間違いだらけのネットワーク作り(692)2011/06/11
「オープンフローはコネクション型通信?」
昨夜、「子規、最後の八年」関川夏央著(講談社、2300円)を読み終えました。 先日、高田馬場の芳林堂へスマートデバイスの書棚を見ることを目的に
行き、文芸書コーナーで衝動買いした本です。 表題と分厚さと著者名だけ見て、1ページも読まずに買いました。 ふだんは200ページ程度の軽いエッセ
イを読むことが多く、405ページというiPad2より重い本を読んだのは久しぶりでした。 子規の最後の八年とは脊椎カリエスをわずらって、根岸の子
規庵で病臥していた8年です。 子規のことは「坂の上の雲」にもかなり詳しく描かれていますが、この本はその数倍、細かく事実を書き連ねています。
細かさというのが興味をそそるものなのだと思えるのは、著者の腕と、対象にしている人物の魅力だと思います。 7月5日の札幌での講演ではこの本の表紙
をスライドの1枚に使います。 ネットワークの講演の中で、この本の表紙がちゃんと講演のストーリーに溶け込み、iPadアプリの話につながって行きま
す。
NEC
ソリューションフォーラム北海道2011 7月5日15:20−16:50 札幌パークホテル プログラムB3「次世代WAN、スマートデバイス
(iPad等)による企業ネットワークの革新」
「オープンフローはコネクション型通信?」
今週、NEC社内でオープンフローの説明会があり出席しました。 オープンフローについては日経コミュニケーション6月号の最終ページ「間違いだらけの
ネットワーク作り」に「IPとはまったく違うOpenFlowの目的」というテーマで書いています。 説明会は技術者向けのもので、基本だけ知りたい私
にとっては詳しすぎる内容でした。 ただ、基本を知りたいものだから、質問はかなりしました。 最初の質問は「オープンフローって、コネクション型の
通信、それともコネクションレス型の通信?」というものです。
講師はなかなか答えられず、いろいろしゃべっていましたが、結論はコネクションレスのようでした。 はっきり言って、コネクション型だろうが、コネク
ションレスだろうが、オープンフローで何が出来て、メリットは何で、デメリットは何か、が理解できれば私は満足なのです。 でもまあ、ネットワークの教科
書の最初にあるように通信というのはコネクション型とコネクションレス型のどちらかしかないので、オープンフローはどっちなのだろうと、どうでもいい疑問
を持ったので質問したのです。
このHPを読んでいる人には釈迦に説法ですが、コネクション型の通信は通信を開始する前に通信相手との間に仮想的通信路を設定し、誤り制御やフロー制御
を効率的に行う方式です。 昔の技術で言えば、フレームリレーがその典型です。 コネクションレス型はIPが代表的で、個々のパケットをルーターが自律的
に転送しているだけで、END2ENDの通信路は意識されません。
さて、オープンフローはどっちなのでしょう? トラフィックの流れはフローコントローラーで集中制御され、各スイッチでのフローの識別とその扱い方を
規定するフローテーブルはコントローラーが決めています。 識別に使われるのはレイヤ0から4までの5種類のラベルです。 使う識別子の数や組合せは自
由です。 業務アプリを識別したいなら、ふつうサーバのIPアドレスとポート番号でOKでしょう。 通信が始まり、最初のパケットがスイッチに入って
くると、スイッチはそのパケットの扱い方をコントローラーに問い合わせ、その答を元にフローテーブルに登録します。 2つめのパケットからは問い合わせは
不要で、フローテーブルを参照しつつ、転送します。 通信が終わり、一定時間経過するとフローテーブルからその通信で使ったエントリーは削除されます。
このような振る舞いを見ると、オープンフローはコネクション型かなと思います。 しかし、スイッチがやっていることは個々のパケットを識別子でフィル
タリングして出力先を決めているだけで、END2ENDのコネクションを意識しているわけではありません。 それだけ見るとコネクションレスのような気も
します。 はっきりさせられないですね。
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