間違いだらけのネットワーク作り(667)2010/12/18
記事評「11n時代の無線LAN構築術」

 今週は講演も、プレゼンもない、というめずらしい週でした。  かわりにRFP説明会で1時間半、人の話を聞く機会がありました。   さて、どんな作 戦で提案書を書こうか、という社内の打ち合わせを2回やったのですが、いろんな経験を持つメンバーが集まって話していると、とても面白いです。  へ えー、と思うことが多いからです。  「ネットワーク」という言葉からイメージするものさえ、まったく違うのです。 経験も、考え方も違うメンバーが集 まっているといい提案書が出来ます。
 
  12月20日(月)にITproの新しいコラム、「プロ ジェクトはなぜ成功するのか」が掲載されます。  とても面白いと思うので、お読みください。 

記事評「11n時代の無線LAN構築術」(日経コミュニケーション 2010年12 月号)

 
企業でiPadをはじめとするスマートデバイスを導入するには、それらが有線LANのインタフェースを持たないため無線LANが不可欠で す。  実際、スマートデバイスを会議システムで使うために、これまで無線LANを禁止していた企業が会議室に導入したり、無線LANともっとも遠いとこ ろにあった銀行がiPadを使うために営業店に導入したりしています。 もっとも、銀行の例は銀行のイントラネットに無線LANを接続しているわけではな く、業者がタダで営業店に引いたADSLの先に無線LANをつけているだけです。 FONを使っているそうなのですが、思うように速度が出てないようで す。 

 この特集で解説しているのはもちろん銀行のようなケースではなく、ちゃんと無線LANをイントラネットに接続するための基本的な知識とノウハウを解説し ています。  11nに限らず無線LANの基礎知識や留意点が分かりやすくまとまっており、私のように基本さえ押さえておけばいいと思っている人には便利 な記事です。 

 802.11nの特徴としてよく知られているのは理論値で600M、製品の実装で300Mと高速であることです。  これまでの11a/b/gで使われ ている低強度の暗号化方式WEPにかわって高強度のAESが標準になっていること、利用周波数帯域は5GHz帯が基本で2.4GHz帯と比べて電子レンジ やコードレス電話などの干渉源の影響を受け難いという特徴もあります。 ただし、代表的なスマートデバイスで5GHzに対応しているのはiPadだけで、 iPhoneは11nはあっても2.4GHzだけです。 IS03やXperiaは11nにさえ対応していません。

 無線LANを導入する上でハードルとなるのはセキュリティの確保と干渉問題です。  セキュリティはAES暗号化と802.11X+PEAPorEAP −TLSによる認証を導入している企業が多いとのこと。 ビル内の別フロアや外部から入ってくる無線LANの電波干渉は速度低下をもたらすやっかいな問題 です。  これを解決するツールとして無線LANコントローラーが重要だとしています。  干渉源の種類や場所を特定してマップ上に視覚化できる装置もあ るとのこと。  しかし、解決するのは人なので、干渉問題にともなう運用負荷は避けられないようです。

 無線LANの技術や製品は進歩し、スマートデバイス以前から導入する企業は増加傾向でした。  企業にスマートデバイスが浸透するにつれさらに無線 LANも広がるでしょうが、有線LANと無線LANを組合せ、低コスト・高セキュリティ・使いやすさの3点をいかに両立させるかがネットワークエンジニア の腕の見せ所になるでしょう。  

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  tuguhiro@mti.biglobe.ne.jp


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