間違いだらけのネットワーク作り(656)2010/09/25
記事評「iPadで変わるUI開発」

 先週土曜日は半ズボンにTシャツで机に向かっていたのですが、今日は長いズボン、長袖Tシャツにクツ下まではいています。  秋分の日を境に一気に気温 がさがって、いきなり秋本番になりました。 あと1週間もすれば金木犀が香り始めるでしょう。  この香りがすると、田舎の秋祭りの時期です。

 今週発行された日経SYSTEMS10 月号で「企業ネットワークの新常識」という連載が始まりました。  私に寄稿依頼があって書いたものです。  3カ月の連載で、第一回の10月号では 「WANは速度保証型が主役」というテーマで書いています。 第二回は「スマートデバイスでアプリ革命」、第三回は「モバイルもブロードバンドに」という テーマです。  

 この月刊誌はシステム開発・ソフトウェア開発に携わる人が対象で、私にとっては畑違いなので自分で講読することはないのですが、寄稿したので雑誌が送ら れてきました。 せっかくなので眼を通して見ると、これが面白いのです。 10月号の特集は「プロジェクトで人は育つ」、「IT現場の捨てる技術」、 「iPadで変わるUI開発」の3本。  連載は「はじめてのWBSの作り方」、「失敗から学ぶプロマネ技術」など、6本。  タイトルから分かるよう に、現場どっぷり、実践的な内容です。 ITの仕事に就いたばかりの新人にも、中堅にも興味を持って読める内容です。

 ということで、今週は日経SYSTEMS10月号の特集記事の一つ、「iPadで変わるUI開発」についてコメントしたいと思います。

  9月27日(月)にITproの新しいコラムが掲載されます。  あなた、「サービス可否判定」できますか?”というテーマです。 ぜひ、お読みください。
 
記事評「iPadで変わるUI開発」

 対面接客や外回りの営業でiPadが使われはじめ、その特性を生かしたUI(ユーザインタフェース)の開発が求められています。 この記 事では3つの観点でその考え方をまとめています。1.PCと異なる特性とは何か、2.特性を基にどんなUIを作ればよいのか、3.開発工程をどう変えるべ きか、です。

 PCと異なる特性は「感度の高い静電容量方式のタッチパネルと高性能のプロセッサを搭載したことで、指で画面に触れるとキビキビと反応する」こと。 こ れを生かした直観的な操作法としてドラッグ、フリック、ピンチという指のジェスチャーで操作できるのは皆さんご存じのとおりです。 ただ、直観的な操作は 長所であると同時に、+−などのボタンで画面の拡大縮小などの操作をするPCの標準的な操作法と異なるため、不慣れなユーザにはとっつき難いという短所に もなります。 マウスがないため、ピクセル単位の細かい操作が出来ない、オンスクリーンキーボードはクリック感がなく、画面の半分以上を隠してしまう、と いう欠点もあります。

 こういう長所・短所を踏まえてどんなUIを作ればいいか。  長所を生かしたUIの例として電子書籍などで使われている縦横2軸の画面遷移が挙げられて います。  たとえば、縦にフリックすると雑誌の表紙から次のページへと同じ雑誌のページをめくるように表示され、横にフリックすると別の雑誌の表紙に飛 び、そこから縦にフリックすると新しい雑誌が読める、という具合です。 直観的な操作に不慣れなユーザのためにフリックでもボタン(メニュー)でも使える ようにしたり、キーボードを極力使わず入力しやすい画面(テンキーのような)を作ることが短所を補う方法として示されています。

 開発工程ではUIの自由度が高いため、ユーザとの合意形成が難しく、それをいかに効率的にするかが説明されています。  大事なのは要件定義段階での ユーザ調査。 iPadに不慣れなユーザが多いと開発終盤に変更要求が噴出して大変なことになります。 また、使用する状況が終盤になって分かったので は、UIの変更を余儀なくされます。  ユーザ調査でiPadに不慣れなユーザが多いと分かれば、早期にiPadを代表者に配って慣れてもらう、十分利用 シーンを調べる、といった対策が必要です。 そして、iPadに限らないことですが、プロトタイピングでUIの反復開発を効率的に行うこと。

 ソフトウェアを設計・開発する人はこんなことを考えながら仕事をしているのですね。 つながって、パケットが届けば何とかなるネットワークとはかなり違 います。 こういうUIまで含めてコミュニケーション・システム全体をどうするか設計することもネットワークエンジニアの仕事として考えると、ネットワー クの仕事がもっと楽しくなるのではないでしょうか。

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  tuguhiro@mti.biglobe.ne.jp


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