているのが不振の原因だと思います。

 Amazonが成功したのは紙の本の販売でクラウドやネットのメリットが最大限発揮できるビジネス・モデル、エコ・システムを作り上げたからです。 大 きな流通コストがかかっていた書店というものを不要にした。 日本は書籍の流通を牛耳っているのは東販、日販という書籍取次(卸売業者)です。 この2社 に書籍を扱ってもらえないと、出版社は書店に本を並べてもらえないのです。 Amazonのモデルは取り次も、書店も不要。  紙の本でシステムが出来あ がり、高いシェアを持ったことが電子書籍成功の理由です。  紙で成功すれば、電子書籍は紙以上に簡単です。 物流が不要だからです。 Amazonは激 減した流通コストを出版社、著者、読者に還元できるようになりました。  読者には紙の半額の本を、著者には高い印税を提供しているのです。  

 対して、日本の電子書籍は既得権のある取次や書店のビジネスを壊さないように、気を使いながらやられています。  上記の記事ではシャープとソニーの電 子書籍が取り上げられています。  これらの会社は読者に良質な書籍を安価に提供し、出版社や著者にも利益を還元する、という電子書籍本来の目的ではな く、「自社の端末を売りたい」という動機が優先されています。  Amazonのような紙の世界でのシステム構築や販売シェアもなく、何もないところか ら、いきなり電子書籍を立ち上げようとしている。  うまく行く訳がありません。

 取次や書店とのしがらみがなく、電子書籍の目的を正しく理解している事業者が主体にならないと、日本の電子書籍が伸びることはないと思います。 おそら く、一番早いのは有力な出版社や著者がAmazonと契約して、どんどん電子書籍を出すことでしょう。 

 今週買った500ページの本は2200円でした。 電子書籍になって1000円になったら迷わず紙ではなく、電子を買います。 重さも紙の本より、 iPad2の方が軽いのです。 

*ここに書いてあ ることで質問、ご意見などありましたら下記メールへお知らせください。 


  tuguhiro@mti.biglobe.ne.jp


ホームページへ